ベルギーの水道料金のしくみと請求金額の実例

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ベルギーの水道は地域(州)によって異なる業者が提供しています。私が住む地方の水道はFarysという業者が提供しています。この会社は民営ではなく自治体が経営母体とのことです。

この記事ではベルギー生活費の詳細として、水道代のしくみについて私の請求例をベースに解説します。私のような単身よりも、ご家族で水を使われるケースの方が参考になるかもしれません。

基本的な考え方

世帯数と世帯あたり人数で「基本料金の適用範囲」が決まる

水道料金は基本料金と追加料金の2種類があります。日本の水道料金と基本的には同じで、一定の消費量までが基本料金、超過分が追加料金として請求されます。私は追加料金が請求されなかったため、この記事では基本料金のみを紹介させていただきます。

まず1世帯単位の使用量上限として30m3/年というルールがあります。これは何人住んでいても共通の料金です。

次に1世帯に住む人数に応じて、一人当たり30m3/年というルールがあります。4人家族であれば、4×30=120m3/年となります。私は一人暮らしなので30m3/年です。

この「1世帯あたりの使用量上限」と「一人当たりの使用量上限」の合計に基本料金が適用されます。私のケースと1世帯4人家族ではこのようになります。

  • 私の場合:30(世帯上限)+30(個人上限)=60m3/年(までが基本料金)
  • 1世帯4人家族の場合:30+(30×4)=150m3/年(までが基本料金)

ちなみに、世帯あたりの人数は業者の方で自動カウントしているそうです。おそらく滞在許可証のID番号を参照して割り出すのでしょう。

水道料金のカテゴリは3×2=6パターンある

次に水道料金のカテゴリです。日本では私の覚えている限り「水道料金=上水道料金+下水道料金」だったと思います。Farysの料金体系では以下の3つのカテゴリで構成されています。

  • 上水料金 (Drinkwaterprijs)
  • 下水料金 (Gemeentelijke bijdrage)
  • 浄水料金 (Bovengemeentelijke bijdrage)

原語のオランダ語を直訳すると、上水は「飲料水」、下水は「都市貢献」、浄水は「準都市貢献」となり意味がわかりませんでした。しかし、請求書の説明を読んだところ箇条書きに示す意味になりました。

この3つのカテゴリに加えて、先ほど説明した「世帯・人数による消費料金」と「日割りの利用料金」が課金されます。先ほどの箇条書きをさらに展開するとこのようになります。

  • 上水料金 (Drinkwaterprijs)
    • 日割りの利用料金
    • 世帯・人数による消費料金
  • 下水料金 (Gemeentelijke bijdrage)
    • 日割りの利用料金
    • 世帯・人数による消費料金
  • 浄水料金 (Bovengemeentelijke bijdrage)
    • 日割りの利用料金
    • 世帯・人数による消費料金

この日割り料金には一律20%の値引き(social rate)が適用されました。理由は「障がい者や高齢者向けの料金」らしいのですが、私にこの割引が適用されている理由まではわかりません。下記リンクにて解説があります。

外部リンク:Sociaal tarief | Farys(オランダ語によるsocial rateの解説)

請求金額の例

ここまでの考え方から、私が実際に受けた請求金額の表を紹介します。わかりやすくするため、利用開始の8月1日から12月31日までの153日分(5ヶ月分)の料金とします。

内容数量単価[€]小計[€]
上水日割り料金153日0.137/日(50/年)20.96
日割り料金の割引額(20%)153日0.0274/日(10/年)-4.19
世帯・人数による消費量12.10m31.9615/m323.73
項目計40.50
下水日割り料金153日0.0822/日(30/年)12.58
日割り料金の割引額(20%)153日0.0164/日(6/年)-2.51
世帯・人数による消費量12.10m31.3264/m316.05
項目計26.12
浄水日割り料金153日0.0548/日(20/年)8.38
日割り料金の割引額(20%)153日0.011/日(4/年)-1.68
世帯・人数による消費量12.10m30.9474/m311.46
項目計18.16
合計84.78
ひと月あたりの料金16.96

