私の心臓発作の原因は脳疲労からくる自律神経失調?

[この記事は約 10 分で読めます]

前回、心臓発作が起きたのに心臓の検査の結果問題ないことをお話ししました。では何が原因だったのでしょうか?このままでは「運が悪かった」で済まされてしまい、再発が防げず本当に過労死になってしまう可能性もあります。

私が個人的に調べてみた結果『脳疲労』というキーワードにたどり着きました。この記事では『脳疲労』と私の不調の関係について個人的な経験と見解をまとめました。また自律神経失調や過労死に関する最近のニュース2件を取り上げ、私の経験をベースに症状の辛さや予防方法について解説します。

前回の内容:心臓発作で倒れたけど心臓は悪くなかったおはなし

心臓発作と脳疲労の関係を自分で調べた結果

心臓発作で救急搬送された日から一週間、自宅で安静にしていました。療養するとはいえ一日中じっとしているのは暇すぎたため、何が原因で発症したのかを考えました。

前回記事で書いたとおり、医師の診断の結果心臓に問題はありませんでした。生活習慣病の疑いもなかったのに何故発作が起きたのか?再発を防止する意味でも、自分の身体と向き合い何らかの答えを出す必要がありました。

私は元々20代のころから自律神経の不調に悩まされていました。過呼吸や眼精疲労で病院のお世話になることがあったため、自分なりに予防する必要がありました。本を読むなどして知識を身につけていたのですが、ここ数年は症状が出なかったために忘れていました。

療養中にふと「目と脳はつながっているため『目の疲れは脳の疲れ』」という記述がどこかにあったことを思い出しました。

そこでもう一度「脳、疲れ」で情報を探していたところ、医師が書いた一冊の本を見つけました。購入して読んだところ、気になる記述がありました。引用させていただきます。

疲労の蓄積が激しいなど自律神経に何らかの変調が起こると、質の高い睡眠が得られなくなったり、心拍コントロールが困難となり心筋梗塞などのリスクも高まります。

梶本修身 『すべての疲労は脳が原因』 集英社新書 (2016) kindle版位置No.386付近より

まさしく、私が考えていた原因に近く、長年の悩みを改善するヒントになりそうでした。ただ、著者の梶本先生も上記の引用文にて「リスクも高まる」と断定をしていません。この因果関係を裏付けるデータはまだ十分にないのかもしれません。

同書では、脳疲労の原因についてこのように書かれています。引用させていただきます。

乳酸が疲労をもたらす犯人ではないとしたら、何が疲労の原因となるのでしょうか。それは脳内で神経細胞を攻撃している「活性酸素」です。

梶本修身 『すべての疲労は脳が原因』 集英社新書 (2016) kindle版位置No.621付近より

ストレス物質である活性酸素が原因と説明しています。前回記事で参考にさせていただいた心臓の本にも、活性酸素による動脈硬化の説明があります。引用させていただきます。

(前略)ストレスが強まると活性酸素というストレス物質が産出されて、血管の劣化を早めたり、ホルモンが過剰に分泌され血圧や心拍数を上げることで、動脈硬化を進行させる仕組みが科学的に解明されています。

天野篤 『最新 よくわかる心臓病~心筋梗塞・狭心症・不整脈・弁膜症・大動脈瘤~』 成文堂新光社 (2013) kindle版位置No.1059付近より

これら3つの引用文から総合すると、『脳の疲労(活性酸素が生産される)→睡眠時の不整脈、胸や左腕の痛み(数日前に現れた前兆)→心臓発作(あわや過労死)』という流れで発症したのではないでしょうか。私が自覚した限り、下の図に示すステップで心臓発作となりました。

私が心臓発作を発症するまでのステップ(推定)

私は医師ではないため、もし断定してしまうと批判を受けるでしょう。しかし、自分の肉体に起きたことを振り返ると、この因果関係で心臓発作となったことに納得ができます。医師の方にもご理解とご協力をいただき、さらなる研究につなげていただきたいです。

