人間ドックで脳疲労と自律神経失調症の関係を調べてみたおはなし
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心臓が止まったのに、心電図で測定しても問題なし。脳疲労からくる自律神経失調症だろうと推測したけど、確かな証拠がない。医師も認めていない。
自分の身体に何が起きたのかを知りたい。同じことを思う人は私だけではないはずです。
このシリーズでは自律神経失調症と脳疲労の関係について、自分の身体を使って少しでも知識を共有できればと思います。私は医師ではありませんが、博士号取得者として少しでも真相を究明したい。
この記事では私が人間ドックを受診した結果をシェアさせていただきます。
結論から言うと、今回は頭部MRI検査をうけたものの全く問題ありませんでした。しかし血液検査の結果から、私の身体は活性酸素が多く出やすい体質では?という仮説を立てることができました。
頭部MRIオプションつきの人間ドックを受診した
この記事の執筆時点にて、私はベルギーで働いています。
ベルギーでは会社が社員に健康診断をうけさせる法律的な義務はないようです。そのため日本の会社ならやるはずの健康診断(身長体重測定、尿検査や視力・聴力など)が一切ありません。
そのためこの時の人間ドックは私にとって1年半ぶりの健康診断でした(ビザの審査目的で受診した健康診断以来)。
コースはこのように選択しました。
- 一般診察(医師との対話ではなく、アンケート式の問診)
- 身長、体重、視力、血圧測定
- 肺機能検査
- 胸部レントゲン、心電図、腹部超音波検査(エコー)
- 血液検査、尿検査、検便
- ABC健診(胃カメラやバリウムの代わりに血液で胃の健康状態を診断)
- 頭部MRI
このうち、 ABC 健診と頭部 MRI はオプションです。
当日の検査時間は合計 2 時間、費用は 64,400 円でした(上の写真の価格より安かった)。
自由診療ですからこれくらいの値段は仕方ありませんし、命には代えられません。クレジットカードで支払いできるので大金を持ち歩く必要がなく助かりました。
受診した病院の名前は公開しませんが、私の実家から電車で30分以内に着ける病院にしました。理由は検査結果を郵送してもらえたから(医師と面談なし)です。
検査後、結果が出るまで約2週間かかります。その間に私はベルギーに戻らなければいけません。とりあえず結果は実家に郵送してもらい、さらに国際スピード郵便 (EMS) でベルギーに転送してもらいました。
この病院のネット上の評価はものすごく低く、不安もありました。しかし病院の名誉のためにこれだけは言わせてください。私が当日行ったときはとても丁寧な対応をしてくれました。あれだけの悪口を書かれるほどのことはありませんでした。
担当によって対応が違うのか、それともベルギーの対応の悪さに慣れてしまったのか。真相はわかりません。
頭部MRIで脳の異常ではなく副鼻腔炎が見つかった
頭部MRIは約20分間、磁気の力で脳の画像を作る検査法です。電気磁気学的なエネルギーを使うため、体内に金属類があると検査が受けられません。私は銀歯だけありました。銀歯は OK, インプラントは NG のようです。
検査装置が動いている間はグワングワンといった音がずっと鳴り響きます。この音が不快な人もいるようです。私はこの音をヒップホップの音楽だと思って指でリズムをとっていました(頭は動かさないでください)。
検査の結果、脳に異常はありませんでした。自律神経失調症との関連はわかりませんでした。当たり前かもしれませんが、経験することが大切なので私にはプラスでした。
脳に異常がない代わりに、副鼻腔炎を診断されました。慢性的な副鼻腔炎はいわゆる蓄膿症なのですが、私の場合は急性副鼻腔炎でした。なぜなら当日風邪をひいていて、のどと鼻の調子が悪かったのです。時間はかかりますが、風邪が治ればこの炎症の鼻水やたんもなくなるからです。
少なくとも、 MRI の本来の目的である脳梗塞などの異常が見つからなかっただけでもホッとしています。
血液検査でわかってきた私の体質
痛風発作が出ないのに尿酸を下げる薬を飲んでいた
私は 20 代のころ痛風予備軍と診断されました。
そのため痛風の原因となる尿酸の値を下げる薬を15年ほど飲み続けてきました。当時医師からは「腎臓の機能低下によって尿酸が排せつできないタイプ」と診断されました。
しかし痛風発作が起きたことは一度もありません。そのためこの薬を飲むことが納得できませんでした。
そして心臓発作をきっかけに脳疲労の改善方法について調べたところ、ある仮説にたどり着きました。
「脳疲労(自律神経失調症)の原因となっている活性酸素が体内で大量生産されている。活性酸素を無毒化するために尿酸も過剰生産されている。だから尿酸値が高いのでは?」
心臓発作の原因と尿酸値が高いのはどちらも活性酸素が原因ではないか、ということです。
尿酸は痛風の原因となるのはわりと周知されています。しかし尿酸は同時に活性酸素を除去する物質(抗酸化物質)でもあります。
尿酸値は高いけど痛風にはなっていない。つまり生活習慣の乱れではなく、ほかに理由があって(脳疲労?)尿酸値が高くなっている。体内に溜まった活性酸素を掃除するために尿酸を過剰に生産しているのではないか?
