ベルギーの滞在許可証を申請して入手するまで

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この記事ではベルギー移住の手続きシリーズの大詰め、滞在許可証(通称IDカード)を入手するまでの私の経験をまとめました。本編が長いので、前置きはこれくらいにしましょう。

フローチャート

既にタイプDビザを入手している前提(タイプDビザから滞在許可証への切り替え)で話を進めます。手続き自体は難しくないのですが、お役所仕事なので時間がかかります。全体のプロセスをまとめると下図のようになります。

滞在許可証を入手するまでのフローチャート

最初のコンタクト

初めに市役所(コミューン)に滞在許可証を申請したい旨を伝えます。その際、窓口に行く必要があるかどうかは各役所にゆだねられます。まずは自分の住む役所のホームページを徹底的に調べましょう。

私の住むゲントのホームページには英語による滞在許可申請の手引きがありました。下記のリンクからPDFファイルをダウンロードできますので、一読されることをお勧めします。

外部リンク: Expats – Registering in municipality and applying for residence permit

ちなみに、この資料では外国人居住者全員のことをExpatsと呼んでいます。通常、Expatsは駐在員を意味しますが、ここでは駐在に限らず非ベルギー国籍の居住者という意味になります。

この手引きに従い、ベルギー到着8営業日以内に下記の情報と資料を電子メールにて申請しました。最初は窓口に行く必要はないと書かれており、実際に私も最初窓口には行きませんでした。

※2018.05.19追記:最新情報は外部リンク先にある役所の公式情報を参照願います。メール申請は私が申請したときは到着後8営業日でしたが、最新情報では3営業日以内に変更になっています。

最初のメールには下記の情報を入れて送信する必要があります。

  • 氏名(性と名がわかるように)
  • 国籍
  • 前居住国と都道府県(または市)
  • ベルギー入国日
  • ベルギー国内の住所(まだ決まってなければどうすべきか問い合わせましょう。まずはコンタクトを取るのが先です)
  • 警察が訪問して良い曜日と時間帯、電話番号(警察が連絡の取れる番号)
  • ベルギー滞在予定期間(私は期間の定めの無い雇用契約なのでmore than 1 yearと記載)
  • スキャンデータ(画像またはPDF)
    1. パスポートの顔写真のページ
    2. パスポートのタイプDビザ貼付ページ
    3. 労働許可証(私は両面ともスキャンした)
    4. 雇用契約書もしくは採用通知書

ベルギーはシェンゲンエリア内なので、ビザなしで90日まで滞在できます(滞在許可証を入手するまでの期間とほぼ同じ)。しかし、上記にあるようにタイプDビザの取得が義務付けられましたので、ビザなしでの申請は他のシェンゲン国の居住実績が無いとダメそうです。

私は手引きの指示通りに添付ファイルをつけてメールしました。返事はありませんでしたが、メールの内容に不備はなかったのでしょう。後日郵送にて仮滞在許可証が届きました。

仮滞在許可証(写真無し版)

7月(夏休み期間)に申請したので対応は遅れると思っていましたが、しっかり仕事をしている感じでした。

警察による住居チェック

仮滞在許可証は発行から45日間「ベルギー国内の住所を証明」するもので、まだID番号は割り振られていません。45日経って失効しても2度まで再発行可能と書かれていました。

ベルギー入りする前にタイプDビザを取得していたため、この仮滞在許可証が無くても合法的に90日を超えて1年まで滞在することができます。あまり意味のない感じの仮滞在許可証でしたが、インターネットの契約で役に立ちました(その内容は別記事で書きました)。

この仮滞在許可証が有効なうちに警察官の訪問による居住チェックがあります。役所の手引きでは通常5週間以内に訪問すると書かれていましたが、案の定一か月経っても全く来ませんでした。しびれを切らしてこちらから電話すると、二日後(翌日は祝日だった)の午後7時のアポイントを入れてくれました。

電話したときは3人ほど応対が変わり、やっと担当してくれた人は「いつコミューンに申請したか?」と尋ねてきました。私がそこで「7月〇日(1か月前)」と言い、やっとこの日のアポイントとなりました。

