英語習得物語 第9話:TOEIC600点台で初のペーパーバックを読破

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児童書からペーパーバックへ

前回のおすすめ洋書リストでは、主に児童書を紹介しました。2005年7月から多読を始めて、前回の児童書を読んだのは2007年3月ごろ、既に1年半(約120万単語)かかってることになります。

社会人であればもっと早く結果を出さないといけないのかもしれません。当時私はまだ大学院生ということもあり、自分のペースで読み続けました(とは言っても3日で1冊を読むくらいの集中力で読んでました)。でもこれが今の英語力の基礎になっていることは間違いないでしょう。

さて、児童書を読めるようになって(楽勝ではない)、TOEICが600点台になって、当時の私は博士課程の3年目、26歳でした。そろそろペーパーバックに挑戦して、(当時思っていた)本当の英語力をつけようと思いました。

ペーパーバックの王道『シドニーシェルダン』

多読で読むべき図書リストは第2話で紹介した「英語多読完全ブックガイド/コスモピア」を参考にしました。そこに書かれていた「初心者向けペーパーバック」の著者として、シドニーシェルダン(Sidney Sheldon)が挙げられます。私もそれを信じて購入しました。


Master of the Game

日本語では「ゲームの達人」という邦題で翻訳版も出版されています。この1冊で14万2000単語、チャーリーとチョコレート工場の4倍以上のボリュームがあります。こんなの読めるのか?と思いましたが、これが本当にのめり込むほどに惹かれていきました。

このお話は親子3代にわたってゲームという名のサバイバルを勝ち抜いていく話です。Jamie McGregorというスコットランド出身の若い男性が一獲千金を夢見てアフリカにダイアモンドを発掘しに行きます。そこで裏切りに会いながらもしぶとく生き抜き、ついにダイアモンドを手に入れ一獲千金を手に入れます。そしてその財産を下の世代がどう守っていくか……

途中2代目の話はやや中だるみな感じがします。そこはある意味で初代の苦労がわからない、という感覚で読むのがいいと思います。そして3代目のKate Blackwellになるとまたサバイバルが始まり一気にクライマックスへ….

この本を読み終えて、一気にこの著者の虜になってしまいました。内容もさることながら、やはり初心者向けといわれるのには理由があります。私の意見をまとめます。

  • 現代ものが多いから背景知識(専門知識)がいらない。裁判シーンはあるので法律の単語は出てくるが、それほど深刻になるほどではない。
  • 英文としては他書と比べるとあまり難しい表現は出てこない。
  • 本全体としては分厚いが、1章はできるだけ短く構成されている。なので1冊の本で30章以上ある。これは言い換えると区切りをつけながら読みやすい。例えば電車の中で1章だけ読むなど細切れの時間で読める。
  • (男性向けかもしれないが)女性が主人公である話が多い。またベッドシーンもある。さすがにすべてのベッドシーンに賛成はできないが、ストーリーに引き込まれる要因としてはやはり恋愛も必要な気がする。


The Sky Is Falling

日本語では「空が落ちる」という題名です。女性ニュースキャスターのDana Evansがミステリーを解決していくという話だったと思います。これも当時すごくストーリーに引き込まれた覚えがあります。お薦めです。

この著者のシリーズは合計10冊以上でていますが、この2つについてはハズレではないと思います。昨今はkindleでも洋書が読めるので、分厚いペーパーバックを持ち歩く必要もなく学習環境は改善されていると思います。未読の作品はkindleバージョンを購入済みなので、いつか読みたいと思います。

『ハリーポッター』を目標にしてはいけない


Harry Potter: The Complete Series

2005—2006年当時よく聞いた英語学習目標として「ハリーポッターの原著を辞書なしで読む」というものでした(現在はわかりません)。

正直おすすめしません。

私が唯一通った語学教室のアメリカ人先生も「なんでそれを目標にするのかわからない」と言ってました。

理由は単純で、難しすぎるからです。当時頑張って読んでみましたが、600点台でとても読めるような優しいものではありません(今でも読める自信はありません)。

この作品はファンタジーです。通常の英語表現に比べて魔法などとても普段使いそうにない表現がたくさん出てきます。それで登場人物も多いので、先にはすすめません。原作を十分に知っていればいいと思いますが、そうでない場合に無理に多読の目標にする必要はありません。

私たちはネイティブではないので、あくまでも基本的な表現に忠実な現代ものから入った方がいいでしょう。

古典もあせらず慎重に選ぼう


Murder on the Orient Express (Poirot)

アガサ・クリスティのオリエント急行殺人事件です。これも名作ですが、ミステリーとはいえ、GRの時代に読んだ「Inspector Logan」とは違います。

やはり大人向けの本は登場人物や細かい描写が決してやさしくなく、伏線も多く初心者向けではないと思います。


The Old Man and the Sea (English Edition)

ノーベル賞作家のヘミングウェイです。これも600点レベルなのですが、やはり難しかったです。無理して初心者が手を出さなくても大丈夫です。

現代ものの恋愛話なら読みやすい


The Notebook

こちらはニコラス・スパークスという作家の恋愛小説です。

邦題は「きみに読む物語」。

やはりこういうお話の方が私としてはファンタジーより読みやすいです。でもストーリーが思い出せません。離れて愛し合っている二人が手紙をやり取りしようとするのですが、届いた手紙は見せないように隠されてあたかも音信不通ということにされていた….というのは何となく覚えてます。

この他にもルイス・サッカー(Louis Sachar)という著名な作家の本もありますが、それは第11話:kindleで洋書多読(LRからLouis Sacharまで)にて改めて紹介したいと思います。

以上、私のお勧めはシドニーシャルダンです。古典よりも現代もので生きた英文を習得するほうが無理なく楽しめるでしょう。初心者向けとはいってもペーパーバックの原文を読み切ることで、多くの英文を処理できると自信になります。是非挑戦してみてはいかがでしょうか。

※この記事は2015年5月10日に管理人が別の台湾ブログ(2016年閉鎖)で掲載したものです。お見苦しい点もございますが、初回公開時のまま掲載させていただきます。

第8話:英会話教室に半年だけ通った大学院生時代
第10話:中学英語の教科書の音読から再出発
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