セルフバンク vs Fitbit 「睡眠の質」表示比較とアプリレビュー

この記事は約 5 分で読めます

セルフバンクアプリとアップルウォッチ

このシリーズでは iPhone (+ Apple Watch) 向けにリリースされている睡眠アプリをレビューします。私が徹底的に調べた Fitbit の睡眠図とどう違うのか、比較して解説します。

今回はセルフバンクというアプリをレビューします。結論だけ先に書くと「睡眠の質をこのアプリで確認するのは難しい」です。どうしてでしょうか?詳しくみていきましょう。

セルフバンクアプリでできること

エクササイズ動画サービスや食事管理の機能もありますが、睡眠機能にしぼって解説します。

睡眠管理の基本画面

セルフバンクの睡眠管理メイン画面

メイン画面は他のアプリと基本的には変わりません。

画面上部にはその日の睡眠のスコアが 100 点満点中何点だったか表示されます。続いて実際の睡眠時間のデータが表示されます。

その下には睡眠サイクルが表示されます。睡眠ステージは標準的な「覚醒/レム睡眠/浅い(ノンレム)睡眠/深い(ノンレム)睡眠」の 4 ステージです。

睡眠サイクルには心拍数のグラフも重ねて表示されています。この心拍数グラフは表示/非表示を切り替えることができます。

画面を上にスワイプ(下にスクロール)すると、各睡眠ステージの消費時間、理想と実際の比較結果が表示されます。

セルフバンクアプリでは睡眠グラフの共有機能はありません。

過去の記録のチェック

セルフバンクで過去のデータをチェック

画面上部にある「日/週/月」をタップすることで表示を切り替えることができます。

週をタップするとその週の平均睡眠時間、平均睡眠スコア、各曜日の結果がまとめて表示されます。

月をタップすると各日の睡眠スコアがカレンダー形式で表示されます。画面上部にあるアイコンで「睡眠スコア」、「その日の調子」、「実際の睡眠時間」、「睡眠効率」などのデータを切り替えて表示します。

レビュー方法

データの取り方や設定をここで整理します。結果だけ知りたい人はここを飛ばしてください。

データの取り方

Apple Watch(セルフバンクアプリ)とFitbitで睡眠データを同時測定

睡眠の質を比較するための判断基準は Fitbit のデータです。過去の経験上、起床後の身体の感覚(すっきりしているか、眠気が残っているか)と睡眠図に最も関連性を見いだせているのが Fitbit だからです。

左腕に Apple Watch, 右腕に Fitbit を装着していつも通り就寝しました。

起床後アプリでデータを収集し、両デバイスの波形を比較しました。その結果を解説します。

計 8 日分データ収集しました。

睡眠の質を評価するポイント

医師が書いた睡眠に関する本や私が Fitbit で計測した睡眠データから、睡眠の質をチェックするポイントは以下の 3 つに整理しました。

  1. 「覚醒」から「最初の深い睡眠」に入るまでの時間は短いほど良い (30 分以内が目安)
  2. 最初の深い睡眠は 20 分間以上あることが望ましい
  3. 睡眠中の途中覚醒回数は少ない方が良い

1 番が最も重要で、番号順に優先順位は下がります。各項目の詳細と根拠については下記の補足説明をご覧ください。

関連記事:補足:睡眠の質をチェックする3つのポイント(各社の活動量計の睡眠管理機能を徹底レビュー)

睡眠サイクルの比較結果

睡眠ステージの不一致

セルフバンクアプリの代表的な睡眠サイクルの比較結果

上図は代表的な睡眠サイクルの比較結果です。セルフバンクの波形をグレースケールにして、その上に Fitbit のグラフを重ねています。就寝時刻と起床時刻は合わせてあります。

Fitbit は最初の深い睡眠が 6 分間で「決して良くない」睡眠結果だったと判定しています。

セルフバンクも判定としては×になるのですが、最初の深い睡眠が 20 分間以上出ています。またその後も比較的長めの深い睡眠が 2 回出現しています。

このように深い睡眠が何度も出てくれていれば疲労は回復していると思うのですが、残念ながらこの日は起床直後にあくびが出てしまいました。感覚的には Fitbit の方判定の方が自然でした。

セルフバンクアプリで睡眠の判定が逆になった例

上図は判定が逆になった例です。

Fitbit では寝落ち後 30 分以内に深い睡眠が現れ、しかも 20 分間以上ありました。起床後、スッキリ目覚めており矛盾はありませんでした。

一方、セルフバンクでは 4 時間以上深い睡眠が出ていません。

セルフバンクの睡眠サイクルがもし Fitbit で出れば一大事です。夜中 3 時くらいまでベッドの中で眠れずに苦しんでいたことになります。そのようなことは Fitbit を使い始めてから 4 年経っても 1 回か 2 回しかありません。

実際はしっかり眠れているのでセルフバンクの結果を受け入れることはできません。

ちなみに Apple Watch の AutoSleep アプリも同時に走らせ、セルフバンクと同じ心拍数データで解析しました。図の掲載は省略しますが Fitbit と似た傾向のグラフでした。以前のレビュー結果と矛盾はありませんでした。

不自然な睡眠グラフ

上図はセルフバンクアプリの睡眠サイクル画面の抜粋です。

この睡眠サイクルには不自然なことが 2 点あります。

  1. 就寝時刻、起床時刻、画面下の時計目盛り表示がすべて日本時間固定
  2. 深い睡眠が後半に出てくる

就寝時刻、起床時刻は Apple Watch の睡眠記録を取り出していると思うのですが、時差の調整がありません。

つまり海外出張先や旅行先でも現地の時間で睡眠を記録してくれません。 AutoSleep や Vitalbook ではこのようなことは起きません。

また睡眠後半に深い睡眠がガッツリ出ています。医学的な専門的の解説とは異なる現象になっています。

以上のことからレビューを 8 日間で打ち切らせていただきました。

まとめ

有料アプリの AutoSleep, または無料アプリの Vitalbook をおすすめします。

セルフバンク-睡眠記録・分析・改善アプリ
セルフバンク-睡眠記録・分析・改善アプリ
Self Care Technologies, Inc., 無料

【まとめ】iPhone (Apple Watch) 睡眠管理アプリレビュー【比較】ページに戻る

※このレビューは 2022 年 3 月 に行いました。最新アプリではこの記事で書かれた内容と相違があるかもしれません。

※良い睡眠がとれたかどうかは必ずご自身の体調や起床後の気分などでご確認ください。アプリの表示は計測結果を保証するものではありません。

シェア
この記事のカテゴリ:体調管理とガジェットレビュー
この記事のタグ:なし
スポンサーリンク

このブログを書いている人

ダイブツ
twitter: @habatakurikei
元々IT系だけど電気系技術者。20代で博士号を取得するも、全然社会の役に立てないのが不満でブログによる情報発信を開始。あなたに有益な知識やノウハウを理系目線かつ図解でわかりやすく解説するのがモットー。2018年心臓発作であわや過労死寸前。そこからガジェットレビューを通じた体調管理の情報発信も開始。ベルギー在住でシンガポール就労経験もあり、海外転職や海外生活のノウハウも公開中。

私の詳細:プロフィール

このような記事も読まれています

私の心臓発作の原因は脳疲労からくる自律神経失調?

前回、心臓発作が起きたのに心臓の検査の結果問題ないことをお話ししました。では何が原因だったのでしょうか?このままでは「運が悪かった」で済まされてしまい、再発が防げず本当に過労死になってしまう可能性もあります。 私が個人的に調べてみた結果『脳...