ドラゴンクエストの転職システムと実際のキャリアチェンジの関係

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転職活動を通じて「何かが違う」と感じたことはありませんか?私は2度の転職を通じて漠然と感じました。そもそも転職してキャリアアップするということはどういうことなのでしょうか。

このブログでも「履歴書(職務経歴書)の書き方」や「英語レベルのアピール」といった具体的な方法は公開してきました。ただ転職の考え方については人によって異なり難しいテーマです。自分が伝えたいことをわかりやすく例えられるものがないかと考えたところ、この記事のようにまとまりました。

この記事では、私が経験した転職活動を「ドラゴンクエスト」というゲームに照らし合わせて、転職についての考え方をまとめました。ゲームと比較するなという批判も聞こえてきそうですが、ゲームがこれだけ普及している今だからこそ伝えられることがあるのではないでしょうか。

ドラクエIIIとVIの転職システムを比較するとわかること

私の世代は小学校から高校の間に初代ドラクエからVIまでをリアルタイムでプレーしました。少し古いですが、私になじみのあるIIIとVIの転職システムを解説しながら、実際に私が経験したキャリアチェンジについてお話ししましょう。

下図は私なりにまとめた両ゲームの転職システムの比較結果です。

ドラクエIIIとVIの転職システムの違い(イメージ)

私が小学生の時に最もプレーしたのがドラクエIIIでした。ドラクエIIIでは、あるキャラが転職するとレベル1に戻り、かつステータスも下がります。これはまるでキャリアチェンジをするたびに1からの再スタートという印象を受けます。上図の例では、魔法使いとして習得した呪文は僧侶に転職しても使えます。しかし、僧侶としてだけでなくキャラとしてもレベル1から再スタートというリスクがあります。

ゲーム上では、魔法使いと僧侶の両方の呪文を覚える「賢者」に転職するのが王道です。しかし、賢者になるには「悟りの書」という非売品アイテムを入手しなければいけませんでした。そのため、当時のプレイヤーはどのキャラを賢者にするか議論になったはずです。

またドラクエIIIには遊び人という職業もあります。通常のプレーではあまり役に立ちませんが、レベル20になると例外的に「悟りの書」なしで賢者になれるシステムでした。遊びも極める(一つのことを極める)と賢者になれるという意味かもしれませんが、これも大きな教訓ではないでしょうか。

一方、ドラクエVIでは職業がもっと細かく存在し、各職業はレベルとは別に習得度を表す星マークがあります。転職してもそれまで習得したスキルは残り、ステータスは多少の変動があったとしてもレベルは下がらずに次のキャリアを積むことができます。

しかも、複数の基本的な職業(下級職という)を最高の習得度にすると、それらを組み合わせた一段上の職業になれます(上級職と呼び、例えば戦士と魔法使いをマスターすると「魔法戦士」という職になれる)。まるで堀江貴文氏(ホリエモン)の主張「三つの肩書きをもてば、あなたの価値は一万倍になる(多動力、幻冬舎)」や、藤原和博氏の主張「100人に1人以上のレア人材になる(藤原和博の必ず食える1%の人になる方法、東洋経済新報社)」に通じるものがありますね。

参考記事:『多動力』を使って海外で働くには?

このように比較してみて、私はドラクエIIIよりもVIのシステムの方が現実に近いと考えています。ドラクエIIIのようにキャリアチェンジすることでステータスが下がるような「マイナス」は現実にはありません。ドラクエVIのように「ゼロからプラスに積み上げ」、「複数の職業(スキル)を組み合わせると希少価値が出る」と考えています。

ドラクエの各キャラは会社勤めのために転職するのではありませんが、キャリアのあり方について示唆に富んでいます。

私が経験した「ドラクエIIIのようなキャリアリセット」

ドラクエIIIの転職システムは現実を表していないと書きました。しかし、私が2度目の転職時に経験したドラクエIII的な転職システムの洗礼を受けたお話をしましょう。

1度目の転職時に利用したエージェントに再度転職サポートを依頼した時のことです。てっきり前回と同じ人が担当してくれるのか思ったら、違う担当者でした。そして私の経歴を最初から説明することになりました。つまり、同じエージェントにしたのに担当者が変わって再登録(レベル1に戻る)となりました。この時私は「何のために同じエージェントにお願いしたのか?」とショックでした。

