ベルギーで救急車を呼ぶ方法、支払い費用と還付金額

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ベルギーで勤務中に倒れてしまい、救急診療を受けてしまいました。

この記事では救急車の呼び方、費用と保険の適用について私が経験したことをまとめました。万が一ベルギーで救急車が必要になった際のお役に立てれば嬉しいです。

救急車の呼び方とルール

私は救急車で搬送された側なので、実際にどのように呼んだのかは知りませんでした。ただし、後日届いた請求書に「救急車利用の手引き(オランダ語)」なる紙が同封されていました。

後日受け取った請求書と手引き

この資料を翻訳しながら、救急車の呼び方をご紹介します。原文が箇条書きのため、それに倣います。

  • 救急患者が発生した時は、緊急番号の112か110に電話します。
  • アシストセンターのオペレーターが「Belgian Manual on Medical Regulation」に沿って対応します。このオペレーターが「本当に救急対応すべきか」を判断します。
    • もしオペレーターが「救急対応の必要なし」と判断した場合は、最寄りの開業医か非救急の医療サービスを利用してください。
  • オペレーターが「救急対応必要」と判断した場合、下記の要領で救急車が対応します。
    1. 最も近くで待機している救急車1台が迎えにいきます。呼出者が救急車を指定することはできません。
    2. 患者を救急車に乗せた後、最も近い受け入れ可能な救急病院に適切なスピードで輸送します。呼出者が病院を指定することはできません。

“Info voor de burger, Ziekenwagenritten binnen de Dringende Geneeskundige Hulpverlening”(オランダ語)を翻訳して引用

ちなみに、緊急番号の100はベルギー国内の救急番号(日本でいう119番)、112はヨーロッパ圏内共通の緊急フリーダイアルとのことです。112番の解説については下記のリンクを参照願います。

外部リンク:112 – Emergency call number in Europe(英語による112の解説)

先ほどの写真にある手引きの紙の左上にあるアイコンから、112を利用したのでしょう。上記の112/100番のほか、赤十字社の救急番号105もあります。この番号の使い方はわかりませんが、解説ページを見つけました。ベルギー国内の緊急番号について下記リンク先を参照願います。

外部リンク:Emergency services | City of Brussels (ベルギー国内の救急や警察の緊急番号一覧、英語ページ)

救急車の費用は輸送距離で決まる

救急診療を受けた次の週、請求書が届きました。その内訳はこのようになっていました。

数量説明単価[€]消費税小計[€]
1式患者の輸送費用、最初の10 kmまで64.370%64.37
10km患者の輸送費用、10km以上20 kmまで6.43/km0%64.30
4km患者の輸送費用、21km以上4.92/km0%19.68
0輸送中のAEDの利用61.000%0
合計148.35

AED(自動体外式除細動器)は救急病院に輸送中に使用した場合のみ請求されます。今回は使わなかったため費用は発生していません。

この費用に病院の診察代は含まれていません(別途請求がきた)。救急車単体の費用として148ユーロは安くはありませんが、想定内でした。ただ、費用の振込後、改めて請求書を見たところ、走行距離が記載されていることに気づきました。この救急車の走行距離を計算したら、トータルで24kmでした。

あれ?そんなに救急車が走ったとは思えません。Google Mapで調べましたが、私が倒れた職場から救急病院までは車のルートで3.6kmでした。なのに、トータルで24km?残りの20km強は何なのでしょう?

この部分についても手引きに書かれていました。距離の計算はこの3つを考慮します。

  1. 「救急車の出発地」から「患者を乗せた場所」までの距離
  2. 「患者を乗せた場所」から「指定された救急病院」までの距離
  3. 「指定された救急病院」から「救急車の活動拠点(日本なら管轄の消防署)」までの距離

“Info voor de burger, Ziekenwagenritten binnen de Dringende Geneeskundige Hulpverlening”(オランダ語)を翻訳して引用

先ほどの3.6kmは2番に該当し、残りの20kmは1番と3番の合計です。救急車の拠点から片道10kmほどの距離を往復したため約20kmとなったのです。

別の記事で書きましたが、当時救急車を呼んでから到着するまで20分以上かかったと同僚が話していました。私が日本で車を運転していた時も、感覚的には5kmの走行に10分かかっていました。同じ理由で片道10kmであることから20分かかったことがやっと理解できました。

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しかし、日本みたいに交差点を優先的に通ったりすればもっと早く到着できた気がするのですが、サイレンを鳴らして来なかったのでしょうか…。

この救急車料金の仕組みを例えていうならばこうなります。タクシーを配車して迎車料金が課金されたけれども、迎車金額の方が乗客を乗せた賃走費用よりも高かったということでしょう。これがベルギーの救急車の料金のからくりです。

上記以外の料金で、請求されないもののリストもありました。翻訳して紹介します。

  • AED以外に使用したもの、患者個人が負担したもの、その他
  • 救急車が到着したものの、何らかの理由で患者を輸送しなかった場合の輸送費、ただし輸送しなかった理由は個々のケースによる

“Info voor de burger, Ziekenwagenritten binnen de Dringende Geneeskundige Hulpverlening”(オランダ語)を翻訳して引用

相互扶助サービスで半額還付された

ここまで説明したように、ベルギーの救急車は日本のように無料ではなく有料です。負担にはなりますが、ベルギー在住であればベルギーの制度を利用して一部還付ができます。日本から旅行ベースで来られた場合は海外旅行保険が適用できると思いますので、加入したサービスに問い合わせ願います。

ベルギーの健康保険に相当する相互扶助サービス(mutual)の概略については、以前の記事にて紹介させていただきました。併せてご覧いただければと思います。

関連記事:ベルギーの健康保険サービスとフランダースの社会保障

今回の還付手続きはこのようになりました。

  1. 請求書を受け取ったらまず支払う(私はネットバンク経由で支払い)
  2. 加入している相互扶助サービスが発行した「会員番号のステッカー」を請求書に貼る(請求書に貼り付けスペースの指定がある)
  3. ステッカー貼り付け済みの請求書を相互扶助サービスに送る

私が加入しているPartenaは市販の白い封筒に請求書を入れても良いのですが、他業者では専用の封筒でしか受け付けないそうです。また、郵送でしか受け付けないところもあれば、最寄りのサービス窓口のポストに投函すれば良いなど、加入しているサービスにより手続きは多少異なります。

ポストに封筒を投函してから11営業日後(約2週間)、私の銀行口座に還付されたことを確認しました。還付金額は74.18ユーロ、支払金額の半額が戻りました。

救急車の費用がネットバンク経由で還付された(このケースでは半額)

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。ここまで細かくご紹介するのは恥ずかしいですが、お役に立てれば嬉しいです。

この記事をまとめましょう。

  • 救急車を呼ぶ場合は112か100に電話する。電話対応したオペレーターの判断で救急車が手配されるか否か決まる。
  • 救急車の費用は走行距離できまる。患者を救急車に乗せた場所と救急病院までの距離だけでなく、救急車の出発地点から現場までの距離も請求される。
  • 相互扶助サービスで支払額の半額が還付可能。

※この解説は私が実際にベルギーで救急車を利用した時の内容です。地域やサービス会社により料金体系や利用方法が異なることがあります。

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