ベルギーでかかった医療費、還付方法と還付金額の例

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異国の地で診察を受けるのは私にとっては勇気のいる行動です。ただ健康あっての生活ですし、幸いにも英語と日本語で対応してくれたため私は乗り越えることができました。

この記事では私がベルギーで受けた医療サービスの費用と健康保険による自己負担率について紹介します。医療費は急な出費になることもあり、心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでご紹介するのは風邪の診察ではなく、心疾患の診察という特殊なケースです。ただこういった事例から他の病気のケースを推測できるかもしれません。お恥ずかしいですがお役に立てれば幸いです。

救急病院と専門医による心臓の検査診察代

保険負担額と自己負担額があらかじめ割り振られて請求された

下の表は2回分の診察代が1度に請求された例です。2回分のうちの1回は私が救急搬送された先の救急病院で受けた診察代、もう1回はその翌日に心臓の専門医で受けた診察代です。救急車の費用は別で請求されたため、下の表には含まれていません。

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医療費(オランダ語の請求書を翻訳)
内容保険負担額[€]自己負担額[€]自己負担補足額[€]
保険による全額負担67.91
救急病院の医療費心臓の検査一式22.8912.96
胸部レントゲン(最小2回撮影)13.441.83
問診など36.924.54
心臓専門医の医療費心臓超音波検査(心エコー)60.512.48
EKG(心電図)15.472.72
自転車エルゴメーター法28.395.01
RPL認定心臓専門医による診察38.1110.00
小計245.5367.6510.00
合計323.18

この2回でトータルの請求額は323.18ユーロでした。この金額が「保険負担分」と「自己負担分」に分かれます。上から順番に見ていきましょう。

「保険による全額負担」という項目は、まさしく保険で負担してくれた金額で自己負担はありません(そのため自己負担欄は空白になっている)。ただどの項目に対して何割保険負担としてくれたのか、説明はありませんでした。

また、表の右には「自己負担補足額」という項目があります。原語のオランダ語は英語と同じsupplementでした。請求書の説明を見ると、この項目は「医療の提供者が合計金額に上乗せできる」項目です。それ以上の説明はないため推測になりますが「チップ」のような扱いかもしれません。

後ほど説明しますが、医療制度自体は日本と似ていますが料金体系の考え方は違いますね。

自己負担率は日本のように一律ではない

この表から、私の支払額は67.65+10.00=77.65ユーロでした。トータルの請求額323.18ユーロに対する私の負担率は24%でした。日本の健康保険制度では自己負担は30%なので、ベルギーの自己負担率は低いですね。

ただしベルギーの制度は複雑です。日本の健康保険による自己負担率は一律30%ですが、ベルギーでは内容によって負担率は異なります。例えば以前に紹介した救急車の費用は半額(50%)自己負担です。また歯科治療は20%、歯科矯正は40%、予防に関する費用は0%の自己負担となっています。

外部リンク:Dental insurance(私が利用している相互扶助サービスPartenaによる歯科治療での還付金額の解説)

後ほど説明しますが、私が支払った77.65ユーロからさらに還付があり自己負担率はさらに下がりました。話が複雑になるため、まずは請求書通りの支払額と負担額を説明させていただきました。

医療行為や検査内容は細分化されている

次に各診療項目を見ていきましょう。

日本では点数(1点10円)という形で医療行為や検査内容によって価格が決まっています。健康保険が適用できない手術などは病院(医師)の提示する費用となりますが、健康保険の適用できるものについてはどこの病院でサービスを受けても同じ価格になります。

外部リンク:診療報酬 – Wikipedia(日本の保険診療に関する制度)

ベルギーも診療項目は日本と同じように細分化・明文化されていました。しかし料金については日本と少し異なるようです(筆者の独自調査による)。

請求書の各診療項目にはベルギーの制度で決められた6桁のコードが割り振られていました(例えば心電図は475075など)。先ほど紹介した表をオランダ語から英語に翻訳した際、どうしても意味の分からない請求項目がありました。それらの項目はこの6桁のコードでGoogle検索することで請求内容を理解することができました。

