体験談:MBTIは作業を通じて気づきが得られる適職・性格診断

[この記事は約 9 分で読めます]

MBTI® (Myers-Briggs Type Indicator) はアメリカ人のブリッグス (Briggs) とマイヤーズ (Myers) が開発した性格診断ツールです。日本には血液型占い、動物占い、九星気学、六星占術など占いが盛んなので似たものに感じます。

私は海外就職をする際にMBTIで適職診断をしました。この記事では私の経験からMBTIがどういうメソッドなのか紹介します。また無料のツールでも診断が可能なのかも解説します。

MBTIは心理学ベースなので占いではない

MBTIは心理学をベースとした適職・性格診断

適職診断の世界スタンダード

MBTIは心理学をベースにした学問的にしっかりした分析法です。スイスの心理学者・精神科医のユングが研究した分析心理学をベースに開発されました。1962の発表後、50年以上にわたり使われている歴史あるメソッドです。

外部リンク:分析心理学 – Wikipedia

用途は幅広いのですが、例えばアメリカでは学生のキャリア相談にも使われます。MBTIを通じて自分を知ることで適職を探すきっかけとなります。

私は海外就職をする前に自分の適職や性格を確認したくて、MBTI認定講師による診断を有料でうけました。

この話だけなら、大学生が就職活動前にやる自分探しと同じ感じですよね。なかなか違いが分かりにくいです。

自分探しや他の心理テストとMBTIは違います。ただのアンケート診断ではありません。質問を回答した後、本当にその結果で当たっているのか作業を通じて検証するプロセスがあります。私の経験談を後ほど詳しく説明します。

就活前にやる自分探しは、過去の自分が好きだったことを洗い出したり、人生設計を紙に書くことで自分の内面を見つめます。しかしフィードバックはありません。そういう意味ではMBTIの方が心理学的にしっかりしたメソッドです。

その人のクセから16タイプに分類

MBTIでは以下に示す4つの指標がそれぞれどちらに当てはまるかを調べます。

  • I(内向)⇔ E(外向)
  • S(感覚)⇔ N(直観)
  • T(思考)⇔ F(感情)
  • J(判断的態度)⇔ P(知覚的態度)

4指標の全パターンを組み合わせると、最大で16通りのタイプが生まれます。

この16通りの性格に優劣はありません。あくまでもその人の特徴をとらえたものです。どちらが良いとか悪いとかはありません。

私の診断結果はINTJ(内向・直観・思考・判断)でした。

この性格は、外の世界よりも自分の内面に興味があり、感覚よりも理屈を大切にし、決断力があります。ネットで調べると facebook を創業したマーク・ザッカーバーグ氏と同じタイプだとか。私が目指していた研究者や技術者はこの性格タイプに向いている仕事でした。

逆に正反対の組み合わせはESTP(外向・感覚・感情・知覚的)になります。私の性格と反対で、社交的(外の世界に興味があり)、感覚的に物事を捉えるタイプです。

各性格タイプの詳細は Google で「MBTI タイプ」と検索すると出てきますし、後ほど紹介する無料診断サイトにも解説があります。そのためここでは説明しません。

英語で “MBTI types” で調べてみると、ディズニー映画のヒロインやハリーポッターのキャラクターを使った説明があり親近感が持てます。

残念ながら、本家のMBTI協会には説明が一切ありません。

外部リンク:一般社団法人 日本MBTI協会(公式サイト)

体験談:MBTIを診断したときのおはなし

診断自体は難しいことはしない

私は2014年5月に認定講師による診断をうけました。価格は割引適用で13,000円でした。

会場入りをしたら10人前後の受診者がいました。簡単な説明を講師がしたあと、緑色の質問用紙が配られました。言われた通りに回答しました。

この質問用紙は診断後に回収されました。したがってどのような質問をされたかは覚えていません。

回答結果を集計したら、私のタイプはINTJでした。

INTJの性格
『MBTIタイプ入門』よりINTJの性格

しかしこれで終わりではありません。診断後、その結果で間違っていなかったかグループに分かれて作業をしました(ひとりでもできる作業です)。私の記憶が確かならば、この2つの作業をしたはずです。

  1. あるキーワードから連想するものやことを思いつく限り紙に書きだす
  2. ある絵を見てどのように感じたのかを素直に書きだす

この作業が他の性格診断や占いとは決定的に異なります。この作業を経て講師と意見のやり取りをしましたが、結果は変わらずINTJでした。

全部で2時間程度の診断でした。

なぜ作業によるフィードバックがあるのか

よくあるアンケートの診断だけではその人の性質を映し出せるとは限りません。だから作業を通じてその人の潜在的な性質を引き出します。

なぜそのようなことをするのでしょうか?当時講師から説明された内容を整理します。少し長いですがお付き合いください。

人はだれでも持って生まれた性格や性質があります。しかし育つ環境や学校・職場環境によっては自分が相手に合わせるため、本来持っている性質を封じることがあります。

特に仕事では客や上司、同僚とうまくやっていかないといけないことから、本来の自分とは違う振る舞いをする。この本来と違う振る舞いがアンケート結果に反映されてしまう恐れがあります。

