ベルギーと日本で新型コロナのPCR検査を受ける方法と体験談
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新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミックが 1 年以上続いています。このような状況下では海外渡航は原則自粛です。
それでも渡航する場合は国や航空会社によっては陰性証明書の提出が求められています。またワクチンパスポートの導入も検討されており渡航手続きが複雑になりそうです。
この記事では私が PCR 検査を受けた経験談をお話しします。ベルギーと日本での経験両方とも紹介します。ご参考になれば幸いです。
ブリュッセルでPCR検査が受けられる場所
ブリュッセルでは以下の場所で PCR 検査を受けることができます。
- 街中の特設検査センター
- ブリュッセル空港内にある特設検査センター
- ローカルの病院または日本人向けに開業しているクリニック
ブリュッセルから日本に一時帰国する際に求められる、出国 72 時間前の検査は 2 か 3 で可能です。 3 の場合は厚生労働省指定のフォーマットを持参すれば対応してくれます。
ただしローカルのクリニックですと証明書発行に時間がかかります。ただでさえ制限時間があるのに万が一陽性の結果が出てしまったら出発直前でのスケジュール変更など大変ですよね。
そこで 2 番の空港での検査をお勧めします。有料のエクスプレスサービスを使えば検査後 5 時間前後で結果を PDF で受け取れます。
厚生労働省指定のフォーマットではありませんが、試験方法など厚生労働省が求めている記載事項は満たしていますので陰性証明書は有効です。
※空港の検査が良いという情報は駐在員さんに教えてもらいました。
ベルギー出国前検査の体験談
アポイントをとり決済をしておく
まずは下記のリンクからアポイントをとります。
外部リンク: Brussels Airport COVID-19 Test Center
このリンクにある出国者向けのサービスを選択し、個人情報を入力します。登録と同時に決済も済ませましょう。
当日支払いも可能ですが、先にオンライン決済をしておくと当日優先的に検査を受けさせてくれます。実際私は前の 4 人を抜いて検査させてくれました。
価格は通常対応 (24h 以内に結果が出る) 67 EUR, エクスプレスサービス (6h 以内) は 135 EUR でした。
支払い後、入力したメールアドレス宛に「アポイントをとってください」というリンクが届きます。支払いしてから予約がとれます。
予約日の前日にリマインダーも送ってくれて親切な作りでした。
ちなみにフライトによっては出発直前の検査を要求されるようです。下記のリンクは直前検査向けの登録サイトになります。私のフライトは対象外であり登録できませんでした。
外部リンク: 15-minutes COVID-19 test – EcoCare サービス終了
アポイント当日の行動
アポイントは 30 分間隔の指定なので時間に余裕があります。ただ私は念のため早めに到着しておきました。
この日は日曜日だったので人は多めでチェックインで 5 分ほど待ち、さらに検査まで 10 分以上待ちました。
私のミスで次の日も検査を受けたのですが、月曜日の同じ時間帯はガラガラですぐに受けることができました。
関連記事:新型コロナ状況下でベルギーから日本に一時帰国した方法と体験談
アポイントをとった際にメールで送られてきた QR コードをチェックイン時に見せます。さらに検査前の本人確認時に QR コードを読み取ります。
本人確認が終わると上の写真にある検査キットと用紙を受け取り、プレハブの検査室に向かいます。検査室は最大 8 部屋程度あり、そのうち 2 つが使われていました。
私の番になるまで並び、医師に呼ばれたら入室します。簡単なあいさつを交わして検査キットを用紙を渡してイスに座ります。
鼻に棒を入れるタイプの検査なので「初めての検査か?」、「少しちくちくして不快感があります」と簡単な説明があって検査します。
