ベルギーで就労した際の給料明細の見方と税金・社会保障

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ベルギーで就労して 3 か月が経ちますが、給料明細を見て毎回シンガポール時代を懐かしみます。なぜならベルギーの税金と社会保障にかかるお金の高さが桁違いだからです。

今回の記事ではベルギーでの給料明細と社会保障・税金の内容をシェアします。これからベルギー(またはヨーロッパ)で働きたい方の参考になれば幸いです。

給与額の内訳を図表にまとめると

給料明細の例と手取り比率の計算例
給料明細の例と手取り比率の計算例

上図に給料明細の例と手取り額の比率を計算した例を示します。ベルギーの場合給料明細の原文はフランス語かオランダ語なので、 Google 翻訳で日本語にしてまとめてみました。

図を見ると、社会保障と税金で約 4 割近くが源泉徴収として引かれています(シンガポールでは源泉徴収が無いため、税込み額がそのまま振り込まれる)。

各項目を解説しましょう。

最初に引かれる社会保障は複雑

社会保障として13.07%が引かれる

社会保障は税金控除の対象のため、税込み額から最初に引かれます。この額は総額の 13.07 % で O.N.S.S. に支払われます(年金、医療保険、労働者災害保険、雇用保険などに使われます)。

外部リンク:National Social Security Office(フランス語)

この 13.07 % は結構な負担ですが、個人だけでなく会社側も支払っています。

会社側は従業員一人あたりにつき、税込み給与の 32.5 % を別途支払っているとのことです。しかし、この額は会社の規模によっても異なりますし、 2016 年 4 月に施行された法律によって実際は引き下げられているものと思われます。

ただし、駐在員さんなど数年しか滞在しないのであれば、この制度は適用されません。ただ私は駐在ではないので、これ以上詳しいことはわかりません。

ベルギーの社会保障は日本の年金加入期間に加算可能

ちなみに、日本とベルギーには「社会保障協定」が結ばれています。これは何かというと、ベルギーで支払った年金も「日本の年金」として支払ったことにできる制度です。ベルギーで働いて支払えば、日本で支払う必要はありません(二重に支払う必要がありません)。

外部リンク:外務省 – 社会保障に関する日本国とベルギー王国との間の協定

外部リンク:日本年金機構 – 社会保障協定

私は学生(大学院生)時代が長く日本の社会人経験も少ないため、恥ずかしながら 36 歳にして日本の年金の最低加入期間の 10 年分がまだ満たしていません。ただ今後ベルギーの給料から支払い続けてこの制度を利用すれば、日本の年金受給資格も得られることになります。

そのため、ベルギーの給料明細書、労働許可証、滞在許可証 (ID カード)などは必ず電子データとして保管・保存しておきましょう。その記録で「ベルギーで就労して年金を払っていた」裏付けをとれば、日本の年金を申し込む際に役に立つでしょう (30 年後に年金制度自体がどうなっているかはわかりませんが)。

社会保障には特別徴収がある

次の項目は「特別社会保障」です。 1994 年 4 月 1 日から適用された法律によるらしいのですが、詳細はフランス語かオランダ語しかなく翻訳してもわかりませんでした。この内容については下記リンクから引用します。

2018-03-20 追記:リンク先のページは無くなったため、こちらのリンクも削除しました。

この金額は「税込み月収 × 配偶者の有無」の組み合わせで決まります。上のリンクの計算式からすると、独身で上記の月収 (2,888 ユーロ)の場合は以下の計算式になります。

特別徴収額 [€] = 18.60 + (税込み月収 – 2190.18) × 0.011

注意 1 :式中の 0.011 は 1.1 % を意味する
注意 2 :計算結果の小数点第 3 位は四捨五入して小数点以下は2桁とする

実際に「税込み月収 = 2,888 ユーロ」とした場合、特別徴収額は上の計算式通り26.28ユーロになり図と一致します。

この金額には上限があります。配偶者ありの場合は独身より安くて最大 51.64 ユーロ、独身の場合でも最大 60.94 ユーロです。しかし、この税は配偶者の有無にかかわらず毎月徴収されます。