そして強引に薬で尿酸値だけを下げていたので、活性酸素は体内に残る。だから結果的に心臓発作や自律神経失調症の引き金となった(私の場合)。根本的な対策は尿酸(痛風)ではなく活性酸素(疲労対策)ではないか。
つまり、現在の医学ではまだ解明されていない部分なのでは?ということです。
鶏むね肉で尿酸値を抑える可能性
今回の人間ドックでは血液検査もやりました。そこである実験をしました。
検査前 1 週間、尿酸値を下げる薬を飲まず、代わりにイミダペプチド(鶏むね肉などに入っている、活性酸素を除去する成分)のサプリを寝る前に飲みました。このサプリによる 1 回の摂取量はイミダペプチド約 120 mg です。
もし仮説が正しければ、尿酸値は低く出るはずです。なぜなら元凶である活性酸素がイミダペプチドで無毒化されるので、抗酸化物質である尿酸を生産する必要がないからです。
検査結果は写真の下のようになりました。 7.3 という数値はまだ適正範囲外です。診断した医師も当然「尿酸値を下げる薬を飲み続けること」とコメントしました。
しかし写真の上を見てください。私がシンガポールで働いていた時(だから書類が英語)、薬を一時的にやめたら 9.8 という数値でした。過去測定した中で最高値でした。
一方、 4.7 という数値も出たことがあります。このとき薬は飲んでいましたが、当時担当した医師ですら「なんでこんなに下がった?」と疑問を持ちました。そのため一時的に薬を中断したところ、再び数値が9.8まで上がり薬を飲むことになりました。
でも今振り返ると、あの時なぜ下がったのか推測できます。「鶏肉料理をよく食べていたから」の可能性があります。
シンガポールにいたころは中華料理を定期的に食べていました。また当時住んでいた家の近くにはサイゼリヤがあったため(シンガポールに!)、チキンステーキも定期的に食べていました。食べていた鶏肉が実は活性酸素の対策になっていたことを知らず、さらに尿酸値を下げる薬のダブルで値を下げていた可能性があるのです。
もちろんこれは仮説・推測の域を出ません。絶対に真似しないでください。
今回の血液検査では、摂取したイミダペプチドのサプリは少量でした。またベルギーから日本に移動した直後だったので、時差ボケでよく眠れなかったこともあり疲労が十分取れませんでした。
自分の身体で検証してみた結果、鶏むね肉(または豚ロースなどイミダペプチドが含まれているタンパク質)の摂取量を増やして、よく睡眠を取れば尿酸値を正常範囲内にできる可能性は十分にあります。
念を押しますが、私は痛風発作が起きたことがありません。痛風発作が出たことある方は、真似せずに医師の指示に従ってください。
まとめ
自分の身体に何が起きたのかを理系博士として知りたい。だから自分の身体を使って引き続き検証していきたいと思います。
この記事をまとめましょう。
- 頭部 MRI では脳梗塞の検査はできても、自律神経失調症についての検査はできない。言い換えると、現在の医療技術では脳と自律神経失調症の関連性を直接調べることはできない(間接的に測定する方法はある)。
- 痛風ではないのに尿酸値が高いのは、何らかの理由(おそらく脳疲労)で体内に活性酸素が多く発生しているから。尿酸は痛風の原因だけではなく抗酸化物質でもある。
- 心臓発作も自律神経失調症もともに活性酸素が原因である可能性がある。鶏むね肉などのタンパク質の摂取量を増やすことで、予防できる可能性がある。
※この記事の内容は筆者の個人の感想です。あくまでも参考のために情報公開をしているため、真似しないでください。