ただし、私の見つけた表は部分的な項目しか掲載されておらず、また日本のように各医療行為に対する点数(価格)までは書かれていませんでした。請求書には補足として以下の3種類の費用体系があると書かれていました。

  • 同意によって価格の決められた項目(C)
  • 一定期間のみ価格の決められた項目(PC)
  • 決められた価格に拘束されない項目(NC)

日本のように点数で価格の決まる項目が、ベルギーのCに該当するのでしょう。PCは今回出てこなかったためわかりませんが、例えば医療機器のレンタルなどで日割りの費用が発生する項目だと思われます。NCは決められた価格はあるものの、医療従事者側で値段を決められるようです。

今回の請求にてCだったのは救急病院の医療費の「問診」と「心臓検査一式」だけでした。残りは「NC」だったため、病院側の裁量で価格が決められたのかもしれません。

下記のリンクの内容を読むと、確かに医師や治療方針によって医療費は異なると書かれていました。

外部リンク:Healthcare costs | Belgium.be(英語によるベルギーの医療費について)

ここまでをまとめると、ベルギーの医療制度は日本とシンガポールの制度の混合なのかもしれません。

私はシンガポールで働いていたころ歯の治療を現地で受けましたが、10万円ほどの治療費が全額自己負担でした。シンガポールはアメリカとおなじ自由診療なので、一回診察を受けると数万円の負担は覚悟しないといけません。入院しようものなら大変なことになります。

一方ベルギーには保険制度はあるものの、病院で価格を決められる部分があるので完全な自由診療ではありません。でも保険で自己負担額を下げることができるので、何とも複雑な制度だと感じました。

後日さらに支払額の一部が還付できた

この請求書は郵送で送られてきました。開けてみると請求書の他に別の紙が一枚入っていました。私は何のことかわからず、ベルギー在住歴の長い日本人の同僚にこの紙のことを尋ねてみました。

同僚の回答は「契約している相互扶助サービスに送ると一部の支払額が戻ってくる」でした。私は言われた通りに手続きしたら、確かに後日還付されました。

これはどういうことかというと、最初に掲載した表の保険負担分と自己負担分が異なるということです。この還付金額分は保険負担なので、表を修正するとこのようになります。赤字部分が修正されました。

医療費(自己負担額の最終計算結果)
内容保険負担額[€]自己負担額[€]自己負担補足額[€]
保険による全額負担67.91
救急病院の医療費心臓の検査一式22.8912.96
胸部レントゲン(最小2回撮影)13.441.83
問診など36.924.54
心臓専門医の医療費心臓超音波検査(心エコー)60.512.48
EKG(心電図)15.472.72
自転車エルゴメーター法28.395.01
RPL認定心臓専門医による診察26.1112.0010.00
小計271.6441.5410.00
合計323.18
比率84%16%

その紙に書かれていた金額は38.11ユーロの「心臓専門医による診察」部分でした。この部分が表の赤字に示すように「保険負担額26.11+自己負担額12.00ユーロ」に分かれる、とその紙には書かれていました。実際、還付手続き後に26.11ユーロが戻ってきました。

以上を整理すると、最終的な自己負担額は41.54ユーロでした。自己負担比率は24%→16%に下がるという結果になりました。これだけの検査をやってもらったのに、16%という負担率は助かります。

ただ忘れてはいけないのは、毎月のお給料から税金や社会保障がガッツリ源泉徴収されていることです。こういう負担が大きいからこそ、いざというときの負担が少なくて済むのですね。

現地の日本人医師の診察でも金額は同じ?