※2018.05.01追記:渡辺正樹著『自律神経失調症を知ろう』南山堂(2016)p.36にて上のイラストと似ている図を見つけました。私の推定に対して医師の記述による裏付けができました。医師によるさらなる理解とご協力をお願いいたします。

ニュースについて解説

この記事を執筆中、自律神経失調や過労死に関するニュースが2件入ってきました。この2件とも30代の男性の発症例で私のケースと似ています。私の経験と照らし合わせて解説し、予防の大切さが伝わればと思います。

機械のメンテナンスの仕事をしていた男性のケース

工場内の装置のメンテナンスをしていた男性(38)が、勤務後自宅にて急性心筋梗塞で亡くなったケースです。亡くなった男性は私と同じ製造業に従事していました。また年齢も1歳差と非常に近いため、このニュースを見たときは自分のことの様に辛く感じました。

外部リンク(読売新聞によるニュース記事):http://www.yomiuri.co.jp/national/20180403-OYT1T50103.html(すでにリンク切れ)

この男性の心臓発作は防げなかったのでしょうか?私のケースでは心臓発作が起きる数日前に前兆として胸や左腕に痛みがありました。

リンク先のニュース記事(有料部分あり)を読んだところ、男性の妻の手記がありました。それによると、やはり発作が出る前に前兆として胸の苦しみがあったようです。しかし、責任感の強いご主人だったようで、(仕事を休んで)病院には行けずに発作が発生してしまったとのことです。

人により前兆がいつ頃出るかは異なります。数日前か、1週間前か、それ以上前か、いずれにせよ前回の記事でも解説したように、前兆を認識されたらすぐ病院で診察されることをお勧めします。

ただ日本人の男性にとっては「休みをとることが今後の仕事にマイナスになる」と考えている人がいまだに多いのも事実です。このような事態になることを避けるためには、この2つの両方が必要です。

  1. 本人が症状を受け入れる勇気
  2. 周囲の理解と協力

このケースでは奥様が理解して病院に行くことを勧めていました(周囲の理解と協力はあった)。しかし男性の方が症状(胸の苦しみという前兆)を受け入れきれませんでした。そして、家族を残して亡くなるという最悪の結果となってしまいました。

同記事では会社が厳しいノルマを男性に与えていたなど、労働環境の問題点も指摘されています。このケースは労災認定もされ会社側に非があることは確かです。しかし、自分の症状を職場の上司や同僚が理解してくれなければ、最後は自分が何とかしなければいけません。

最悪のケースを避けるためにも、自分の症状を受け入れる勇気が大切です。

もう1カ所、同ニュース記事に気になる点がありました。発作が起きた日に男性は入浴をしたと記事には書かれていました。日本の生活では当たり前の入浴ですが、この入浴が心筋梗塞の引き金になった可能性が考えられます。

入浴は自律神経の交感神経と副交感神経に負担をかけます(詳細は参考文献にゆずります)。ただでさえ疲労が蓄積されている状態で、入浴によりさらに自律神経に負担をかけて呼吸や心拍のコントロールができなくなったと考えられます。

このことは私のケースも当てはまります。普段はシャワーなのですが、発作が起きた日の前夜は入浴しました。この時すでに私の身体の疲労は限界に来ていたため、いつもならスッキリするはずの入浴でも気分が全然晴れませんでした。おかしいと自分では思っていても自覚しきれませんでした。そして次の日に倒れました。

もし心臓発作の前兆となる痛みや苦しみがあった場合、入浴も避けることをお勧めします。まずは病院に行っていただきたいですが、発作発症のリスクを少しでも下げるためにも入浴は控えた方がいいです。多少身体が不潔でも、命には代えられません。

