TOEIC600点未満の人向けパート別参考書と解答のコツ
この記事は約 8 分で読めます
TOEIC 600 点台までは試験対策をしなくても基礎英語力をつければ達成できます。ただ会社でスコアを求められている人にとっては、そう言っていられない実情もあります。
この記事では私が実際に使ったパート別のおすすめ参考書を紹介します。そしてスコアを少しでも上げるためのコツも解説します。お役に立てれば幸いです。
ただしひとつだけあらかじめお詫びします。リスニングの Part 3 と Part 4 はおすすめの本が絶版になってしまったため紹介できません。残りのパートについては、私が実際に使った本の最新版を紹介します。
Part 1とPart 2は音読して出題パターンを覚えよう
音読の教材と割り切ってトレーニング
この参考書は Part 1 と Part 2 に特化した非公式問題集となっています。とにかくたくさんの問題が収録されているのが特長です。
私はこの本を音読の教材としました。
リスニング改善のコツは、短い英文を速く処理できるようにすることです。音読は英文を声に出すだけでなく、自分の声を耳で聞くことでリスニング力を鍛えるトレーニング法です。
Part 1 と Part 2 はともに短い英文で構成されているため、この音読学習法で正答率を高められるのでは?と考えました。
音読をするときはぜひ、私が提案している 20 回音読法をトライしてみてください。教材の音声と自分の声を重ねる音読(オーバーラッピング)と、自分の声だけの音読を組み合わせたトレーニング法です。詳細は関連記事をご覧ください。
参考書の使い方
Part 1 は写真の内容を最も正しく表現している英文を 4 択から選ぶ問題です。本書の解説ページには写真、選択肢、答えがすべて出ています。このページを見ながら音読し、写真と英文のイメージを結びつけるように訓練しましょう。
Part 2 は相手の話してきたことに対する適切な受け答えを 3 択から選択する問題です。実際の試験では、このパートには写真も問題文もありません。しかし本書は問題集ですので、解説ページに全英文が掲載されています。 Part 1 と同じように音読し、質問と応答の関係を結びつけましょう。
本書の各問題には難易度が振り分けられていますが、気にしなくて大丈夫です。ただし全問正解できるまで繰り返し解いてください(最低 2 周以上)。このパートで苦戦すると、長い英文で構成されている Part 3 と Part 4 はもっと大変です。
数をこなすと、自分の中で出題パターンがどうなっているか理解できるようになります。
TOEIC は日常会話やビジネスシーンを取り扱っているとはいえ、お酒が出ないなど出題シーンに制限があります。つまり出題パターンはある程度限られるのです。自分の中でそのパターンがわかるようになればこっちのものです。
音声データ自体は無料、アプリを使う場合は課金
この書籍のあるレビューでは、スマホアプリ内で課金しないと音声データが入手できないと書いてあります。
アプリを使わなくても音声データは無料で入手できます。
MP3 の音声データが出版社のサイトから無料でダウンロードできます。 PC からスマホに音声データをコピーする手間はありますが、この作業に追加料金はありません。
外部リンク:朝日新聞出版TOEIC® TEST 特急シリーズ
あくまでも本を使わずにアプリだけで学習する場合に課金が必要になるのでしょう。私もアプリをダウンロードしてみましたが、利用するのに会員登録が必要でした。本と無料の音声データだけで十分なので、私は会員登録はしませんでした。そのためアプリの評価はできません。
Part 5とPart 6は選択肢から文法問題か単語問題かを見抜く
時間配分を意識して解く
著者の中村澄子先生は『千本ノックシリーズ』といった、定評のある TOEIC 対策本を出版しています。先生の本はどれも、社会人が忙しい時間の合間に TOEIC 学習ができるように工夫されているのが特長です。
この本に掲載されている問題を解くときは、スマホのタイマーで時間を測ってみましょう。私がおすすめする制限時間はこのようになっています。
- Part 5⇒1問20秒(例: 1 ページ 5 問なら 100 秒以内に全部解く)
- Part 6⇒1問30秒(例: 1 ページ 3 問なら 90 秒以内に全部解く)
これらは TOEIC 本番を攻略するのに必須な制限時間です。これ以上時間がかかると Part 7 に使う時間が無くなってしまいます。
わからなければあきらめて、適当にマークして次にいきましょう。そうしないと、後半で解ける問題が時間切れで解答できず、スコアを落としてしまう可能性もあります。
練習問題の段階から解く時間は意識してください。ただし、間違えた問題はあとで振り返ります。次は間違えないように対策はしましょう。
文法問題はコツをつかめば時間が稼げる
Part 5 と Part 6 で出題される問題は、大きく分けてふたつのタイプに分かれます。ひとつは単語の問題、もうひとつは文法の問題です。
単語問題については意味を理解する必要があるため、出題文を読む必要があります。与えられた時間内に読んで解答しましょう。
一方、文法問題の場合は出題文をすべて読まなくても解答ができます。
文法問題の場合、選択肢ひとつの単語の変化形だけで構成されています。例えばこんな感じです。
The most car model is sold by Rolls-Royce.
