英文履歴書・職務経歴書の書き方と海外就職できた実例

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海外で仕事をするには英語もしくはその国の言葉で書かれた履歴書が必須です。英語版はレジュメ(resume)またはCV(Curriculum Vitae)と呼ばれ、履歴書と職務経歴書は一体で書き方にも工夫が必要です。私の場合は日系の会社だったので日本語の履歴書と職務経歴書を中心に選考を進め、英語の履歴書も参考で提出しました。

つまり、日本人のいない外国の企業でない限り、海外就職では以下の4点セットが必要です。

  • 日本語の履歴書
  • 日本語の職務経歴書
  • 英語の履歴書(職務経歴書と一体)
  • 英文カバーレター(必須ではない)

この記事では英語での履歴書の書き方と、私が技術者として実際に海外転職(シンガポール、ベルギーの2か国)で内定をいただいたときの実例を紹介します。日本語の履歴書と職務経歴書がすでに準備済みであれば、それらをベースに作成できます。

この記事で解説している履歴書データは無料で公開しています。ダウンロードしてご自身の転職活動や海外就職活動にお使いください。

ダウンロード: hr_resume.docx (32kB)

一番大事なこと:ウソを書かない

職務経歴書の書き方でも説明しましたが、ウソを書くのはやめましょう。一度でも経験のあることを書いてハッタリで面接してもいいですが、エンジニアとしてはおすすめできません。

就活や転職活動で一番大切なことは「マッチング」です。

英文履歴書の具体的な書き方

英文の履歴書は原則的に様式自由ですが、履歴書と職務経歴の両方を一つの書類にまとめる必要があります。そして2ページ以内にまとめるのが通例なので、キャリアを重ねていくとやっぱり収まりません。

私の書式はかなり詰め込んだ形になっています。順番に見ていきましょう。

冒頭部分は名前と概要を伝える部分です。順に見ていきましょう。

英文履歴書の冒頭部分

左上の欄には氏名を書きます。私の場合は名→性の順で、性は大文字で書いて苗字であることを強調しました。

右上には住所、メールアドレス、電話番号を書きました。最近はSkype(スカイプ)で面接するケースも増えているので、Skype IDもあれば書きましょう。

顔写真はアメリカ式に倣って入れてません。これは性別や容姿によって選考に差別が出ないようにするためで、写真や性別は記載が無くても問題ありません。ただし、インターネット上で検索すると写真ありの履歴書もあります。国によって考え方は違うようです。

OBJECTIVEは転職目的を書きますが、最近は省略することも多いので必須ではありません。希望職種ややりたい仕事があればここでアピールします。私の場合は2016年当時で最先端の技術にかかわりたいことをアピールしました。

SUMMARYはまとめのことで、自分の経歴の重要ポイントを箇条書きにします。私の場合は大学院での研究活動と社会人経験の両方を記載しています。またジェネラリストであることや国際規格の取得に携わったこともアピールしました。

この箇条書きは名詞をベースに構成するので、動詞を入れた文章にはしません。はっきりした理由はわかりませんが、客観的な事実の列挙としてまとめているからでしょう。

ただし、そのあとに出てくる職務経歴は動詞を使いますので使い分けが求められます。

スキル・資格

スキルは職務経歴書でも強調したように、自分に何ができるかをパッと見てわかるように表形式でまとめます。そして経歴より先に書くことで、採用担当者に何ができるかを先にアピールします。

スキル・資格

基本的には日本語の職務経歴書に書いたスキルを英訳しただけですが、LanguageとQualificationsだけは英文履歴書独自の書き方をしています。

§Language

Languageは自分の話せる外国語を記載するとても重要な欄です。英文履歴書なので英語はできて当たり前、それ以外の外国語をどれくらい使えるかがポイントです。外国人は3か国語、4か国語を記載するのが普通です。

私は恥ずかしながら日本語と英語の二言語だけを記載しました。レベルはこの4?5つを覚えていれば十分でしょう。

  • Mother Tongue→母国語
  • Advanced/Fluent→上級者(ビジネスレベル)
  • Intermediate→中級者(日常会話レベル)
  • Beginner→初級者

日本語は母国語なのでMother Tongueと書きました。英語はビジネスレベルなのでAdvancedなのですが、そもそも英語で履歴書を書くのにBeginnerはあり得ません。かといってIntermediateと書くべきかも迷います。応募する会社や国(非英語圏のアジアの国など)によるでしょう。

TOEICのスコアは省略しています。理由は、世界的にTOEICという試験が認知されていないからです。日本語の履歴書では書いても、英文履歴書ではアピールになりません。私も以前は記載していましたが、紙面を節約する意味で削除しました。

英語の資格で書くならTOEFLかIELTS、中国語ではHSKなどの正規留学に必要な試験の実績です。ただし、日本人の英語力はまだ他国より平均点が低いので、よっぽど高いスコアでなければむしろ省略すべきです。参考まで、語学力のアピール方法を別記事で解説しました。

関連記事:【日英別】履歴書に英語力を記載する際のポイント

関連記事:海外就職で求められる英語レベルはどれくらい?