この記事を改めて振り返ると、私のケースは運よく周りに助けられたと感じています。こういったケースで亡くなった人達の分も私は生きなければならないと思いますし、少しでも自分の発作経験が役立てられればと考えています。

野球選手の川崎宗則氏のケース

次に野球選手の川崎宗則氏のケースです。36歳で惜しまれつつソフトバンクを退団されました。退団の前年にケガで戦線離脱したものの、自律神経の病気で体が動かせなくなったとご本人がコメントされています。

外部リンク(スポニチAnnexによるニュース記事):https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2018/03/26/kiji/20180326s00001173211000c.html

先に解説したように、自律神経失調が脳疲労から来ているのであれば川崎宗則氏のコメントを理解できます。具体的な症状は記事にて説明はありません。ただ自律神経失調の原因は脳であれば、脳から体に指令がうまく出せなくなっていることが考えられます。

彼がたとえ現在通常の生活はできても、スポーツのような激しい運動ができる体調ではない(身体が思うように動かせない)と私には容易に推測できます。

私のケースでお話しします。私が心臓発作で倒れて療養中、自律神経失調と疑われる過呼吸や眼精疲労を感じました。その後回復し、日常の生活はできるようになりました。しかし、製造業としての肉体労働を1時間程度続けると左腕がつっぱる感じがするため、こまめな休憩が必要になります。また、スポーツやジョギングは今の自分にできそうにありません。ましてやスポーツ選手として体を全力で動かして結果を出さなければいけない人には無理難題でしょう。

一部からはこの症状に対して「甘え」という批判を受けているようですが、とんでもない誤りです。脳がうまくコントロールできないので身体が動かせないのは私も経験したことなのでよくわかります。見た目に明らかに分かる外傷がないから、このような批判が出るのです。自律神経の状態を客観的に測定する方法の開発が望まれます。

川崎氏であれば別の道でもお仕事ができると思います。体に負担をかけない程度に別の道でのご活躍をお祈り申し上げます。

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。

心臓の発作だからと言って必ずしも心臓に問題があるとは限らなさそうです。お医者様の専門領域にプラスして横断的な分野のご理解とご協力が必要です。私は医師ではありませんが、発作経験者・本業の技術者として何か力になれないか模索しています。現代病だからこそ、苦しんでいる方はたくさんいらっしゃるはずです。

以上、この記事の内容をまとめましょう。

  • 私の心臓発作は、脳疲労からくる自律神経失調症が原因だと考えられる。医師による横断的な研究や認知が求められる。
  • 心臓発作には前兆となる痛みや苦しみがある。発作の前兆となる痛みや苦しみを感じた場合は病院に行って早めの診察をしてもらう。またこの時の入浴は控える。
  • 外傷がないからという理由で安易な批判をしない。この苦しみは経験しないとわからない。
  • 心臓発作による過労死を防ぐには(1)本人が症状を受け入れる勇気、と(2)周囲の理解と協力、が必要。

次回は私がどのように心臓発作や自律神経失調の再発を防いだか、ご紹介したいと思います。

※この記事は医師の診断結果と筆者の独自調査と個人的な経験から総合的に判断してまとめました。症状が発生したと感じられたら病院に行き、医師の診察をお受けください。

参考文献

現代病を『脳疲労』という脳の疲れ(活性酸素)からアプローチがとられている点が、これまでの本と一線を画しています。私が長年悩まされてきた自律神経の不調を改善するきっかけとして、本書はとても参考になりました。

今後の更なる研究成果が気になります。

自律神経失調症の本の多くは対処方法を中心に書かれており根本的な原因については触れられていません。本書は脳疲労と自律神経失調症の関係から狭心症や内臓疾患、さらに過労死を招く可能性があることを解説しています。

一部梶本先生の著書と異なる記述はありますが、自律神経失調の原因から解説されている貴重な本です。この2冊を併せて読むことで脳疲労と自律神経失調により過労死を防ぐための知識を習得できるでしょう。