人はもっとずるく生きていい『明日クビになっても大丈夫!』

[この記事は約 6 分で読めます]

今回の書評は『明日クビになっても大丈夫!』です。

明日クビになっても大丈夫!成分

ブックセイブンってなに?(別ウィンドウで開きます)

もっとずるく生きて良い

本書のおかげで、私はサイト運営を本格的にやろうと決意しました。

著者のヨッピー氏は人気のウェブライターです。下ネタから社会に物申す記事まで扱い幅広く活躍されています。

本書は著者自身がウェブライターとして独立するまでの経験談をベースに「今の仕事や生き方に不安」という人の背中を押してくれるビジネス書です。ヨッピー氏は私と同学年。同じ世代で独立した人の考え方を知りたくて購入しました。

本書は独立や起業をただ推奨しているのではありません。この手のビジネス書はたいてい「今すぐ会社を辞めて独立しよう」と主張します。

しかしヨッピー氏は違います。ヨッピー氏は会社員も経験しています(第1章)。その経験から、今の日本の会社にはおかしなルールがたくさんあって息苦しいけど「あまりルールに縛られ過ぎずに、もっとずるく生きていいよ」とアドバイスしている本です。

ヨッピー氏の言うことはまさにその通りです。

私も社会人を10年以上経験していますが、真面目にやって報われたと思えません。日本と海外(シンガポールとベルギー)両方の仕事を経験していますが、労働環境も違います。正直、今後日本に帰国してコテコテの日本企業で働けるとは思えません。

ヨッピー氏は言います。サラリーマンをやりながらまずは並行して活動すればいい。会社を辞めて専業でやらないと結果が出ないのはウソだと(同書kindle版位置No.601付近)。

私がこのサイトを立ち上げたのは、本業以外にも活動の幅を広げようと思ったからです。私の本業は技術者ですが、あと30年以上今の仕事が続けられるか不安があったからです。

将来的には独立も視野に入れて活動をしたほうがいいのではないか?ヨッピー氏が会社員を経て独立した話にはとても共感しました。

この記事の執筆中、私はまだ独立していません。しかしヨッピー氏のアドバイスに従って粛々と進めています。

「生産的な趣味」という造語が刺さった

趣味には消費的なものと生産的なものの2種類ある

本書でもっとも印象的だった部分。それはヨッピー氏が趣味を「消費型」と「生産型」に分けて定義したことです。少し長いですが本書から引用させていただきます。

ここで僕が勝手に定義づけた二つの趣味について書こうと思う。大雑把に分けて「生産する趣味」と「消費する趣味」だ。要するに「その趣味を通じてお金が稼げるようになる可能性がある、もしくは新しい人と知り合う可能性があるもの」がつまり「生産する趣味」で、逆に「その趣味を通じてお金が稼げるようになる可能性がなく、新しい人と知り合う可能性もないもの」が「消費する趣味」となる。

ヨッピー 『明日クビになっても大丈夫!』 幻冬舎 (2017) Kindle版位置No.739付近より引用

この分析はするどいです。思わず「なるほど~そうか~」とうなりました。

副業と言ってしまうと重い感じで気が引けます。しかし生産的な趣味と言えば「あくまでも趣味の範囲」で気軽に始められます。

お金になるかどうかは別として、とりあえずやってみれば良い。消費しただけでは次につながらないが、生産的であれば先があるかもしれない。なるほどと考えさせられました。

本書を購入したとき、私はすでに当サイトを立ち上げていました。しかしこのメッセージで「サイト運営をしっかり続けよう」と腹をくくるようにしました。

本書全体を通じて、ヨッピー氏のアドバイスや指摘は的を得ています。ヨッピー氏は記事を見るとふざけたことをした人というイメージがあります。しかしそれらも分別をもってやっている人なんだな、と理解できます。

あの頃のインターネットに恩返ししたい

いま私がこのサイトを運営しているモチベーションの1つは「ちゃんとした情報を届けたい」という想いがあるからです。

ヨッピー氏は近年のネット情報のひどさ(キュレーションサイトの問題や売上ありきで信頼性に欠ける情報の氾濫)に怒ることがあります(第4章)。私も完全同意です。

なぜ同感できるのかというと、初期のインターネットの楽しさを知っているからです。NHKで平成ネット史(仮)という番組が話題になりました。まさにテレホーダイからテキストサイトといった「あの時代のネットの楽しさ」を知っています。

本書には当時のことを思い出させる一文がありました。こちらも長いですが引用させていただきます。

でも、同じ業界で僕が尊敬している人達の例を挙げると、デイリーポータルZという老舗お笑いサイトを率いる林雄司さんだって元々は個人のHPを好きにやっていた人だし、ARuFaという爆発的な数字を取る、今の日本で群を抜いて突出した実績を残しているライターも元々はただの学生ブロガーだ。

ヨッピー 『明日クビになっても大丈夫!』 幻冬舎 (2017) Kindle版位置No.532付近より引用

当時大学生だった私が自分のサイトを作ろうと思ったきっかけは、この引用に出てきた林雄司氏の『東京トイレマップ』でした。このサイトに触発されて、私はドリフのようなお笑いGIFアニメのサイトを運営しました。

こういうくだらないサイト(ほめてます)こそネットの楽しさでした。

ヨッピー氏が初めてウェブサイトを立ち上げたのは19歳のとき、私も同じ年齢で自分のサイトを立ち上げました。まさに大学生の頃でした(2000年ごろ)。

ヨッピー氏は情報発信の形を変えつつもネットでの活動を続けていき、今日のウェブライターとしての地位を確立しました。

一方私は1年半ほどでサイト運営を辞めてしまいました。

今になって後悔しています。どうして続けなかったのか?と。私は世間的な呪縛から抜け出すことはできませんでした。「ネットでの発信はあくまでも遊びでやること、大学を卒業したら普通の(ちゃんとした)社会人にならないといけない」という価値観を変えることができませんでした。

そしていつの間にかインターネットは様変わりしてしまいました。この変化についてはまた別の書評でも取り上げたいと思います。

ヨッピー氏は自腹にしてでも面白いコンテンツを作りたいと思っている。私もヨッピー氏に賛同して、少しでもちゃんとした情報を発信したい。あの頃の楽しかったネットに少しでも恩返ししたい。あの時サイト運営を辞めた後悔をバネにして、今コンテンツを増やしています。

当サイトを立ち上げたのは2017年。その前に無料ブログを3年やっていましたが、後発のためやはり SEO 的に苦戦しています。「なんでこのサイトよりも検索順位が低いんだ?」と思うことは何度もあります。

時間はかかるかもしれませんが、ネットが少しでも有益な情報で満たせるように力になれれば。微力ながら力になれればと考えて今後もサイト運営を続けていきます。

今回紹介した本

ヨッピー, 幻冬舎, 2017
この本の詳細を見る

お尋ね:インターネット博覧会をご存知ですか?(私が大学生当時に公開したお笑いGIFアニメを紹介)