低所得者にはこの徴収は適用されません。

所得税などは社会保障の徴収後に引かれる

社会保障で二回引かれた後、残った額からさらに税金が引かれます。

この例では 22.2 % 引かれました。ベルギーは累進課税なので、この額は年収を想定して決定していると思われます。また、国税と市税の両方が適用されるのですが、今の私のフランス語/オランダ語力ではこれ以上の調査ができませんでした。

ベルギーでは給料計算を sdworx という外注に任せるケースが多いそうです。それだけ計算が複雑なのかもしれません。

外部リンク:Belgium Tax Calculator(年収から税金と手取り額を概算するウェブツール)

この税制も、数年しか滞在しない駐在員さんの場合は異なるようです。ただ私は駐在ではないので、これ以上詳しいことはわかりません。

ボーナスについてはまだもらっていないため、この記事では省略させていただきます。

通勤手当は一応出る

通勤手当は税引き後の額に追加されます。自宅から職場までの距離 [km] に応じて出る額が違います(この額も sdworx が計算する)。そこまでは日本と同じですね。

しかし、このケースでは全額は出ていません。例えばひと月に 20 日出勤したとすると、往復のバス通勤で月に 60 ユーロ必要になります (1 回乗車 1.5 ユーロで往復 3 ユーロ/日、 3 × 20 日なので 60 ユーロ/月)。この例では 22.3 ユーロしか出てないため、半分も支給されていないことになります。シャレにならないですが、法律に基づいて計算されているはずなので仕方ありません。

では通勤費をどうやって減らすか?ここで定期券の登場です。私の住むベルギーのフランダース地方では De Lijn というバス・トラム会社の定期券があります。この会社の年間定期を契約することで、毎月 25.5 ユーロの負担(通勤手当の 22.3 ユーロで 87 % の支払いが可能)で乗り放題になります。この定期券は土日祝日も使えるので、プライベートでもバス・トラムが乗り放題です。このように定期券を購入すれば、通勤手当は全額負担でなくても納得できます。

関連記事:ベルギーの公共交通会社De Lijnの定期券の購入方法

以上のことから、ベルギーで就労されるのであれば職場の近くに住まれることをお勧めします。駐在員さんは車通勤ですが、ガソリン代などの出費は毎月の通勤手当では賄いきれないようです。

自転車で通勤した場合の手当もあるようですが、私は自転車(車も)を持ちたくないので利用していません。またベルギー国鉄も利用していないため、国鉄利用時の計算方法もこの記事では扱いません。ご了承ください。

まとめ

以上、文章中心の記事になってしまいましたが、今の自分のわかる範囲でまとめました。ポイントはこのようになります。

  • 毎月の給料の手取り額は税込み額の約 6 割になる
  • 社会保障の源泉徴収額は「日本の年金の支払い」とみなせる
  • 通勤手当は決して高くないので定期券購入などで通勤費を抑えるか、職場近くに住むのがおすすめ

今後は税金の仕組みついても調査します。ベルギーではサラリーマンでも個人で確定申告しなければいけないため、税制について自分で学習しておいた方が良いためです。

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※この記事は 2017 年 10 月時点の情報を基に作成しました。ここでご紹介した計算はあくまでも例です。

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このブログを書いている人

ダイブツ
twitter: @habatakurikei
元々IT系だけど電気系技術者。20代で博士号を取得するも、全然社会の役に立てないのが不満でブログによる情報発信を開始。あなたに有益な知識やノウハウを理系目線かつ図解でわかりやすく解説するのがモットー。2018年心臓発作であわや過労死寸前。そこからガジェットレビューを通じた体調管理の情報発信も開始。ベルギー在住でシンガポール就労経験もあり、海外転職や海外生活のノウハウも公開中。

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