英語習得物語 第5話:25歳で英検を初受験

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英語コンプレックスの克服

英語学習を始めた最初の1年半はとにかく洋書の多読をひたすらやりました。その頃はやればやるほど、少しずつですがTOEICを受験するたびにスコアは上がりました。そのため英語に対する自信もだいぶ芽生えてきました。

しかし、英検(実用英語技能検定)はこれまでの人生で一度も受験したことがありませんでした。というよりも英検はこれまで避けてきた感じがありました。それはやはり学校英語と英検がセットとなっているイメージ、私自身の英語コンプレックスがまだ尾を引いていたこと、そして大学院でも卒業資格として求められているのは英検よりもTOEICスコアが優先だったからです(この基準は大学により異なります)。

この時私の心境にも少し変化がありました。私にとって英語力の目安としていたのはTOEICが優先でした。でもこの頃の自分であれば、せめて2級ならチャレンジできるだろうと…。

資格試験としての英検はまだまだ健在です。英検は読む(含む語彙)・書く・聞く・話すの4技能を総合的に採点します。それらの4つのうち、自分の長所と短所がどれかを知る方法として英検はよく構成された試験です。TOEICは聞く・読むがメインで書く・話すは間接的な評価です。書く・話すの直接評価をするには別のSW試験を受験する必要があります。

TOEICが700点台の頃の私は英検準1級に3度落ちました。読む・書くで点数が取れても、リスニングがダメで毎回合格点に届かなかったのです(話すは2次試験だったので受験できず)。このように英検には英検のメリットがあります。

最初はまだ敬遠していた英検でしたが、だんだんその気になってきて、履歴書に書く/書かないは別として、取れるものは取れるうちに取っておこうと考えが変わりました。

理系の博士課程の大学院生(25歳)が、初めて英検準2級と2級をダブルで受験しました。

試験と割り切って過去問を解く

英検はTOEICと違って過去問が手に入るため、過去問1冊を買って何度も問題を解きました。ここまで洋書多読で培ってきた英語の地力と、過去問から出題パターンがわかれば、さすがに2級なら合格できるだろうと計算してしまいました。また過去問を通じて文法が学べたり、単語力が増強できればその後の学習にもプラスになります。

結局、英検もTOEICも(他の試験も)試験である以上、試験対策や過去問・問題集からは避けて通れないものがあります。誤解を恐れずに言えば、それは「合格」とか「スコア○○点」といった「お墨付き」をもらうためにやることであって、英語を本当の意味で使いこなす学習とは違います。使いこなす英語という意味では試験対策よりも洋書多読や音読の方が、私にとっては効果的でした。後にTOEIC対策も始めますが、それも履歴書に箔をつけるのが本心でした。

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ビジネスマン向けのTOEIC対策で定評のある中村澄子先生のように、資格と実用は別物と割り切った考え方は私も賛成です(例えば、中村澄子 『新TOEICテスト スコアアップ135のヒント (祥伝社黄金文庫)』 祥伝社 (2010) p.28)。

例えば私は大学生の頃「基本情報処理技術者試験」に合格しました。大学1年から勉強を始めて、3度落ちて4年生の春に合格しました。この試験は弁護士や医師国家試験とは違い仕事を独占できません。またIT系の職に就くには「持っていて当然」と言われるような資格です。しかし、試験勉強を通じて知識を身につけましたし、「合格」というお墨付きをもらった事が「もっと色々吸収したい」と励みになりました。

問題集と英検情報
ノートの左のページは当時問題集をやった軌跡。右は英検情報

いざ英検の過去問を解いてみると、準2級は合格レベルだった一方、2級が結構苦戦しました。合格ラインは何とか超えているが、まだ自分の実力はこんなものかと…。この時はTOEICスコア545点、読んだ洋書数は160冊、多読語数100万語を超えてました。そのため多読の効果はもっと出ていると過大評価していました。

2次試験は英会話の基本も評価される

先にも触れたように、英検は2次試験もあります。試験官と1対1で英語で話す試験で、その対策も過去問でやりました。例えば、紙に書かれている絵の内容を英語で説明する問題が実際にあります。これも最初はどうしていいかわかりませんでした。模範解答通りに何度も真似しました。

あと、2次試験はアティチュード(attitude: 態度・立ち振る舞い)という「英語を積極的に話したか」という点数があります。試験官の主観に左右されますが、とにかく試験官と会話をしているときに自分の思いついたことを話せばいいでしょう。

このアティチュードも英会話の基本で、外国人と話すときは、とにかく聞き取れた単語のオウム返しでも何でもしゃべることで、自分は相手の言っていることを理解しているという意思表示が必要です。しゃべらないのが一番ダメです。沈黙は「相手が言ったことを理解していない」と思われるだけでなく「無視されてる」とも受け取れます。なので下手でも何かしらの反応をするのが鉄則です。

私にとって話すのはとても体力を消費することで、難しいことでした。

制服の中高生に混じって受験

1次試験受験日当日は一日試験会場にいました。午前は準2級、午後は2級と連続して受験したためです。

両試験とも試験中の記憶がほとんどありません。それだけ集中していたのでしょうか?試験が終わった後、解答速報で答え合わせをしました。準2級は全く問題なし、2級は…答え合わせでは一応合格ラインは超えてる!でも気を緩めずに試験結果が公開されるまで2次試験対策を続けました。

後日試験結果が公表され、両級とも合格!2次試験の会場が記された受験票を受け取りました。

2次試験は1次試験と違う会場でした。受付を済ませて指定の教室へ。見ると周りは学生服の少年少女ばかり…よく受験したと思います。でも当時は恥ずかしさよりも英語を上達したい一心でした。

指定の教室に行くと、既に行列ができていました。順番待ちの受験生は廊下に並べられた椅子に座って一列で待機していました。廊下で待つこの何とも説明しがたい雰囲気…中学生に戻った気分でした。他の受験生も自分の番が来ると扉をノックして“May I come in?”と言って入室、そして退室。それが繰り返されて私の番が来ました。

準2級の試験官は品のあるおばあちゃん(といって差し支えないでしょう、綺麗な白髪と太い縁の眼鏡で始終穏やかな印象)でした。挨拶と自己紹介を済ませて試験内容に入りました。そして試験後も少しフリートーク(つまりアティチュードを見られている)で私はできる限りの英語で話しました。その時の試験官のおばあちゃんは「もっともっと!」と食い入るような目線だったことを今でも覚えています。でも私自身の限界で口が止まってしまい、試験官の“OK”の一言。お礼を言って退室しました。

一方、2級の試験官は若いキャリアウーマン風の女性でした。こちらは準2級と違った穏やかな雰囲気は無く、事務的にあっという間に終わりました。2次試験も一日がかりだったのでどっと疲れての帰宅でした。

試験結果は後日インターネット上の速報で見ることができました。その結果は両級とも合格。25歳にして英検2級に合格したのでした。

第4話:TOEIC400点までに読んだ洋書ベストセレクション
第6話:CNN EEを音読してみてTOEIC95点アップ(545→640)
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