ベルギーの健康保険を使って歯科検診を受ける方法と還付額
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ベルギーで就労するには相互扶助サービスに加入することが義務付けられています。相互扶助サービスとは日本の国民健康保険(または社会保険)に相当するものです。
このサービスに対して毎月いくらか支払うことで、病院にかかった際の医療費をキャッシュバック(還付、つまり払い戻し)してもらうことができます。
この記事では歯科治療もしくは歯科検診で保険を適用する際の書類手続きや私の体験談を整理しました。
海外で治療を受けるのは大変ですが、歯の健康維持のためにもぜひとも保険は検討すべきです。
ベルギーの歯の治療と保険の関係
歯科治療で保険を適用するにはオプションに加入する必要がある
相互扶助サービスですが、基本プランには「歯科治療」と「入院」は含まれていません。
業者によって提供しているプランは違うと思いますが、少なくとも私が加入している Partena は歯科と入院はオプションで別となっています。
新型コロナでテレワークが始まってから、どうしても甘いものやポテトチップスを食べる機会が増えてしまいました。
そして歯科オプションなしで歯科検診を受けてみたところ、虫歯が見つかり治療に 10 万円前後かかってしまいました。もちろん全額自己負担でした。
この苦いきっかけから、相互扶助サービスを見直しました。そして歯科オプションと入院オプションを追加しました。
オプション加入後半年から歯科治療費が還付対象になる
私が加入している相互扶助サービスでは “Dentalia Plus” というサービス名で歯科オプションが提供されています。
外部リンク:Dental insurance Dentalia Plus | helan (オランダ語)
このサービスは大まかにこのようになっています。
- 年間最大で € 1,250 ユーロの還付が可能(ただし初年度は € 350 まで)
- 一般デンタルケア、詰め物、インプラント、歯科矯正、歯周病治療に対応
- 64 歳まで加入可能
普通にベルギー就労している人であれば十分なサポートだと思います。
このプランに加入後、最低 6 か月はまず支払いをします。その間は費用請求できません。
私の場合、毎月の支払額は € 10.38 でした。
加入 6 か月後から検診や治療を受けることができます。矯正の場合は 12 か月加入しないと還付対象になりません。
検診など予防的な処置については全額還付されます。
治療が必要な場合、前年度に検診を受けていれば 80 %, していない場合は 50 % が還付されます。
相互扶助業者側の考え方としては、年一回定期健診をうけてできるだけ治療を受けないように推奨しているのでしょう。
定期歯科健診体験談
ブリュッセルの歯科医院にて定期健診をうけました。自分の体験談をお話しします。
英語が通じる歯科医師を紹介してもらった
私はフランス語もオランダ語も話せません。そのためローカル生活の長い日本人から英語の通じる歯科医師を紹介していただきました。
日本語で対応してくれる医師もいます。しかしそういう医院は総じて高額です。
ブリュッセルのある医院は駐在員相手の商売なので「どうせ会社負担でしょ?」といった感じがしました。
今回利用した別の歯科医院のアポイントは電話のみでした。ある日の午前中に電話したら「後でかけなおすので名前と電話番号を教えてくれ」とのことでした。
その通りにしたら、 同じ日の 17:30 ごろに折り返しの電話がありました。そして予約が無事にとれました。
専用書類を印刷して持参する
歯科オプション加入時に業者から上図のフォームを紙と PDF の両方で受け取りました。
このフォームの名前はオランダ語で “Tegemoetkomingsaanvraag”, フランス語で “Demande d’intervention” です。 日本語で「費用請求用紙」でしょうか。
この紙を診察当日は印刷して持参しましょう。相互扶助業者からもらっているシールも忘れずに持参しましょう。
上図にあるように、歯科医師が何をしたのか診察後に記入してくれます。この紙とレシートの両方を費用還付申請に使います。
検査だけでなく歯石除去とフッ素塗布をしてくれた
当日、約束の時間に行くと前の人の治療中でした。
自分の番になって診察室に入ると、医師が一人だけでした。事務員さんも助手も歯科衛生士もおらず一人で業務していました。だから予約の電話も折り返したのでした。
全部英語で対応してくれて助かりました。
歯を一本ずつざっとみていき「大丈夫そうだけど、歯石を除去してもう一度チェックするよ」と言いその通りにしました。
日本と同じで「痛かったら我慢せず左手を上げてほしい」とケアしてくれました。
歯石を除去し、フッ素を塗ってくれました。そして「特に異常は見つからなかった」と一言。ホッとしました。
最後に「レントゲンはあるか?」と聞かれました。この部分だけ一瞬英語が聞き取れませんでした。
前年に別の医院で撮影したのをなんとなく覚えていました。「入手可能であれば送ってほしい」とのことでした。でも前回利用した歯科医院に連絡するのはトラブルになりそうな気がしたので何もしていません。
おそらく次回の検診時に撮影するかもしれません。それでも問題ないです。
以上、歯の健康状態のチェック、歯石除去とフッ素塗布で合計 30 分、費用は € 85 でした。
支払額が全額還付された
費用請求用紙とレシートにそれぞれ 1 枚ずつ業者のシールを貼るように歯科医師から指示されてその通りにしました。
帰宅後、白い封筒に費用請求用紙とレシートの両方を入れました。休日にブリュッセル中心部にある相互扶助業者の事務所のポストに投函しました。
4 日後にメールが届きました。内容は「費用請求処理に成功しました。金額が還付されるまで約 2 週間かかります」でした。
そして振り込みの 3 日前に PDF で書類が届きました。上図のキャプチャによると、保険の基本プランの適用で € 46, 歯科オプション適用で € 39, 全 € 85 が還付されるとのことでした。
メールがきてから 12 日後に入金がありました。
このように還付手続きは通常の病院にかかったケースと同じです。
まとめ
虫歯を放っておくことはできないので高い授業料を払いました。
検診は年一回ですが保険のオプションに入っておくことで防げる病気があるのであれば安いと思います。
この記事をまとめましょう。
- ベルギーで歯科治療に保険を適用するには相互扶助サービスのオプション加入が必要。基本プランには含まれていない。
- オプション加入後 6 か月経過してから治療や検診の還付が受け付けられる。
- 予防や検診については支払額が全額還付される。業者から受け取った費用請求用紙とステッカーを診察時に持参しよう。
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※この記事は 2021 年 8 月時点の情報を基に作成しました。