ベルギー国内の住所変更に伴う滞在許可証の更新方法
この記事は約 6 分で読めます
この記事では私がベルギー国内で引っ越しした際の ID カード(滞在許可証)の住所変更申請手続きを整理します。フローチャートにすると上図のようになります。
ベルギーに移住したときの最初の手続きと比べるとはるかに簡単です。ただ今後同じような経験をされる方のために手続きをまとめておこうと思います。
転出届は不要、転入届でコミューンに行く
ベルギーは日本の住民票のように「転出届 → 転入届」と 2 か所の役所に行く必要はありません。転入先のコミューンにだけ行きます。
まずは “Declaration of Admission” という「転入宣言」をコミューンでします。住所変更の担当窓口の人に「住所の変更に伴い ID カードを更新したい」と伝えましょう。私のケースでは「ゲントからここに住所が変わったので ID カードを更新したい」と英語で伝えて問題ありませんでした。
※住所変更担当の窓口はコミューンよって異なります。
担当のマダムは笑顔で申請書類(転入届)を出してくれました。以下の項目を記入しました。
- 氏名
- 新住所
- 申請人 1 名だけ住所変更なのかどうかチェック(家族がいると手続きが変わるのかな?)
- 日付と署名
必要書類は滞在許可証と賃貸の契約書のみです。賃貸の契約書は実際にはチェックされませんでしたが、持参する方が確実です。警察による住居チェックがあるから書類上のチェックは不要なのかもしれません。
滞在許可証をベースに窓口の人はパソコンであれこれ確認作業や入力作業をしていました。
書類の記入だけだったので 5 分くらいでこの時は終了しました。そして「次は警察による住居チェックがあるから 2 – 3 週間待ってほしい」とのことでした。
警察による住居チェックがいつの間にか終わっていた
ゲントで初めてに滞在許可証を発行したもらうとき、このポリスチェックで 1 か月待ちました(というか 1 か月連絡すらなく、誰も来なかった)。こちらから催促してやっとアポイントが取れた感じでした。
今回も同じなのかな、と 2 週間待ってやっぱり警察は来ませんでした。
2 週間後の週末(土日)は 1 泊で個人旅行、その次の月曜日からは 10 日間の出張が入っていました。「こうなると更新手続きはすんなり終わらないな」とあきらめていました。
ところが、日曜日に個人旅行から戻ってきたら上の図にある確認票がポストに入っていました。なんと週末に警察官が来たようです。
引っ越し直後から「呼び鈴」と「ポスト」には自分の名前を張り付けていました。この状況を警察官が見て OK した可能性が高いです。
マダムの言う通り 2 – 3 週間で来たことになります。きっちりしてくれたのに疑ってしまったことについて謝罪します。それにしても地域によってこうもサービスの質が違うのですね。
再び窓口へ、しかし1回で終わった
ポリスチェックの確認票がポストに入っていて「すぐにでもコミューンに行きたい」と思っていたのですが、次の日から 10 日間出張。コミューンに行ったのは 11 日後でした。もしあなたがポリスチェックの紙を受け取れば、次の日以降にコミューンに行けます。
2 度目のコミューン訪問時に必要なものはこのようになっています。以下の情報はポリスチェックの紙に書かれていたものです。
- 証明写真 1 枚(実際には不要だった)
- 手数料 5 ユーロ(実際には不要だった)
- 滞在許可証
- 滞在許可証の PIN コード
このうち証明写真と 5 ユーロは紙に書かれていましたが実際には不要でした。理由はカードの再発行をしないからです。後ほど説明します。
番号札を取って私の番になった時、ポリスチェックの紙を見せたところすぐに対応してくれました。滞在許可証を窓口のマダムに手渡しし、パソコン上あれこれやること 2 – 3 分。
マダムが戻ってきたら「 ID カードをこのカードリーダーに入れて PIN 番号を入力して」と言われました。言われた通りにし、さらに数分待ちました。
そうしたらマダムは上の図にある紙を渡してくれました。「英語以外の言語は話せる?この書類はオランダ語だけどフランス語がいい?」と英語で聞かれました。
何のことかわからず「オランダ語のままでいい」と回答しました。
さらに私は「これで終了?カードの再発行しないのか?」と質問しました。その答えは「カードの中身の住所を書き換えた。この紙は住所変更したことの証明書だから」と。
思わず私も「そういうことですね。ありがとう。」と言いました。マダムも “Thank you sir.” と丁寧に返してくれました。
このように、住所変更(またはその他のステータス変更)ではカードの再発行はありません。 IC チップの中の情報を書き換えるだけです。私はエンジニアなのですぐに気がつかないといけないのに、こちらの風習に慣れたためか納得に時間がかかりました。
それと同時に「もうこれ以上コミューンに行かなくて済む。手続きは終わった!」と嬉しい気持ちになりました。
補足:窓口での注意
ゲント時代にお世話になったコミューンは出張所でした。小規模だったので窓口が細かく分かれていませんでした。しかし今回お世話になったブリュッセルのコミューンは細分化されていました。
細分化されている場合、正しい窓口に行かないと二度手間になります。
例えば今回、転居宣言時は “Address Change: Desk No.6” でした。そこの窓口の人は「ポリスチェック後の窓口は3番」と親切に教えてくれました。ちなみに “ID Card: Desk 3” です。
しかしポリスチェックの確認票には “Foreigners: Desk 1 or 2” と書かれていました。そこでポリスチェック後にコミューンに行ったとき、試しにまずは3番窓口に行きました。
番号札を取って何分か待ち、自分の番になってポリスチェックの紙を見せたら「これは Desk 1 or 2 だから(以上)」という感じで出直しになりました。もちろん番号札は取り直しです。
このようなことがあるので、紙ベースの情報で行動しましょう。役所の人も悪気があったわけではないのは理解していますが、口頭の情報では往々にこのような間違いが発生します。
ベルギーでは書類手続きでもトラブルが起こります。聞いた情報が正しいかどうかは検証が大切です。
まとめ
ベルギー国内の引っ越しは移住時の手続きと比べればはるかに簡単でした。ただやはり手間はかかるので引っ越しは慎重になさったほうがいいですね。
この記事をまとめましょう。
- コミューンに行ったのはわずか 2 回:転入宣言時とポリスチェック後の ID カードデータ修正
- ポリスチェックは実際に自宅にいなくても完了した。引っ越し時にポストと呼び鈴に自分の名前を貼っておこう。これだけでもチェック OK になることがある。
- カードの再発行はなく証明写真と手数料も不要だった。
まとめページ「ベルギーで就労する人向け移住手続きと現地生活情報まとめ」に戻る
※この記事の内容は 2019 年 11 月時点の情報です。