ベルギーでの生活費の計算例

[この記事は約 9 分で読めます]

前回は給料明細からベルギーの税金や社会保障を解説し、手取り額のシミュレーションをしました。本記事ではさらに毎月の生活費についてシミュレーションします。ベルギーでの生活の一面を説明できればと思います。

各費用の説明

まずは計算例を下の表にまとめました。あくまでも一人暮らしでのモデルケースであり、家庭がある場合の計算方法は異なります。また、やや高めに計算している点をご了承ください。

ベルギーの生活費内訳
ベルギーでの生活費の計算例

家賃と管理費

表を見ると、生活費は家賃と水道光熱費が中心です。この例では家賃は665ユーロ/月です。場所にもよりますが、この金額は高くも安くもないレベルとのことです。ベルギーでもルームシェアがあるので500ユーロ以下に抑えることは可能ですし、実際にそうしている同僚はいます。

家賃とは別に管理費を毎月65ユーロ支払いますが、日本人の感覚では支払った分の管理がされてません。なぜならば、エレベーターが故障して1か月以上動かない等、設備のメンテナンスをしている感じがないからです。その内容については記事がまとまり次第シェアさせていただきます。

光熱費・インターネット・携帯電話

光熱費は主に電気と水道になります。後述しますが、日本のように月々の使用量を測定して請求される方式ではありません。

上記の表にはガス代は含まれていません。IHクッキングヒーターが標準で備え付けられており、ガスを使っている機器は部屋に設置されていません。

インターネットは一番高い(一番速い回線)プランなので本来は73ユーロ/月ですが、申し込みをした時のプロモーションが適用されて最初の一年は53ユーロ/月です。実際に使用したところ、現在のプランでは回線速度と容量が十分すぎるので安いプランに変えることも考えています。また、ベルギーではインターネット・ケーブルテレビ・電話回線のセットプランがありますが、ここでは利用していません。

ベルギーでインターネット契約をした時のおはなしは下記の記事でも書きました。料金プランや申し込み方法についてはこちらも併せてご覧ください。

関連記事:ベルギーのTelenetでインターネット契約をしたおはなし

携帯電話は会社支給のSIMカードを利用しているので、個別契約はしていません(スマホ本体は自分で負担)。最近は無料WiFiスポットが増えているので移動中を除けば基本的には困りません。電話も基本的には使用しません。

各種保険・交通費

自宅の保険の料金は火災保険と損害保険を合わせた月額になります(盗難保険は含まない)。水道管が破裂して近隣のお宅の部屋を水浸しにするといった話を実際に聞いたことがありますので、損害保険に入ることをお勧めします。

保険の申し込み方法やオプションと詳しい仕組みについては、下記の記事も併せてご覧ください。

関連記事:ベルギーで賃貸保証金口座開設と火災保険を契約するまで

ムチュエル(相互保険制度という意味のmutualのカタカナ発音で本来の呼び方を知りません)は健康保険のようなシステムなのですが、少し違います。ベルギーの医療費はまず自分で全額支払い、後日領収書を提出することで代金の8割を払い戻してくれる「実質2割負担」です。ムチュエルと呼ばれる国の認定業者に払い戻し手続きを委託しているケースが多く、その手続き費用として毎月8ユーロを支払っています。

この業者は医療費の払い戻しだけでなく、スポーツジムの代金負担などもサポートしてくれます。そのため、いわゆる掛け捨て型の保険とは違います。ベルギーで雇用される場合には加入するように言われるでしょう。

関連記事:ベルギーの健康保険サービスとフランダースの社会保障

交通費はバス・トラム共通の定期券を購入しています。この定期券は日本の定期とは異なり区間指定がありません。そのため、休みの日でも同じ運営会社であれば基本的には乗り放題なので、交通費を抑えることができます。全額ではありませんが、通勤手当で実費による負担額を減らすこともできます。職場の近くに住み、公共交通機関か自転車、もしくは徒歩で通勤するのがおすすめです。

定期券を購入したときの申し込み方法と料金プランについては以前下記の記事にまとめました。ベルギーでも滞在エリアによって運営会社は違いますが、併せて参考になれば幸いです。

関連記事:ベルギーの公共交通会社De Lijnの定期券の購入方法

水道代と電気代には確定申告のような清算がある

水道代と電気代は日本のように毎月の使用量をメーターでチェックしません。

水道代は3か月に1回の支払いです。上記で示した表には、3か月分の請求額を3で割った値を記載しました。この金額は前居住者の利用実績に基づく金額で、実際に自分で利用した額ではありません。一年に一回、メーターのチェックを経て実際の使用量が確定します。確定した利用額が支払った額よりも多ければ不足分を支払い、少なければ返金されます。そのため、税金の確定申告のような決済システムなのです。

