睡眠トラッカーおすすめタイプの選び方
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「最近よく眠れない」
「よく眠れた日はすっきりして仕事が捗る」
睡眠は毎日元気に生活していくために必要不可欠な活動です。しかし仕事やお付き合い、子育てなど生活リズムの影響によりどうしてもおろそかになりがちです。
科学技術の進歩のおかげで睡眠についての研究が深まり、さらに日々の睡眠を計測して記録や管理もできるようになりました。
このような睡眠計測機器のことを「睡眠トラッカー」といいます。市場にはたくさんの製品がありどれが自分に合うのかわからない人は多いのではないでしょうか。
この記事では現在市場に出ている睡眠トラッカーをタイプ別に整理しました。どのタイプもすべて購入してレビューし、メリットとデメリットの両方を検討しました。
整理した結果は上図のチャートに示す通りです。どのタイプが自分のライフスタイルに合うのかチェックしてみましょう。
さらに詳しい説明が必要であればこの先の解説もあわせてお読みください。
身体に装着するタイプ
睡眠計測デバイスで最もメジャーなのが身体に装着するタイプです。順番に解説します。
スマートウォッチ・アクティビティトラッカー
いわゆるリストバンド型デバイスです。スマートバンドという呼び方もあり、名称が統一されていません。
大手メーカーからノーブランド品まで市場には製品がたくさん出ています。
はじめは万歩計のようなシンプルな活動の計測から開発がはじまったデバイスです。そのためアクティビティトラッカー(活動量計)とも呼ばれています。
その後、万歩計が進化して心拍数が計測できるようになりました。そして GPS と連動して屋外の活動、特にスポーツの記録もできるようになりました。
このような進化の過程で睡眠も計測できるようになりました。
現在はさらに多機能化しています。異常心拍数の検出、心電図計測、血中酸素濃度測定、電話やメールの着信通知、天気予報、音楽再生、電子マネー支払い機能など進化は目まぐるしいです。
市場に出ている製品が多い分、コストパフォーマンスが一番良いのはこのリストバンド型といって間違いないでしょう。
睡眠計測の精度でいえば、おすすめは Apple Watch と Fitbit のほぼ 2 強状態です。関連記事にて購入したトラッカーの徹底的なレビューをしています。
メリット
- 腕時計の感覚でカジュアルに日々の健康管理ができる。
- 製品が多くファッションの一部として楽しむことができる(ただし睡眠計測の精度にこだわらなければ)。
デメリット
- 腕に装着して寝ることに抵抗がある人もいる。
- 製品によってはバッテリー消費が速くこまめな充電が必要なことも。
指輪型(リング型)
リストバンド型をさらに小さくしたのが指輪型(リング型)です。センサーの小型化と高性能化でここまで小さくできるようになりました。
この記事の執筆時点では製品数が少なく選択肢は限られます。 Oura Ring (オーラリング)のようなスタートアップ企業が頑張っています。
睡眠計測の精度についてはまだ課題が残っています。
私個人はこれまでファッションでも指輪をつけた経験がなく、最初は装着に抵抗感がありました。しかし実際に使ってみるとむしろリストバンド型より快適だったのが正直な感想です。
Fitbit が指輪型デバイスの特許を申請しているという英語ニュースもあります。指輪型のシェア争いがこれから活発化することは十分に考えられます。
指輪だとリストバンドとは違ったファッション性があります。指輪型はリストバンド型と並び広く普及する可能性が高いと考えています。
メリット
- 装着して寝ることへの抵抗感がリストバンド型より少ない。
- ファッションとして腕時計より指輪が好きな人への選択肢を提供している。
デメリット
- 時刻は確認できない。またリストバンド型より機能が少ない。
- 市場に出ている製品が少なく選択肢が限られている。
ヘッドバンド型
睡眠の質の研究は脳波計測からはじまりました。睡眠中の脳の電気信号の違いで「深い睡眠」や「レム睡眠」という状態があることがわかりました。
そのため睡眠の質を正確に計測するのであれば、本来はこのヘッドバンド型の使用をおすすめします。
市場には数が少ないものの、ヘッドバンドやスマートアイマスクといった形で製品がリリースされています。
睡眠の計測精度については、レビューをしても正直わかりませんでした。
そもそも頭に機器を装着して寝ることに抵抗があります。この違和感が本来とれるはずの良質な睡眠を邪魔している感じがあります。