恐らく警察はギリギリまで行動に移さない可能性が高いです。今回は1か月前にコミューンに行ったから対応してくれたのであり、もし申請後すぐに電話をしても対応してくれない可能性があります。やはりタイミングを見計らって、こちらからアクションを起こさないといけないでしょう。

下記のサイトから、居住地区の担当警察官と電話番号が検索できます。ゲント以外の検索は別ページになりますが、似たものはあるはずです。

外部リンク:Je Wijk(オランダ語による最寄りの警察を検索するサイト)

訪問当日、午後7時20分ごろ(やはり遅れて)警察官が来ました。しかも建物のセキュリティゲートを開錠してから部屋に来るまで道に迷ったのか5分以上待ちました。1か月以上待って、取り調べは10分もかかりませんでした。

警察官は部屋の中に入って簡単な取り調べをやります。私が求められて見せた資料はこれだけでした。

  • パスポート
  • 賃貸の契約書

また質問はとても簡単なものでした。

  • 居住している部屋は賃貸か?それとも所有(分譲)か?
  • 職業は何か?
  • 学生か?(ゲント大学の)大学教授か?それとも会社員か?

一通り終わると「OK!3週間以内にコミューンからレターが届くから、それをもって窓口に行ってくれ。バ~イ!」と颯爽と帰っていきました。日本人の感覚ではやっぱりツッコミどころ満載です。

ただ「君の英語は問題ない」と言ってくれたので、お世辞ではなく素直に受け止めておきましょう。ありがとう!

アポイントによる滞在許可証の申請

この警察による住居チェックから2週間後、コミューンから郵送で返事がきました。

滞在許可申請の招待状

この手紙には「コミューンでの滞在許可証申請日時と場所」、つまりアポイントが記載されています。指定日は手紙を受け取った日の翌週の火曜日、つまり警察の住居チェック日から3週間後でした。

申請に必要なものは以下のものでした。

  • 滞在許可申請の招待状(上の写真)
  • パスポート(タイプDビザが貼付済みのもの)
  • 労働許可証
  • 雇用契約書または採用通知書
  • 運転免許証(ベルギーの運転免許証が必要な場合のみ)
  • 証明写真2枚(横35mm×縦45mm、背景白、6ヶ月以内に撮影したもの)
  • 25ユーロ(カード発行手数料、現金もしくはBancontactというデビットカード払い)

※2018.05.19追記:申請料は26ユーロに値上がりしています。

手引きには「証明写真3枚」と書かれていますが、実際には2枚でした。恐らく運転免許証をベルギーで発行する際に必要なのかもしれません。

申請場所はコミューンといっても役所の本庁舎ではなく、出張所のような場所でした。場所は招待状に書かれているので熟読されることをお勧めします。

コミューン(私が行った出張所)

幸いこの出張所は職場から近く、申請時は了承を得て業務を一時抜けて行きました。

絶対に遅れてはならないと思い、早めに職場を抜けて出張所に向かいました。指定の14時きっかりに午後の受付が始まりました。

中に入ると「アポイントはあるか?」と聞かれたので、招待状を見せたところ「1番カウンターへ」と言われて従いました。そこに、担当者がやってきて手続きが始まりました。

必要な資料を出し、申請内容をパソコンに打ち込みながら作業が進みました。途中、指紋を取り(右手と左手の親指以外の指4本ずつ計2回)、署名を書き(滞在許可証に印刷される)ましたが、問題なく進みました。

質問は申請内容の確認をする程度の感じでした。

  • 職業は何か?
  • どこで産まれたか?
  • 写真はベルギーで撮影したものか?