確かに最初の転職時から3年経過していましたが、前回お世話になった担当者はそのエージェントを辞めておらずまだ在籍していました。そのためドラクエVIのような「積み重ね型」の転職サポートをお願いできるものと当然思っていました。しかし実際には違う担当者が割り当てられ、1からの再スタートとなってしまいました。

これは私の経験なので、人によっては同じ担当者で何度も転職をお願いしているかもしれません。また転職はたくさんすれば良いというものでもありません。ただ、転職する人を「長い付き合いとなるお客様」と考えればこのようなことは起きないと思うのですが、実際はどうなのでしょうか。もしエージェント側が一人一度だけのサービスしか想定していないのであれば残念です。

これは下記の記事でも書きましたが「転職エージェントのデメリットは、担当者によってサービスが違う」ということに通じます。私と同じような経験を他の方にはしてほしくありません。そのため、このブログでできるだけ私の体験を公開をして「最小の労力で最大の効果が得られる転職活動」をし、チャンスをつかんでいただきたいのです。

参考記事:海外就職活動で求人を探す4つの方法と長所・短所(エージェントを利用するメリットとデメリットについて説明)

ドラクエVIのようにキャリアを積み重ねると道が開ける

ドラクエIIIとは対照的に、ドラクエVIのような「積み重ね」による転職も経験しています。そのお話しもシェアさせていただきます。

私は大学(大学院)生活が長かったため、27歳で社会人になりました。27歳の時点で職務経験が無いという状況と、前年に出版された『高学歴ワーキングプア(光文社新書、水月昭道著、2007年初版)』という著書により「高学歴者のキャリアアップの厳しい現実」が広まっていました。

私自身は早々に大学での職をあきらめ、会社員生活を始めました。幸い、博士号取得後に神奈川県内の中小メーカーに就職することができました。そこでは大学院でやった研究とは無縁の「技術者としての基礎知識」や「社会人のルール」を徹底的に叩き込まれました。嫌なこともたくさんありましたが、それ以上に「社会人として自立して生活する」ことを優先したので必死でした。

最初の転職活動では日系大手メーカーのシンガポール現地法人に転職することができました。これは中小企業で培った「電気技術者としての知識・経験」と、大学院時代から学習していた「英語力」を評価していただいた結果でした。

ここまでの流れをドラクエVI的に説明するとこうなります。

1. 大学院生時代に英語で論文を書いて発表してきた「学者」スキルを習得
2. 中小企業で身につけた「電気技術者」スキルを習得
→2つを組み合わせて、シンガポールで「バイリンガルエンジニア」として転職

さらに、シンガポールの会社ではローカルスタッフのチームマネジメントや、製品の国際規格を取得するための交渉も経験しました。ただでさえ英語の業務は過酷でしたが、マネジメントや交渉も経験することで、専門知識だけでなく語学力や度胸も飛躍的に向上しました。

そして2度目の転職でベルギーにある日系大手メーカーに転職することができました。この会社ではハードウェアエンジニアが不足しているだけでなく、自社製品の国際認証の経験もできる人材が欲しくてマッチしたのでした。

ここでもドラクエVI的に説明するとこのようになります。

1. シンガポール就職前の「バイリンガルエンジニア」としてのスキル
2. シンガポール時代に身につけた「英語による実務経験」と「国際規格のスキル」
→2つを組み合わせて、ベルギーで「ハードウェアスペシャリスト」として転職

おかげさまで、ベルギーの現職では今のところ会社に必要な人材として働かせていただいています。そして現状に甘んじず、さらに貢献できる人材になりたいと考えています。

このように、目の前のことに全力で打ち込むことで経験値が増え、それらを組み合わせることでステップアップができるのです。そのため、ドラクエVI型の転職システムが私のキャリアの教訓となっているのです。

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。ドラクエという入り口から難しい話をしてしまいましたが、私の経験が少しでもお役に立てるようにできるだけの説明をしました。

本記事をまとめましょう。

  • 実際のキャリアチェンジにマイナスはないため、ドラクエIIIのようにレベル1には下がらない
  • ドラクエVIのような「積み重ね」と「異なる職業(スキル)の組み合わせ」が大切なので、目の前のことに一生懸命打ち込もう
  • 「どのような経験を積み、何ができるか」をアピールできれば、海外でも就労可能

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参考文献