講師はまた「利き手で字を書く」という説明もしました。

右利きの人であれば、右手で自分の名前を書くことは簡単にできる。しかし左手で名前を書くと自分の字とは思えないぐちゃぐちゃな字になる。

適職とは例えていうならば利き手で字を書くようなもの。逆に不向きな仕事は利き手ではない手で字を書くようなもの。しかし不向きではあっても仕事上やらなくてはいけないこともある。

この不向きな仕事(利き手でやらない仕事)を習慣にすると、MBTIの質問でも仕事モードの自分で回答してしまうことがある。

こういった本来の自分とは違う回答結果が現れるかもしれないので、アンケートだけでの診断には限界があると説明をうけました。

ウソをつく気がなくても、無意識に本来とは違った自分を出してしまうことがある。これがMBTIのベースになっているユングの考え方です。

参考文献からも引用させていただきます。

人の性格は、生まれつき決められたもののように思っている人が多数いますが、実はそれだけではありません。もちろん生まれ持った素因もありますが、それ以上に大きいのが環境因子です。どんな環境の中で育ち、物事をどうとらえるクセがついているかが、性格を形成する大きな要因となっているのです。

福島哲夫『ユングの心理学でわかる「8つの性格」』 PHP研究所 (2011) kindle版位置No.368付近より引用

だからこそ、作業を通じて診断結果を補正する必要があるのです。

私が作業を通じて得た気づき

診断結果を補正するかどうか迷った場面がありました。紹介します。

私の診断結果はINTJで、先頭のIは内向きの意味でした。しかしフィードバック作業中に、私はSNSでの情報発信が好きだったからE(外向き)では?と講師に質問しました。

講師の答えは「発信先が不特定多数(知らない人)であればE、仲の良い友人までならI」でした。そして「あなたは本当に外向きですか?」と返されました。

確かに、 facebook の投稿では公開範囲が友人までです。不特定多数の人に向けた発信ではありません。また、実は自分が無理して facebook に投稿していることに気がつきました。いわゆる承認要求で、他の人よりもいいね!を多く欲しいと思っていたからです。

外向きに見せるために不得意なことしていたんですね。

本サイトでの情報発信は友人以外の読者様が大多数です。しかし発信すること自体よりも、原稿を書く、図を制作するといったコツコツやるひとり作業が好きです。だから研究者(私は博士号持ち)や技術者、理系人間になることは私にとって適職でした。

ひとりで黙々と作業をするのが好きな場合はI(内向)になるため、診断結果はあっていました。もしアンケートの時点でEと出ていた場合は、自分自身が本来とは違うモード(仕事モード?)になっていたと考えられます。

長くなりましたが、このようにMBTIは他の性格診断ではできない気付きを作業を通じて得ることができます。有料でしたが、診断結果に満足しています。

無料ツールでも診断はできる?

MBTIは有料の診断であるものの、フィードバック作業があるので正確な診断ができます。興味のある方は有料でもぜひ一度やってみてはいかがでしょうか。

一方ネットにはたくさんの無料診断ツールがあるのも事実です。そこで私のMBTIタイプと同じ結果がでるのかやってみました。

無料診断ツールでもそれなりに結果は出る

結論は、無料のツールでもそれなりの結果は得られそうです。

図の下の2つは質問数が他よりも少なめでしたが、かなり近い結果が出ました。

そのほか使ってみたツールはこちらです。

補足します。

どの無料ツールも本家のMBTIと同じ質問ではないはずです(もしそうだとしたら著作権侵害を疑われてしまいます)。つまり質問内容によっても答え方が変わってくるので同じ結果は保証されません。

また無料ツールはMBTIのような診断結果のフィードバック作業がありませんし、自分が違うモードで回答しても結果は変わってしまいます。その点も考慮したうえで検討しました。

何よりも、MBTIは講師という相手と会話しながら進められます。診断を希望する人にとってはその方が安心できるのではないでしょうか。

まとめ

繰り返しますが、診断結果に優劣はありません。あまり深刻に受け止めず、自分を知るきっかけとして活用してください。

この記事をまとめましょう。

  • MBTIでわかるタイプは16あるが、各タイプに優劣はない。4つの指標(内向/外向、感覚/直観、思考/感情、判断的/知覚的)のうちどちらの性質が強いのかを診断する。
  • MBTIは有料だがフィードバック作業を通じた気付きが得られる。また講師による診断であればかなり正確に自分の性格を理解することができる。結果的に適職診断も可能。
  • 無料診断ツールでもそれなりの結果は得られるが、作業を通じたフィードバックができないので結果を保証できない。

※MBTIは米国 the Myers and Briggs Foundation の登録商標です。

参考文献

福島 哲夫, PHP研究所, 2011
この本の詳細を見る