Ultrahuman Ring Air vs Fitbit 「睡眠の質」表示比較レビュー

この記事は約 8 分で読めます

FitbitとUltrahuman Ring Airを左手に装着した状態の写真

このシリーズでは各種スマートリングの睡眠計測・分析機能をレビューしています。

この記事ではインドのメーカーがリリースした Ultrahuman Ring Air (ウルトラヒューマンリングエアー)の睡眠機能をレビューします。

結論からいうと使いにくかったです。詳細は本文にて解説します。

以下では Ultrahuman Ring Air を URA と省略させていただきます。

Ultrahumanアプリでできること

基本的な睡眠管理機能

ウルトラヒューマンアプリの睡眠分析結果の基本画面

上図左はアプリのメイン画面です。メイン画面には睡眠スコアや活動内容の概要が表示されています。

詳細をみるには “Sleep Index” をタップします。画面が切り替わると日々の睡眠スコアのグラフが表示されます。睡眠スコアの計算方法は不明のため、このレビューでは睡眠スコアで良し悪しを判断しません。

下にはその日の睡眠データが表示されます。睡眠時間、ベッドにいた時間、睡眠効率、心拍数などが表示されています。各項目が十分な結果かどうか緑や黄色で表示してくれます。

さらに画面を移動すると睡眠中の血中酸素の平均値が表示されます。ベータ版らしいです。

さらに下に移動することでようやく睡眠の状態を示したグラフ(睡眠サイクル)が表示されます。

睡眠ステージは「覚醒」、「レム睡眠」、「浅い(ノンレム睡眠)」、「深い(ノンレム睡眠)」の 4 ステージです。睡眠トラッカーが標準的に扱う 4 項目です。

グラフをタップすると何時から何時までどのステージだったか調べることができます。

過去の睡眠傾向を分析できる

ウルトラヒューマンアプリの過去の睡眠傾向管理画面

睡眠データの項目をタップすると過去の傾向を分析することができます。上図は睡眠時間の傾向分析の例です。

上図に示すように「日」、「週」、「月」単位で画面を切り替えることができます。画面上部分には平均睡眠時間が表示されます。

このグラフを見る限り、週の平均睡眠時間は 7 時間 35 分、月の平均睡眠時間は 6 時間 52 分。日本人に求められる平均睡眠時間は確保できていそうです。

睡眠以外に計測できる生体データ

ウルトラヒューマンアプリの睡眠中の生体データ計測結果の画面

睡眠サイクルの画面の上には血中酸素の値が表示されていました。他の生体データの計測結果は睡眠サイクルの下に表示されます。

画面を下にスクロールすると「心拍数」、「心拍変動」、「皮膚温」を確認することができました。

安静時心拍数や心拍変動はストレスレベルの判断に活用できます。皮膚温は体調管理(特に女性の月経周期管理)に活かすことができます。

上図は睡眠中の計測結果だけが表示されています。日中の計測結果や歩数の値は別の画面で確認することができます。

URA には「睡眠中の呼吸数」を計測する機能がありません。睡眠時無呼吸症候群かどうか調べるために重要な項目です。

レビュー方法

レビューをするにあたり、下記に示す方法でデータ収集と分析をしました。結果だけ知りたい人はここは飛ばしてください。

データの取り方

Ultrahuman Ring Air と Fitbit をそれぞれつけて睡眠データを計測しているイメージ

睡眠の質を比較するための判断基準は Fitbit のデータです。過去の経験上、起床後の身体の感覚(すっきりしているか、眠気が残っているか)と睡眠図に最も関連性を見いだせているのが Fitbit だからです。