次に、ベルギー在住の日本人医師の診察を受けたときの費用を解説します。

関連記事:私の心臓発作の原因は血管迷走神経反射性失神だった?(診察してもらった時のおはなし)

診察内容は問診、心電図、血圧測定、薬の処方くらいです。請求額は60ユーロで、詳細な請求項目はありませんでした。ただ最初に掲載した表の心臓専門医の請求金額から推測すると、以下に示す金額になります。

  • 問診:38.11ユーロ
  • 心電図:18.19ユーロ
  • 2項目の計:56.30ユーロ(保険負担額と自己負担額の合計)

この2項目だけだと実際に請求された金額の60ユーロに近いですね。先に解説したように、問診と心電図はNCなので病院によって価格を決めることができます。そのため実際の請求額は上記の箇条書きとは異なると考えるのが自然です。

後日この60ユーロの支払いに対して還付手続きをしたところ、26.11ユーロが戻ってきました。還付金額26.11ユーロって、既に解説した心臓専門医の38.11ユーロに対する還付金額と同じですね。つまり、問診についてはNCでありながら2回とも38.11ユーロと同額だった可能性が高いです。

もしそうだとすると、請求額の60ユーロから38.11を引いた残りの21.89ユーロが心電図、血圧測定、薬の処方だったのでしょう。いずれにしても法外な金額を請求されなかったことは確かです。

以上、この2回分の請求を比較すると、病院による価格には大きな差はないと思われます。手術とかを除く通常の診察では、ベルギー国内ではどこで治療をしてもほぼ同じ値段で治療を受けられそうです。

相互扶助サービスによる還付方法と還付金額

この部分は救急車の費用還付したときの手続きと重複になります。

ベルギー在住であればベルギー国内の相互扶助サービスを利用して還付ができます。日本から旅行ベースで来られた場合は海外旅行保険が適用できると思いますので、加入したサービスに問い合わせ願います。

ベルギーの健康保険に相当する相互扶助サービス(mutual)の概略については、以前の記事にて紹介させていただきました。併せてご覧いただければと思います。

関連記事:ベルギーの健康保険サービスとフランダースの社会保障

今回ご紹介した2つのケースでは還付手続きも異なりました。それぞれこのような手順となりました。

【救急診療費の還付手続き】

  1. 請求書を受け取ったらまず支払う(私はネットバンク経由で支払い)
  2. 加入している相互扶助サービスが発行した「会員番号のステッカー」を、請求書に同封されていた還付手続きの用紙に貼る(貼付場所の指定は無かったため余白部分に貼付)
  3. ステッカー貼り付け済みの用紙を相互扶助サービスに送る

この手続きにより、38.11ユーロのうち26.11ユーロが還付されました。

【日本人医師の診察費還付手続き】

  1. 診察終了時に請求額を支払い、かつ「会員番号のステッカー」を2枚医師に渡す(診察時にステッカーを持参する必要がある)
  2. 領収書を受け取る(渡したステッカーのうち1枚は医師が領収書に貼る)
  3. ステッカー貼付済みの領収書を相互扶助サービスに送る

この手続きにより、60.00ユーロのうち26.11ユーロが還付されました。

私が加入しているPartenaは市販の白い封筒に請求書を入れても良いのですが、他業者では専用の封筒でしか受け付けないそうです。また、郵送でしか受け付けないところもあれば、最寄りのサービス窓口のポストに投函すれば良いなど、加入しているサービスにより手続きは多少異なります。

領収書を市販の封筒に入れて相互扶助サービスのポストに投函する(イメージ)

前回の救急車の費用はポストに投函してから11営業日後に還付されました。今回の2件はポストに投函後5営業日で戻ってきました。いずれも指定の銀行口座に振り込まれました。

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。医療費は正しい手続きをすれば還付されます。言葉の問題で病院に行くことを躊躇されるかもしれませんが、健康第一ですので風邪のような病気でも病院に行かれることをお勧めします。

この記事の内容をまとめましょう。

  • ベルギーの医療行為や検査内容は日本のように細分化・明文化されている
  • 医療費は病院(医師)によって異なるが、大きな差はなさそう
  • 自己負担率は日本より低い傾向にあるので、還付手続きをして負担額を減らそう

※この解説は私が実際にベルギーで医療サービスを受けた時の内容です。地域や病院(医師)により料金体系や利用方法が異なることがあります。

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