英語習得物語 第11話:kindleで洋書多読(LRからLouis Sacharまで)

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kindleの登場で多読環境も変わった

ずっと目標だった TOEIC 730 点を取ったのは、とても嬉しかったです。 385 点からここまで、時間がかかったとはいえ、もはや英語学習が生活の一部となって英語に触れることに苦がなくなり、さらに英語でのコミュニケーションも不自由がなくなってきました。

でも、残念なことに、勉強を始めた頃にイメージしていた 730 点のスキルと、実際に到達して実感する自分の実力にはギャップがありました。「 730 点て思ったより英語を使いこなせていない」というのが正直なところでした。

kindleと4冊目の英語ノート
kindle と 4 冊目の英語ノート

2005 年当時とこの時 2013 年で環境が変わりました。上の写真に示した kindle (電子書籍)の登場です。これをどれだけ待ち焦がれていたことか。

そもそも私は学者の教育をうけたくせに、もう読まないと判断した本は基本的にどんどん処分しました。

それは当時の大学教授にも注意されました。学者にとって本は財産ですからね。研究に必要な、何度も見返す必要のある本は保管してましたが(これらも会社勤めしてから処分しました)、そうでなければ保管は基本的に図書館に任せる、というのが私のスタンスです。

そのためデバイス 1 台で多数の書籍データを保存でき、持ち運びできる、紙のような処分が不要、購入してすぐ読める、というのが私にとってこれ以上ないくらい便利な読書手段でした。

Amazon のサイトで気になったシリーズは片っ端から購入し、結果的には 200 冊以上(記録では 222 冊ですが、古本屋で購入した本も含むので正確な数は今不明)読みました。

4冊目のノートに書いた読書記録
4 冊目のノートに書いた読書記録

といっても入門レベルは数ページですので、 1 日に何冊も読める量です。でも当時本当にヤケになってましたね。一部の電子書籍は絵本と同じ扱いで kindle paperwhite では読めなかったため、 iPad で読みました。

書籍はデータで読むのに読書リストは紙(ノート)なのは理由があります。

手で紙に書くことで記録が残るのが目に見えて、自分がここまでやってきた、という自信の裏付けを行うためです。そのためこれまで読んだ本(上記リンク参照)も基本的には紙に書きましたが、それをエクセルに起こしたのが上記リンク先にあります。でも LR のリストまでエクセル化する余裕は今はありません。

このやり方が非効率的なのは承知の上です。エクセルやアプリなどで管理するのも問題ありません。

Leveled Readersでネイティブの表現が学べる

そこで、前回の音読の再出発につづいて、多読の方も再出発しました。これまでご紹介してきた、 GR (Graded Readers) という、 5 から 6 レベルに分けた使用単語の制限と厳密な文法によって書かれたこれらのシリーズは本当に私にとっては救世主でした。

しかし、もう一方の LR (Leveled Readers) はこれまであえて取り組んできませんでした。

LR はレベル分けはありますが、単語の制限はなくよりネイティブの表現が使われています。それが 2005 年当時の私にとっては難しいものでした。ただこの時は、もうここまで来たらヤケでとにかく読みまくってやる!という気持ちでした。

Sarah Albee (著), Larry Di Fiore (イラスト), Random House Books for Young Readers, 2012
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セサミストリートのキャラクターが出てきて何ができる(表紙はシュートがうてるよ!)かを説明した本で、まさに初級者向けの本です。

ママのお手伝いで食器を運ぶシーンがあるのですが、ローラースケートを履いて運ぶため結局ころぶなど、ギャグも盛り込まれておりまさにお子様に読み聞かせても楽しめる本だと思います。

このシリーズだけで何冊もあります。

多読学習の仕上げに勧めたい児童書・ルイスサッカー

そして LR ともうひとつご紹介したいのがルイス・サッカー (Louis Sachar) です。児童書としておすすめなのは他サイトでも同じですが、私も推薦させてください。

Louis Sachar (著), Adam Record (イラスト), Random House Books for Young Readers, 1992
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Marvin Redpost という名前の少年の話で、全 8 巻あります。 Redpost というだけあって自宅のポストも赤いというサブ設定も…小学校に通う Marvin の身の回りに起こるドタバタ劇です。

小学校 4 年を 2 回やるという問題児でもありますが、しかしドタバタを通じて「成長」する過程が細かく描写されており、英語学習しながらなるほどこういう表現もあるのか!と話に引き込まれていきます。

Louis Sachar, Yearling, 2000
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冤罪ではるか遠くの少年院に送られた主人公は、その更生手段として毎日穴を掘らされます。炎天下でわずかな支給の中で厳しい生活をしていくのですが、 zeroni という少年との絆を深めていき、ある日穴掘り中に何かを見つける…。

どちらかというと暗い話ですが、そこには友情や大逆転といったストーリーを楽しむ定石が盛り込まれていて、大人であっても十分楽しめる話です。読んで良かったです。しかもこれにはスピンオフの話もあります。

Louis Sachar, Yearling, 2003
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これがその本です。内容としては、 Hole の主人公が例の少年院その他の解説を行います。ですので、本編を読んで興味を持たれたらこちらもお勧めする形になります。

Louis Sachar, Bloomsbury Publishing PLC, 2010
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Wayside School という、どう考えても一瞬で崩れそうな建物の学校に通う生徒と先生たちの対立の話です。階が変わるとクラスが変わるのですが、それが個性を引き出しています。

またフロアの無い階があって、それが途中から重要な役割を果たします。

ちなみにアニメもあります (Youtube にあります)。これもシリーズ化しています。

こういう本も読んで、最終的には記録として 508 冊、単語数 500 万単語まで達成しました。これが本当に効果的だったかどうかは私もわかりませんが、でもここまでやらないと気が済まなかった!そして 500 冊を節目として、多読学習も終了します。 2005 年 7 月から始めて、 2013 年 11 月まで 8 年強です。

この英語学習記録もいよいよ終わりに近づいてきました。次回はいよいよ、セブ島留学の話です。

※多読の効果的な学習方法について、さらに詳しく解説した記事を公開しました。こちらも併せてご覧ください。

関連記事:洋書多読はディープラーニング?理系目線の多読学習法

第10話:中学英語の教科書の音読から再出発

第12話:~そしてフィリピン・セブ島留学へ~

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※この記事は 2015 年 8 月 30 日に管理人が別の台湾ブログ (2016 年閉鎖)で掲載したものです。お見苦しい点もございますが、初回公開時のまま掲載させていただきます。

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ダイブツ
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元々IT系だけど電気系技術者。20代で博士号を取得するも、全然社会の役に立てないのが不満でブログによる情報発信を開始。あなたに有益な知識やノウハウを理系目線かつ図解でわかりやすく解説するのがモットー。2018年心臓発作であわや過労死寸前。そこからガジェットレビューを通じた体調管理の情報発信も開始。ベルギー在住でシンガポール就労経験もあり、海外転職や海外生活のノウハウも公開中。

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