より専門的な団体も頭にセンサーを装着する睡眠機器を提供しています。そのような製品は計測精度は高いはずですが、いまのところ Amazon や楽天などで手軽に購入できません。
リストバンド型が普及している現在、深刻な睡眠障害を抱えていなければあえてヘッドバンド型をおすすめする必要はないかもしれません。
メリット
- 睡眠障害など治療が必要な人へ精度の良い睡眠計測が可能。
デメリット
- 他のタイプよりも装着して寝ることへの違和感が高く普段使いは難しい。
関連記事:Philips SmartSleep vs Fitbit 「睡眠の質」表示比較レビュー
スマートパジャマ(今後)
この記事では取り扱っていませんが、一部のメーカーが大学と共同開発でスマートパジャマをリリースしています。
価格や洗濯、デザイン性といった課題がありまだ手軽に入手できるものではありません。そのためまだレビューをしていません。
今後も注目していきたいと思います。
身体に装着しないタイプ
身体に機器を装着しなくても睡眠状態の計測は原理的に可能です。
スマホアプリ・スマートディスプレイ
睡眠の状態を手っ取り早く計測したいのであれば、スマホアプリを導入しましょう。いまやスマートフォンは持っていない人がいないほど普及しています。
すでに紹介した機器を買わなくてもアプリだけでも睡眠は計測できます。枕元にスマートフォンを置いて寝るだけす。
実際、かなりの精度で睡眠の状態を計測できるアプリはあります。
また睡眠中のいびきを録音して睡眠時無呼吸症候群がどうか調べることができます。アプリが異常を教えてくれれば医師に相談できます。
ただイメージとして、これらのアプリは睡眠の質の計測機器というよりも「いびきを録音して睡眠時無呼吸症候群を見つけるためのサービス」という感じがあるかもしれません。
私自身は枕元にスマートフォンを置いて寝たくないのでこれらのアプリを普段は利用していません。
スマートフォンを枕元に置くと電波が脳に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。そのような懸念はありますが、寝ている間だけ機内モードにして電波を出さなくても睡眠を計測できます。
ただし機内モードにすると睡眠中に通知や連絡はこなくなります。どのような使い方が好きなのかは人によるのでしょう。
似たような形態に「スマートディスプレイ」という製品もあります。
メリット
- すでに持っているスマートフォンにアプリを追加するだけで良く、新たに物を買う必要はない。
- いびきを計測して睡眠時無呼吸症候群かどうか調べるのであればスマホアプリの利用だけで問題ない。
デメリット
- 寝る時にスマホを枕元に置く必要があり、電波の脳への悪影響が懸念される(ただし就寝時だけ機内モードにして睡眠アプリを使うこともできる)。
※スマートディスプレイはレビューしていないためメリットを検討することはできません。
マット型
マット型は布団やマットレスにセンサーを挿入することで、寝ている間の睡眠状態を計測することができます。
いびきを録音して睡眠時無呼吸症候群かどうか調べることもできます。
しかし、ここまで紹介してきたタイプでもすでにできることです。あえてマット型を導入する理由はありますでしょうか?
例えば、入院中の患者さんや寝たきりの人の睡眠を管理するための用途でしょうか。スマホの操作も大変な状態の人の睡眠状態を記録する、といった使い方はあるかもしれません。
機器に電源さえ入っていれば、自動的に睡眠は記録されます。夜眠すぎてリストバンドを装着し忘れて寝てしまい睡眠が記録できなかった、ということは防げるかもしれません。
しかし睡眠を計測しない日中にも機器に電源を入れておくのは省エネの観点から難しいでしょう。結果的に寝る前に電源を入れ忘れて睡眠が記録できなかった、ということはマット型でも起こりえます。
市場に出ている製品も少なく、大手メーカーが生産中止にするなど画期的な活用方法がないのが正直なところです。
メリット
- 入院患者や寝たきりの人のための睡眠計測を提供できる。
デメリット
- 同じことが他のタイプでもできる。
まとめ
たくさん紹介してきましたが、身近なものとして使うことのできるタイプは限られています。
私個人の用途別おすすめタイプを紹介してこの記事のまとめとしましょう。
- とりあえず手軽に睡眠計測をしたい、または睡眠時無呼吸症候群かどうか知りたいだけならスマホアプリで十分。
- 確実に日々の睡眠の質を計測したり管理したいのであればリストバンド型をおすすめ。
- 睡眠計測精度が多少悪くてもファッション性も欲しいのであればリング型をおすすめ。
※この記事は 2022 年 2 月時点の情報をベースに執筆しました。