(A) expensive (形容詞)
(B) expensively (副詞)
(C) expense (名詞/動詞)
(D) expensiveness (名詞)※答えは (A) です。
文の意味がわからなくても、前後の単語の関係と英文の作りから「この流れは形容詞、この形なら名詞」という感じで推測ができます。
上記の例では空欄の次が car (名詞)なので、 car を追加説明する単語(形容詞)が入ります。そのため expensive が答えです。文章中の model 以降を読まなくても文の作りから推測できます。
これが速く解くコツです。この方法で解ければ、 1 問につき 10 秒以上の「貯金」ができます。できた貯金は Part 7 の時間に費やすことができ、ハイスコアを狙うチャンスができます。
したがって、上記の 1 単語の変化だけが選択肢の場合は、この方法で解いてみましょう。どうやって答えを導くかは、個々の問題のケースによります。実際に問題を解いて経験してみてください。
そういう意味では、私が別記事で解説したマーキング読書をやるのもひとつの方法です。頭の中にマーキングがイメージできると、どの変化形がしっくりきて、どの変化形に違和感があるかがパッと見てわかるようになります。
関連記事:英文は手を動かして読む?理系目線の英文解析と文法学習法
Part 6 は複数の問題がひとつの文書に入っているため、話の流れも把握する必要があります。しかし Part 5 の発展形とも言えるので、ここで解説したコツがつかめれば攻略できるはずです。
本書の解説では S + V でなんとか、と言った細かい解説があります。細かく解説してくれるのは嬉しいですが、私は全部読んでいません。というか学校英語のコンプレックスがあるためか、今でも文法用語は頭に入りません。
そんな私でも 850 点以上とれました。ポイントを抑えて数をこなしましょう。
Part 7はとにかく1問1分で解けるようにする
この本の著者は Part 7 の問題に「ピンポイント型」や「選択肢照合型」など出題パターンがあると指摘しています。確かに過去の TOEIC の出題傾向からするとそうなのでしょう。
ただし私の経験上、小手先のテクニックは紹介できません。というか私にはこの本で紹介されている出題パターンをすべて覚えられませんでした。
Part 7 は最も読解力が求められるパートなので、本当の英語力をつけて解いてほしいというのが本音です。
そんな私からのアドバイスです。本書の問題が実際に何分で解けるか、測りながら解いてください。
このパートにも時間配分はあります。 1 問 1 分です。 1 パッセージ 3 問あれば 3 分、 5 問あれば 5 分以内に解くのが理想です。
1 問 1 分に対して実際には何分で解けたか、そのギャップを見える化しましょう。
例えば、 1 パッセージ 3 分 (3 問)に対して 5 分かかったとします。 2 分のロスが発生したことになります。どの問題で時間を使いすぎたのか分析してみましょう。どこに時間がかかったのかを把握すれば、速く解くコツをつかむきっかけが得られるでしょう。
また、発生したロスが残りの試験時間に影響しないか?検討してみましょう。
先ほど解説したように、 Part 5 と Part 6 で時間が余れば Part 7 に使える時間も増えます。時間が余った状態であれば、たとえ少しくらいロスしても「まだ大丈夫」と余裕が持てます。
Part 7 はペース配分がとても大切です。時計も意識しながら解いてみてください。
まとめ
TOEIC は基礎英語力を評価するためによくできている試験です。今の自分の実力と目標スコアをきちんと見極めて学習すれば克服は可能です。試験を卒業したあと、実践で使う英語の充実感も味わってくださいね。
この記事をまとめましょう。
- Part 1 と 2 は短い英文が出題されるので速く処理できるように基礎力を身につける。
- Part 5 と 6 は単語問題の場合は出題文を読んで素早く解答する。文法問題は選択肢がひとつの単語の変化形なので、全部読まなくても文の流れから解答ができる。
- Part 7 は時間を測りながら解く。出題パターンを覚えるよりも真の英語力で対応したい。