私の場合、中国語(Chinese Mandarin)を書こうか迷いました。台湾にいた頃に少し勉強したのですが、やはり日常会話でも厳しいので書きませんでした。

その点やはりシンガポール人はすごいです。日本語が少しでも話せれば"Fluent"とハッタリをかけます。あれくらい自分をアピールできるようになりたいのが本音です。

§Qualifications

Qualificationsは資格です。日本国内の資格は基本的には外国で認知されていません。国家試験や自治体で合格証が発行されるもの、民間資格ならOracleやMicrosoftなど世界的に名前の通っている会社の資格を書きましょう。

  • Fundamental Information Technology Engineer Examination, Japan→基本情報技術者試験(経済産業省管轄の国家試験)のことです。
  • Driver’s License, Japan→日本で取得した自動車の運転免許です。

私はバイクの免許も持っていますが、記載していません。私の仕事では持っていてもアピールにはならないからです。

とりあえず持っているものを全部記載してもアピールポイントがわかりにくくなります。応募したい業界・業務に必要なものだけ書きましょう。

職務経歴

PROFESSIONAL EXPERIENCEが職務経歴書の欄になります。

職務経歴

左上のセルの一行目は会社名です。英語名がわからなければ、会社のホームページの会社概要か下部「Copyright XXXX All Rights Reserved」の"XXXX"から引用できます。二行目は住所です。郵便番号と国名もすべて入れましょう。

右上は在職期間です。ここは問題ないでしょう。Presentは現在ですね。

次のセルは会社概要を書きます。職務経歴書記載の内容を英訳すればいいでしょう。ただし、英文履歴書では資本金ではなく年間売り上げ(USD)を記載しました。これは単に日本との考え方との違いです。

表の下の太字はポジション名です。日本の会社では通常ポジション名はありませんので、もっともらしいものを職務内容から想像して書きましょう。この例はシンガポールの会社なので雇用契約書に記載のポジション名を書きました。私の場合はチームリーダーも兼任したため期間を含めて併記しました。

ここでも私の知っているシンガポール人は、契約上は"Mechanical Engineer"なのに、Linkedin上では"Mechanical Design Engineer"と尾ひれをつけていました。どこまででハッタリを入れていいのかわかりません。確かに雇用契約書は他人には見せないので、わからないといえばわからないですよね。

その下が実際に経験した業務内容の箇条書きです。アピールしたい内容から順に書きます。数としては多くて7—10項目でしょうか。紙面が狭いのでたくさんは書けません。

各項目は2行以内にまとめると読む側の負担も少ないです。私の場合どうしても3行になったものがありますが、私の英語力不足と認識しています。

この箇条書きで重要なのは「~をした」という書き方で、動詞の過去形で始めて主語を省略します。いくつか例を紹介します。

英語:Managed production engineering team (consisted of Singaporean, Malaysian and Chinese members) in schedule, document checking and progress of each work.
日本語:シンガポール人、マレーシア人、中国人メンバーで構成されたProduction Engineeringチームのスケジュール管理、書類チェック、作業の進捗管理

英語:Developed, reviewed and evaluated specific functions (control circuits) requested by customers based on existing machine configuration.
日本語:お客様の要望する特注の拡張機能(制御回路)が現状の機械に追加可能か開発・レビュー・評価

以上の書式で、複数の会社の経歴があれば、新しい順に記載します。

大学院での研究活動

大卒の方はこの項目を飛ばしていただいて問題ありません。私の場合は大学院の研究活動もあるのでその内容も書きました。

大学院での研究活動

職務経歴書の書き方でも述べたように、経歴よりも何ができるか(スキル)が大切です。大切な内容は先にスキルで記載したため、研究内容は会社の業務よりも簡潔にしました。

表の左は大学名です。次の学歴の項目と重複するため大学名と学部だけ記載しました。右は在籍期間です。これも学歴と重複します。

表の下は研究内容を、専門用語を極力使わずに説明します。業務内容と同じで各項目の英文は動詞の過去形で始めます。

その下には"Representative Publications"という項目を設けました。会社であれば見ない項目ですが、もし大学とのつながりがあればこのような論文名を記載するほうが内容の説明が早いと考えて記載しました。