検査が終わると用紙だけ持ち帰ります。入室から検査終了まで数分です。 5 分もありません。
検査が終わったら出口に向かって終了です。全て一方通行です。
検査結果はPDFなので印刷して携帯
結果は検査を受けてから 5 時間後にメールで受け取りました。陰性証明書の PDF にはロックがかかっています。パスワードは別メールで届きます。
上の図の黄色くハイライトされている部分が厚生労働省によって要求されている項目です。
実際にこの陰性証明書でドイツ国境越えと日本入国ができました。
2021-04-29 時点で公開された、在ベルギー日本大使館の情報を紹介します。
「ブリュッセル空港で実施される PCR 検査結果は日本入国に有効な証明書とみなせる」という厚生労働省の回答があったとのことです。
ただし入国時に円滑な陰性チェックをするために下記の件に協力してほしいとのことです。
- 陰性証明書はプリントアウトして、チェックを求められる項目をマーカーで塗っておく。
- 国籍、性別は陰性証明書の余白に手書きで追加する。
- 陰性証明書の交付年月日も提示を求められる。陰性証明書のPDFが送られてきたメールを見せられるように準備しておこう。
体験談:空港であったこと
私のフライトはドイツ・フランクフルト経由の羽田空港往復でした。
日本入国に必要な 72 時間以内の PCR 検査陰性証明書は何度も提示を求められました。まずはフランクフルト空港の搭乗口カウンターで求められました。
その時、まさかのミスがありました。
陰性証明書には私のパスポート番号ではなく、ベルギーの ID 番号(滞在許可証に書かれている 11 桁のドットとハイフンで区切られた数字)だったのです。
時々、このような大勘違いをやるんです。
ブリュッセル空港での PCR 検査に登録するとき、確かにパスポート番号ではなくて ID 番号登録しちゃったな…。何をどう勘違いしたんだろう。
搭乗口カウンターの人は日本人ではありませんでしたが、細かくチェックしていました。当然ですよね。
指摘を受けたので「パスポート番号を書くべきなのにベルギーの ID 番号が書かれている」と説明しました。
「たぶん大丈夫だと思うが、同僚を呼んで確認するのでもう一度呼ばれるまで待っていてほしい」とその通りにしました。
ものの数分で日本人スタッフさんが来て私の名前が呼ばれました。
すみませんと謝って同じ説明をしました。スタッフさんは「パスポート番号を横に手書きしてくれて大丈夫です」とアドバイスをいただきました。それで手書きしたのが上の写真です。
書類確認が無事終わり搭乗を待っていたら今度は日本語で私の名前を呼ばれました。もう一度カウンターに行くと別の日本人スタッフがいました。
恐らくですが、パスポート番号を書かなかったためにシステム入力に手違いが発生したのでしょう。もちろん問題ありませんでした。
羽田空港に到着後に陰性証明書を提出するのですが、その時は「別の証明書はあるか?」と聞かれました。
これは単純に英語力の問題だったので「何か分からないことはありますか?」と私が逆に聞いて検体検出方法が書かれている場所を教えました。もちろん受理されました。
今は有事です。みんな大変な思いをして仕事をしています。私の勘違いでお手間をとらせて本当にすみません。
日本から海外渡航するためのPCR検査
私はドイツ経由でベルギーに戻ります。ドイツではトランジットでも陰性証明書の提示が求められます。そのため日本でも出国者向けの PCR 検査を受ける必要があります。
日本の PCR 検査は値段がベルギーより高いです。ベルギーではエクスプレスサービスでも 135 EUR (17,550 JPY) でした。しかし東京都内にある検査サービスはいずれもベルギーより高価でした。
この記事の執筆時点で東京都内または空港で対応可能な検査センターのリストを紹介します。
- 浜松町 T ケアクリニック
- 三田国際ビルクリニック
- 大森駅前内科小児科クリニック
- 芝国際クリニック
- 成田国際空港 PCR センター(日本医科大学成田国際空港クリニック)
- 羽田空港第 3 ターミナルクリニック(東邦大学)