私の証明写真はシンガポールのスピード写真で撮影したものだったので、普段扱っているものとは違っていたのでしょう。「この写真が使えるかトライする」と言われましたが、結果的には問題ありませんでした(労働許可証の申請と同じ写真なので問題があったら大変)。

労働許可証やパスポート、雇用契約書も持参しましたが、実際には使いませんでした。最初にメールで提出した電子データで問題ないようでしたが、実物との照合はありませんでした。持参したが使わなかった場合はいいですが、求められた場合手元にないとアポイントを取り直す必要があるので、必ず持参しましょう。

すべての申請が終わり、「申請料25ユーロの領収書」と「写真付き仮滞在許可証(ID番号あり)」を受け取りました。「カードは2週間程度で届くので、その時は受け取りの招待状が住所に投函される。1か月待っても何も届かなければ手違いがあるので連絡が欲しい(出頭する)」と言われて手続きが終わりました。

一連の申請作業は40分程度必要と手引きには書かれていましたが、実際は25分程度でした。しかも5分くらいは私の相手をしながら、隣のデスクの椅子が壊れたことの雑談に取られました。他に並んでいる人もいなく全く混んでいませんでした。それでも「時間がかかるからアポイントが必要」というお役所トークにスキはありませんでした。

カードの受け取り

申請日から2週間後、待望の受け取り招待状がポストに投函されていました。

労働許可証受け取りの招待状

手紙を受け取った翌日、申請時と同じ出張所に行きました。受け取り時間の指定は招待状に書かれてなかったので、業務の合間に了承を得て受け取りに行きました。役所はたいてい平日の昼間しか開庁していませんので仕方ありません。

受け取りには以下のものを持参しました。

  • 招待状(上の写真)
  • 申請料のレシート(実際求められなかったが、手引きには記載されている)
  • 仮滞在許可証(写真付き・写真無し版両方とも返却のため)
  • PUK/PINコード(招待状に記載されているため絶対に漏らさないこと)

出張所に着いて中に入ると「番号札を取って」といわれて玄関に戻り発券機へ。端末はオランダ語しかなく迷っていたら、「何の用件でもいいから番号札を取ればいい」と知らない人からの助け舟をいいただきました。

誰も前にいなかったのですぐ私の番になり、申請時にサポートしてくれたマダムが対応してくれました。

持ってきた招待状を渡して「IDカードを取りに来た」ことを伝えると、すぐに私のカードを持ってきました。そしてそのカードをカードリーダーに差し込み、申請時にとった指紋の認証(左右の手で一回ずつ)と、PUKとPIN番号の入力確認をしました。

認証が無事終わり、私は滞在許可証を受け取り、受付のマダムは私の仮滞在許可証を回収して終了。5分もかからずに終わりました。

まとめ

これで晴れてベルギー在住者となりました。タイプDビザの貼られたパスポートの代わりにこの滞在許可証を持参する必要はありますが、滞在許可証はクレジットカードサイズなのでパスポートより楽です。

今回受け取った滞在許可証はタイプAという1年間有効のカードですが、実際の有効期限は警察の住居チェックのあった日から1年でした。そのため、労働許可証の有効期限よりも2ヶ月ほど長いことになります。ベルギーは労働許可と滞在許可が分かれているのでとにかく面倒です(シンガポールでは労働許可と滞在許可が一枚のカードに集約されている)。

ベルギー就職が決まってから滞在許可証を受け取るまで5ヶ月かかり、かつ健康診断書の問題が大変だったので、今はほっとしています。来年また更新手続きはありますが、一度取ってしまえば何とかなるので、更新はそれほど大変だとは思っていません(今のところは)。

コミューンの対応の悪さについてよく他のブログで見ます。ただ私のケースでは幸運なのか、それともゲントという地域が良かったのか、特に不愉快な対応はありませんでした。融通が利かないのはヨーロッパに限ったことではないですから、あまり感情的になっても仕方がないでしょう。

以上、滞在許可証申請のポイントをまとめます。

  • 最初はメールでコンタクトを取る(居住管轄の役所に確認すること)
  • 警察による住居チェックはすぐ来ないので、最初のコンタクトから1か月待っても何も連絡がなければこちらから警察に連絡してアポイントを取る
  • 申請書類は漏れの無いようにすべて持参すること

※この内容は2017年9月時点の情報です。

関連記事:ベルギー移住向け長期滞在ビザDの申請手続き

関連記事:ベルギー移住のための労働許可証申請と必要書類の準備方法

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