本来であれば査読つき雑誌論文が一番アピールになりますし、実際私は国際誌論文の業績もあります。しかし、会社勤めしか知らない方はそういった業界のことは知らないでしょうし、「雑誌か国際学会か」といった論文のランクよりも、何ができるかをアピールしたかったのです。

そのため、ここでは人工知能の知識があることをアピールするため、国際学会の名前に"Artificial Intelligence"や"Machine Learning"というキーワードの入った論文をあえて記載しました。

学歴

学歴は大学以上で新しい順に記載します。海外就職ではビザ申請や入社時に英文の卒業証明書(または修了証明書)が必要になりますのであらかじめ入手しましょう。

学歴

各大学の内容は2行で構成しました。一行目左は学位名です。入手した英文の証明書に書かれている通りに記入します。一行目右は在学期間です。

二行目は大学の名前・学部(学科)・大学の所在地の県・国を書きます。

世界で認知されている日本の大学は少数で、大学名によってビザの取得の有利/不利があるようです。ただ大学名だけでなく「大卒か院卒か」といった学歴でも判断されていますので、あまり気にしてもしょうがないです。

英語に自信がなければ英文履歴書の作成・添削サービスもある

ここまでできるだけ詳しく解説してきました。主な内容は英語で書けたとして、ご自身の英語表現に不安はありますでしょうか?

私も最初の海外就職チャレンジのときは英語に不安がありました。英文履歴書は英語のできる友人に添削してもらってもいいですし、お金を払って添削してもらえるサービスもあります。

Googleで「英文 履歴書 添削」で検索するとそういったサービスが多数出てきます。

私も添削を2度お願いしました。2度とも単語の単数/複数の違いなどは指摘されたものの、大幅に文章を直されたことはありませんでした。それが自信となり、ここで解説した英文履歴書は添削されてなく自己完結してます。

どうしても履歴書を自力で英語にできなければ、英文履歴書作成サービスをお願いしてもいいでしょう。

2018年4月2日追記:以前はアメリカ在住の日本人に添削をお願いしました。このたび、同じ英文履歴書をネイティブのイギリス人に添削してもらったところ、やはり自分ではわからない指摘を多数いただきました。この履歴書をコメントに従って修正し、再度公開しました。詳細については下記の記事を併せてご覧ください。実際にいただいたコメントは生きた情報として、原文のままシェアしました。外資系企業の就職を希望している方は特に、お金を払ってでも一度添削してもらった方が参考になるでしょう。

関連記事:ネイティブに添削されてわかった英文履歴書の書き方とビフォーアフター

カバーレターを求められる会社はまだある

カバーレターは送り状のことで、採用担当者に簡単な自己紹介と選考のお願いをする手紙です。昨今のようにeメールや電子申請が行われる前、郵送での応募が普通だった時代から残っている習慣です。

現在のように電子化が普通の状態ではカバーレターを用意する機会は減りました。しかしヨーロッパやアメリカなどの会社に直接応募する際には今でも電子データのカバーレターが求められます。

私もカバーレターは用意したのですが、結果的には不要でした。就職エージェントを通す際には不要だからです。

カバーレターの例

このようにカバーレターを用意したのですが、説明は割愛させていただきます。この書式で問題なかったのか裏づけがないためです。このカバーレターも下記リンクより無料でダウンロードできます。ご自由にお使いください。

英文カバーレターダウンロード: hr_coverletter.docx (20kB)

まとめ

以上、長くなりましたが最後にまとめましょう。

  • 職務経歴書を日本語で用意して英訳しながら作成する。
  • SUMMARYは動詞を含まない箇条書きとする。
  • 職務経験は動詞の過去形で始まる箇条書きとする。
  • 学位や大学名は英文の卒業証明書/修了証明書の記載に従う。
  • 2ページ以内にまとめる。
  • 英語に自信がなければ英文履歴書の添削・作成サービスを利用する。
  • カバーレターは必須ではないが、求められる外国の会社は今でもある。

これをご覧になり皆様の希望される職につけることを心よりお祈りします。

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