私のケースでは、水道メーターは自宅内に設置されているので毎月メーターチェックに来られても困ります。メーターがどこにあるかは入居時に確認しましょう。

関連記事:ベルギーの水道料金のしくみと請求金額の実例

電気代は入居が決まった時点で電力メーター(こちらは駐車場内にある)の値をオーナーさんが申告してくれました。その後、電力供給会社から申し込みの手紙が着ました。ベルギーは日本よりも先に電力自由化がされているため、自分で供給会社を選ぶことができます。

私はベルギー最大の電力会社であるElectrabel(親会社はフランス)に申し込みました。供給会社は何社もありますが、正直各社の違いはよくわかりません。日本のMVNOのようにSIMカード+αの付加価値を提供しているものと思われますが、英語で調査できないのでここではこれ以上ご紹介できません。

契約の申し込みはホームページ上でやりました。その際に居住人数や部屋の築年数、電力メーターのタイプを入力することで、大まかな月額がシミュレーションされました。この推定金額が毎月請求されており、水道と同じように年1回最終的な使用量を確定して清算(不足分を払うか、支払いすぎて戻ってくるか)します。

なお、電力メーターのタイプと書きましたが、これにも意味があります。電力メーターは一つのユニット内に「日中専用メーター」と「夜間専用メーター」があります。日中と夜間で電気代が異なるので(夜間の方が安い)、二つ時間帯で分かれて使用電力を測定しています。本記事の表に記載された金額は日中・夜間両方の合計です。

関連記事:ベルギーの電気代(1/2)請求書から請求内容を解説

関連記事:ベルギーの電気代(2/2)料金のしくみ、支払い方法と節約方法

その他の費用について

食費は自炊中心のため少なくなる

ここまで、家賃から交通費まで計914.87ユーロでした。給与振込額からこの額を引くと残りが951.80ユーロとなります。食費、衣服費、交際費、貯金などはこの額からやりくりします。

私の個人的な意見ですが、食費はそれほどかからず月200ユーロ程度でしょうか。その理由は、外食する機会が極端に少ないからです。レストランに行くと日本の1.2倍以上の値段はしますが、そもそも外食しない(自宅の近くに外食する場所が無い)ので利用していません。また、ベルギーでは日曜・祝日に休みとなるレストランが多いため、休みの日に行くとするとマクドナルド、クイックというベルギー版マクドナルド、ケバブ屋さん、もしくは観光エリアにあるレストランくらいしか選択できません。

参考まで、自宅から徒歩20分程度の場所にあるケバブ屋さんのプレートは7ユーロ(900—950円くらい)です。味と値段のバランスを考えると頻繁には食べには行けません。

ケバブプレート
ケバブ屋さんのプレートを持ち帰った時の写真

私はシンガポールで一人暮らしをしていた時も自炊はしなかったのですが、それはホーカーセンターやコーヒーショップといったフードコートで安く外食できたためです。ただベルギーに移住してからは自炊生活をするようになりました。スーパーで食材を買って調理することで結果的に食費が安く抑えられている、というのが実情でしょうか。

衣服・散髪・娯楽などもやりくり次第

ベルギーは寒いので冬服の購入という意味で衣服費はかかります。ただ夏が短いので夏服の購入は極力抑えられるので、夏/冬の衣替えのある日本よりは少なくなるかもしれません。私のケースではシンガポールで一年中夏服という経験もしているため、夏服/冬服のどちらかに絞ればやりくりできそうです。

ヘアメイクは女性にとって悩みの種かもしれません。最近は日本人の美容室(カット45ユーロ程度から)も増えてきているのでネットで調べてみると良いでしょう。例えばGoogle mapやfacebookで「hair cut (hair salon)」で調べると、場所と評判(口コミ)を見つけることができます。私は男性なので1000円カットのような店でも問題ありませんし、実際にはローカルの「カットのみ16ユーロ」の店でも十分満足しています。

ベルギーのローカルヘアサロン
私が使った理容室、評判通りでカットだけでも満足でした

交際費や娯楽も今のところあまり頻度がないため出費はそれほどありません(その代わりNETFLIXやAmazonでの通販消費が増えそうです)。

このように、生活がシンプルなのでやりくり次第で貯金は可能です。

まとめ

以上、かなり細かく書きましたが、ご参考になりますでしょうか。

日本、シンガポール、ベルギーと移住してきて思うことは、海外での生活は日本と比べてシンプルで計画的に貯金がしやすいことです。

出費を抑える観点から本記事をまとめましょう。貯金したお金で旅行や自分の好きなことに使えれば海外生活はより充実しますね。

  • 家賃や水道光熱費はルームシェアで抑えることが可能
  • 外食する場所や時間は限られているので、自炊により食費も抑えられる
  • 交通費、衣類、散髪、娯楽などもやりくり次第で抑えられる

※この記事で説明した費用や支払いのルールはベルギー国内であっても地域によって異なることがあります。詳しくは各自治体にて確認してください。

関連記事:ベルギーで就労した際の給料明細の見方と税金・社会保障

まとめページ「ベルギーで就労する人向け移住手続きと現地生活情報まとめ」に戻る