消費税(VAT/BTW)は6%で全て表示金額に含まれています(電気代は21%)。カテゴリ別の料金の高さは上水>下水>浄水となりました。

5ヶ月で12.10m3しか使わなかったため、1年使ったとしたら29.04m3相当の消費量です。最初に説明した基本料金の上限は60m3なので、上限の半分も使っていないことになります。

料金的には日本で使っていた料金よりやや安めでしょうか。1ユーロを130円とすれば、現在の支払いは一ヶ月あたり2,210円、日本で一人暮らしをしていたときは2,700円/月くらいだったと思います。

もちろん使い方によって料金は変わります。日本では毎日入浴していましたが、ベルギーに引っ越してからはシャワーがメインで入浴は週1回程度です。洗濯も週1回(コインランドリーではなく自宅に洗濯機を据付)ですし、食器洗浄機は使用していません。

総括して、水道料金はそれほど高いとは言えないでしょう。電気代の方がはるかに高いです。

料金の支払い方法

水道代の支払いは3ヶ月に一度です。そして年1回、税金の確定申告のように使用量を申告して過不足分を調整します。

最初の料金はどのように決まるのでしょうか?前入居者が支払っていた実績をまず引き継いで支払います。そして年一回の調整後、自分の使用実績から次年度の支払い額が決定します。前入居者よりも多く消費していれば調整時に多く払い、少なく消費していれば調整額は戻ってきます。

私の場合、前入居者の実績ベースで62ユーロ/3ヶ月を最初支払いました。そして年明け1月の調整で45ユーロを支払いました。次年度の料金は消費実績から55ユーロ/3ヶ月となりました。調整で少し支払ったものの、ひと月当たりの水の消費量は前入居者よりも少なかったのでしょう。次年度の支払額は値下げとなりました。

1月に水道業者から「メーターの値を測定して申告して欲しい」というメールが届きます。この指示に従って自分でメーターの値を記入してオンライン申告します。日本では水道メーターは屋外にありますが、今の私の部屋は屋内の温水タンク脇にあります(ベルギーの全ての住居に当てはまるかは不明です)。

水道メーターは屋内にあった
水道メーターは屋内にあった

賃貸の契約時にメーター値を記録しているはずです。申告時に自分で記録したメーター値と入居時のメーター値の差が「世帯・人数による消費量(m3)」になります。メーターIDと使用量の両方を記録しましょう。

申告はオンラインでできました。申告の案内メールにURLが記載されているため、クリックして進みます。申告時の画面を取り忘れてしまったため申告方法は忘れてしまいましたが、注意点を1つだけシェアします。

メーター値は「○○○○.○○○」といった小数点込みの数字となっています。しかし小数部(小数点以下)の数字は申告には使いません。私は最初知らずに全ての桁を入力しててオンライン申請しました。すると入力後に「何でそんなに水を使ったのか?」という質問画面がオランダ語で表示され混乱しました。数十分格闘後、小数点以下が不要なことがわかって整数部だけを再入力したらエラーが出ずに手続きがうまくいきました。

後で水道業者のレターを見たら、確かにメーター値の小数部は「×」となっていて申告不要のようでした。

まとめ

このように、ベルギーの水道料金は日本と比べて少し複雑でした。しかし、電気代はもっと複雑で高いです。電気代のしくみについては別の記事で解説します。

この記事をまとめましょう。

  • 基本料金の適用消費量は世帯数(1世帯30m3)と世帯あたりの居住者人数(人数×30m3)の合計で決まる。
  • 請求と支払いは3ヶ月に1回、年1回確定申告して来年の支払い金額が決まる。
  • 使用量の申告はオンラインで自分でやる。メーターの小数点以下は申告には使わないので数字の入力に注意する。

※この記事は2018年2月時点の情報を基に作成しました。また業者により料金体系などは異なるため、お住まいの水道業者の請求に従ってください。

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