- 中部国際空港PCR検査センター(藤田医科大学中部国際空港診療所)
- 関西国際空港クリニック(近畿大学医学部)
2021-12-22 リンク修正しました
私は神奈川県民ですが、神奈川県内で渡航 48 時間前の検査証明書を出してもらえる病院は見つかりませんでした。 PCR 検査自体はできるのですが、検査結果が出るのに 48 – 72 時間かかるサービスばかりでした。それでは遅すぎます。
このときは一番確実な羽田空港の第 3 ターミナルクリニックで PCR 検査を受けました。
上の写真は特設の PCR 試験センターです。通常のクリニックの受付の横にある専用窓口で受け付けてくれます。事前に Web で予約をしてアポイントをとります。
検査当日に持参するものはこれだけです。
- 予約画面(受付番号を参照するため)
- 問診表(予約時にフォーマットを入手して記入)
- 同意書(予約時にフォーマットを入手して記入)
- パスポート
団体客はいましたが、 10 分も待ちませんでした。 13:30 開始のアポイントで 13:45 には検査は終わりました。
問診表などの資料が入ったクリアファイルを受付で受け取ります。そして医師と簡単な面談をします。
この時私は扁桃腺が腫れていたため、正直にのどの痛みを申告しました。事情を説明して体温を計測したところ問題ありませんでした。
次に唾液を取り出すエリアに行きます。再度クリアファイルを担当者にわたして検査内容を確認します。そして日本入国時にやった唾液採取と同じ細長い透明の容器を受け取り、採取場に行きます。
この日は唾液がうまく出ませんでしたが、規定量のラインまで一応出して「これでいいのかな?」と止まっていました。しかし後ろに立っていた男性(医師?)が「その量で大丈夫です」とアドバイスしてくれました。
検体の容器をキャップして手を消毒し、検体を提出しました。そして再度クリアファイルを受け取り「お会計をお願いします」と言われて終わりました。あっけなかったです。
この PCR 検査は保険適用外の自費です。 38,500 円でした。クレジットカードで支払いました。
検査から 4 時間後、結果速報の通知をメールで受け取りました。専用サイトにログインすると、結果画面には陰性と表示されていました。
検査証明書は当日も受け取れますが、次の日の朝早く再度羽田空港まで行き受け取りに行きました。検査時にもらった引換券とパスポートを持参します。引換券だけではダメです。
この証明書を PDF でもらえれば良いのですが、紙のみです。ほとんどの人は出発直前に検査するのでしょう。その場で紙でもらう方がいいのかもしれません。
ベルギー戻り後の検査
ベルギー到着日と 7 日目に PCR 検査を受けて、かつ 7 日間の自主隔離が求められる可能性があります。
ブリュッセルには何カ所も街中で PCR 検査が受けられます。下記のリンクが一番便利でしょう。
外部リンク: Test COVID-19 Brussel – TestCovid in Brussel
まだベルギーに戻っていないため私のケースはどうなるかわかりません。結果がわかり次第内容を更新します。
2021-05-24 追記:ベルギー入国時に隔離と PCR 検査を要求されませんでした。そのため街中の検査は受けていません。
まとめ
感染拡大防止のためとはいえ PCR 検査をちょっとやりすぎな感じもあります。しかし有事なので仕方がありません。
検査費用も安くはないので一時帰国や海外渡航の際にはお気を付けください。
この記事をまとめましょう。
- 日本入国に求められる PCR 検査をベルギーで受けるには空港がおすすめ。エクスプレスサービスを使えば 5 時間前後で結果が出る。アポイントが必要。
- 日本国内にも海外渡航向けに英語で陰性証明書を出してくれる検査サービスがある。ただしベルギーで受けるよりも値段が高い。
- ベルギーに戻ってからも PCR 検査を受ける可能性がある。街中のテストセンターで受けられるはず。
※この体験談は 2021 年 4 月から 5 月までの内容を整理しました。最新情報は必ず政府公式情報をご確認ください。