左手の人差し指に URA, 左腕に Fitbit を装着していつも通り就寝しました。

起床後アプリでデータを収集し、両デバイスの波形を比較しました。その結果を解説します。

計 1.5 か月分 (50 日分)データ収集しました。

睡眠の質を評価するポイント

医師が書いた睡眠に関する本や私が Fitbit で計測した睡眠データから、睡眠の質をチェックするポイントは以下の 3 つに整理しました。

  1. 「覚醒」から「最初の深い睡眠」に入るまでの時間は短いほど良い (30 分以内が目安)
  2. 最初の深い睡眠は 20 分間以上あることが望ましい
  3. 睡眠中の途中覚醒回数は少ない方が良い

1 番が最も重要で、番号順に優先順位は下がります。各項目の詳細と根拠については下記の補足説明をご覧ください。

関連記事:補足:睡眠の質をチェックする3つのポイント(各社の活動量計の睡眠管理機能を徹底レビュー)

睡眠サイクルの比較結果

深い睡眠を過検出している可能性

代表的な睡眠サイクルの比較結果。URAは深い睡眠が過剰に検出された。

上図は代表的な睡眠サイクルの比較結果です。 URA のグラフをグレースケールにして Fitbit のグラフを上に重ねています。横軸が一致するように時間軸は調整済みです。

この日は早めにベッドに入りましたが一度トイレで目覚めています。そのため途中から分析を開始しています。

Fitbit のグラフをみると最初の深い睡眠まで 75 分以上かかっています。最初の深い睡眠が 36 分間あるものの、短時間で深い睡眠に到達できなかったため睡眠の質は良いとは言えません。

URA の睡眠サイクルには深い睡眠が早い段階で出ています。評価ポイントを使って分析するとこのようになります。

  1. 最初の深い睡眠まで 10 分 (30 分以内が良い) → 〇
  2. 最初の深い睡眠が 10 分間 (20 分間以上が良い) → △
  3. 中途覚醒 0 回 → ◎ (判定の優先順位は低い)
  4. 睡眠の質の総合評価 → △

実際には起床後の体の調子を考えても、この日の睡眠の質は良くなかったと判断しています。そのため URA は △ 判定ですが実際にはもっと厳しい結果となりました。

URA は上図のように深い睡眠が過剰に検知されやすい傾向でした。そのため日々の睡眠の質の判断に使うには難しいかもしれません。

アップルウォッチに近い分析をしていた

FitbitとURAの睡眠サイクルの比較。最初の深い睡眠の長さが違う。

今回のレビューでは実は Fitbit と Apple Watch の両方を装着していました。ふたつのデバイスでレビューして気が付いた点として、 URA のグラフは Apple Watch の睡眠サイクルに似ていたということです。紹介します。

上図は別の日の睡眠サイクルです。この日もトイレで目覚めているので途中から分析をスタートしています。

URA は途中で目覚める前に一度深い睡眠が検出されています。やはり気になります。

Fitbit は入眠直後に深い睡眠が 41 分間出ています。このグラフが正しければ睡眠の質の判定は ◎ です。

対して URA は 4 分と短く出ています。睡眠の質の判定は × で真逆の判定となりました。

Apple WatchとURAの睡眠サイクルの比較。大まかには似た傾向の睡眠サイクルだった。

上図は同じ日の睡眠サイクルですが Apple Watch と URA の比較結果です。

Apple Watch は中途覚醒前に深い睡眠が短時間出ています。また入眠後も深い睡眠が 5 分間という短時間の検出でした。 URA と似た睡眠サイクルでした。

ただし URA は 2 時台に中途覚醒がはっきり出ています。 Apple Watch は朝まで中途覚醒なしと分析しています。この日は朝まで目覚めてないはずなので Apple Watch の結果が正しいはずです。

この日に限っては Fitbit の深い睡眠が正しくなかったといえます。 Fitbit も完ぺきではないのでこのような不一致も起きますが頻度は少ないです。

そもそもレビュアーの私自身、歳を重ねてきて深い睡眠が出にくくなってきています。そのためレビューの基礎データがきちんと収集できない懸念も出てきました。

しかし過去の経験から URA の睡眠分析がはっきり良いとは言えないのが今回の結論です。

利用する際の注意点

Ultrahuman アプリはスマートリングだけでなく血糖値センサーやエクササイズ管理のサービスも提供しています。

このアプリについて、不具合がかなり目立ちました。一度、夜間の心拍数データが損失して睡眠データ分析できない不具合も発生しました。

また起床後のデータ収集で Bluetooth 接続が遅い点も気になりました。しかし全体的にはアプリ改善スピードが速く多くの懸念点は改善されました。

唯一おかしかったのは充電でした。 75 % から 100 % の充電は約 1 時間程度でしたが 0 または 20 % から 100 % までの充電が 3 時間以上かかりました。

これは時間がかかりすぎです。他のスマートリングでも基本的にはどれだけ長くても 2 時間でフル充電ができます。

通常であれば 4 日程度連続使用して 1 回充電したいのですが、 URA はフル充電に時間がかかりすぎるので毎日充電していました。スマートリングでこれは使いにくいです。

ハードウェアの問題か充電ソフトの問題かはわかりませんが早急な改善が必要です。

まとめ

Ultrahuman はインド発のメーカーでしょうか。値段は安かったのですが機能的、性能的な改善がまだまだ必要な感じです。

スタートアップ企業の宿命でしょうが、今後の改善を期待したいです。

この記事をまとめましょう。

  • Ultrahuman Ring Air は基本的な睡眠管理機能と心拍数や血中酸素の生体データ計測機能を備えている。
  • 睡眠分析については深い睡眠がやや過剰に検知されてた。 Fitbit よりも Apple Watch に近い睡眠サイクルを出す傾向にあった。
  • 改善点が多い。特にバッテリー残量が少ない状態からの充電時間がかかりすぎる。毎日使うにはストレスを感じた。

外部リンク:Ultrahuman Ring (公式)

Ultrahuman
Ultrahuman
ULTRAHUMAN HEALTHCARE PRIVATE LIMITED, 無料

関連記事:Ultrahuman Ring Air対アップルウォッチ生体計測データ比較レビュー

まとめページ【おすすめ】各社スマートリングの睡眠機能をレビュー【比較】に戻る

※このレビューは 2023 年 9 月から 10 月にかけて行いました。最新ソフトではこの記事で書かれた内容と相違があるかもしれません。

※このレビューではアプリは iPhone 版を主に使用しました。 Android 版でも大きな違いはないと想定してレビューしました。

※レビュー時点での Ultrahuman Ring Air Firmware Version: 1.00.04.16 – 1.00.04.32

※この記事のデータ測定結果は診断結果ではありません。データを過信せず不調を感じた際にはかかりつけ医に相談してください。

シェア
この記事のカテゴリ:体調管理とガジェットレビュー
この記事のタグ:なし

このブログを書いている人

ダイブツ
twitter: @habatakurikei
元々IT系だけど電気系技術者。20代で博士号を取得するも、全然社会の役に立てないのが不満でブログによる情報発信を開始。あなたに有益な知識やノウハウを理系目線かつ図解でわかりやすく解説するのがモットー。2018年心臓発作であわや過労死寸前。そこからガジェットレビューを通じた体調管理の情報発信も開始。ベルギー在住でシンガポール就労経験もあり、海外転職や海外生活のノウハウも公開中。

私の詳細:プロフィール

このような記事も読まれています

Withings Steel HR Sport vs Fitbit 「睡眠の質」表示比較レビュー

Steel HR SportとFitbitを両方装着して約3週間睡眠の記録をとりました。両デバイスの計測結果を比較したところWithingsの波形で睡眠の質を分析するのは難しいです。ただし就寝/起床時刻の規則性分析は健康管理に役立つでしょう。

脳疲労と心臓発作の再発を防止するためにやってみたこと

私の心臓発作の原因は生活習慣病ではなく、脳疲労による自律神経失調(過労死の一歩手前)ではないかと推測しました。再発したら次は助からないかも、という不安から再発防止対策を検討しました。 元々不規則な生活はしていませんでしたし、生活習慣病と診断...