Fitbit x FibriCheck 不整脈検知アプリレビュー

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Fitbit FibriCheck アプリで脈に異常はなかった結果

Apple Watch で心電図が計測できるようになってから、スマートウォッチ(アクティビティトラッカー)には多くの生体情報を計測する機能が搭載され始めました。

しかし Apple Watch は比較的高価であることと、 iPhone ユーザーに限定されてしまうといった制限があります。

この記事では比較的安価なトラッカーである Fitbit と連携して心臓の状態をチェックするサービス FibriCheck (フィブリチェック)をレビューします。

注意:この記事の執筆時点にて日本では非対応のサービスです。将来的にこのようなサービスが普及し多くの患者さんを救ってほしいという想いから記事にしました。

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FibriCheck とは何か

不整脈を検知して専門家のフォローが得られるサービス

FibriCheck 公式ウェブサイト

FibriCheck は心拍数の計測から心房細動 (AFib) や不規則な心拍といった不整脈 (arrhythmias) を検知するアプリです。

不規則な心拍は脳卒中や他の心疾患につながる重要な生体情報です。

追加サービスに申し込むことで検知だけでなく専門家のアドバイスを受けることもできます。

Apple Watch や FibriCheck は、これまで病院でしかできなかった精密検査をより身近にするものです。

欧米ではスマートウォッチと医療機関の連携が日本より進んでおり、多くの患者さんを救うため日々開発が進んでいます。

ちなみにこのアプリとサービスはベルギーの Qompium という会社が提供しています。日本庭園があるハッセルトという街にあります。

ハッセルトの日本庭園は何度も行ったことがあり、ベルギー在住者として少し親近感が湧きました。

欧州でのサービス展開だけあり、言語は英語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、デンマーク語に対応しています。

イギリスでは日本の第一三共株式会社の英国法人 (Daiichi Sankyo UK Ltd) がサポートしているようです。しかし日本ではサポートされていません。

最初はスマホカメラアプリ、拡張して Fitbit に対応

FibriCheck スマホアプリ利用イメージ

FibriCheck はスマホアプリから事業を始めています。上図にあるようにスマホのカメラに指を当て、ライトをつけた状態で脈をチェックするアプリです。

このアプリが拡張され、アクティビティトラッカーで同様のことができないか?調査と実験をやりました。その結果、 Fitbit のデバイスで現在サービスを受けることができます。

すべての Fitbit 製品に対応しているのではありません。下記のモデルが対応しています。

  1. Ionic
  2. Versa
  3. Versa 2
  4. Versa Lite

Fitbit 以外にも Samsung Galaxy Watch 3, Galaxy Watch Active 2 も対応しているとのことです。

外部リンク:FibriCheck on Fitbit – Check your heart rhythm on your smartwatch

当局から認証が得られているサービス

FibriCheck は欧州の CE マーキングと米国 FDA の認証を受けています。

日本で例えるならば「厚生労働省が認可したサービス」になります。一般家庭に普及するために医学的な信頼性をある程度担保しています。

ただしアプリが提供する分析は診断結果ではなく、あくまでも何かあったときにすぐに専門家や医師のケアを受けられるようにするものです。ご注意ください。

FibriCheck の使い方

実際にレビューするためフリートライアル版を使ってみました。どのようなサービスかさらに詳しく解説します。

FibriCheck アカウント作成

AndroidスマーフォンにFibriCheckアプリをインストール

まずはスマホアプリをダウンロードする必要があります。上図は Android の例ですが、 iPhone でも同じはずです。

そして FibriCheck のアカウントを新規に作る必要があります。手間ですが作りました。

アカウント作成後、無料トライアルか有料サービスを申し込むか選択します。

無料トライアルは申し込みから 24 時間有効です。

有料サービスは月額のサブスクリプションサービスです。サービス内容は後述します。

カメラアプリの場合:スマホアプリで計測

スマホアプリで不整脈をチェックする方法

スマホアプリで心拍規則を計測する場合です。

アプリのメイン画面にある “start” をタップすると「指をカメラに当ててください」と表示されます(画像は省略)。

計測は 60 秒間です。計測が始まると上図左に示すようにカウントダウンと心拍数、脈の波形が表示されます。

計測が終了するとアンケート画面に移行します。

計測中に具合が悪かったか、何か症状はあったか、計測中はどのような体勢だったか選択します。上図は「自覚症状なし」、「座った状態で計測した」を選択しました。

アンケートを保存すると計測終了です。画面の “OK” をタップするとアプリはメイン画面に戻ります。

無料期間またはサービス加入中は何度も計測でき、かつ結果もすぐに分析されます。

Fitbitの場合:アプリ内のストアからインストールして計測

FitbitアプリストアでFibriCheckをインストール

Fitbit で計測する場合はスマホアプリだけでなく Fitbit アプリが追加で必要になります。

上図に示すようにスマホの Fitbit アプリからアプリ内ストアに移動します。

そこで FibriCheck を調べるとアプリが出てきたのでインストールしました。

Fitbitアプリで不整脈をチェックする方法

Fitbit の時計画面から FibriCheck アプリを探してタップします。

Bluetooth をあらかじめ ON にして Fitbit アプリと連携している必要があります。 Bluetooth に問題がなければ上図に示すように計測開始画面が表示されます。

“MEASURE” をタップすると計測が始まります。計測時間はスマホアプリと同じで 60 秒です。

60 秒間安静にしている必要があります。ただし心電図の計測ではないので両手がふさがることはありません。

計測終了後、自覚症状はないか、どの姿勢で計測していたかアンケートを時計の画面から入力して計測終了です。

信号強度不足で計測できなかった例

計測に問題なければこの記事の冒頭にあるような緑の画面に “REGULAR” と表示されます。

上図は信号の取り込みが不十分で「計測不可」だった例です。心臓の異常ではなく「データが十分ではなく判定できない」というメッセージです。

生体信号を正しくキャッチするために計測中は安静にしている必要があります。

計測ごとのレポートの確認

脈拍チェックレポート一覧

計測結果はアプリから確認できます。メイン画面から “Reports” をタップすると計測結果の一覧が表示されます。

一覧からひとつをタップすると詳細画面になります。判定結果(診断結果ではない)と心拍数が表示されています。

画面内にある “Request review” は専門家に計測結果の詳しい調査を依頼することができます。有料サービスの加入が必要です。

結果の画面をスワイプすると “Generate report” というボタンがあります。タップすると計測の詳細を PDF にすることができます。

脈拍チェックのPDFレポートの生成

PDF が生成されるとボタンが “View report” に変わります。タップすると PDF が開きます。

先ほどの計測結果と違い、心拍数の波形や脈の間隔ばらつき具合、といったグラフを含む細かいデータを見ることができます。

この PDF を共有することができます。専門家や医師にチェックしもらうためにも共有機能は必須ですね。

トライアル最終レポート(週間レポート)の確認

脈拍チェックの週間レポートまたはトライアル最終レポート

24 時間のフリートライアル終了後、最終レポートを PDF で受け取りました。 12 ページある本格的なレポートです。

無料期間中に合計 6 回計測しました。その結果異常はありませんでした。

全回数分の計測結果を 1 ページずつに整理した結果、それらの結果から心臓や血管の病気になるリスクの分析結果、そして心臓の病気についての解説ページが含まれています。

有料サービスに申し込むと、同じ形式の週間レポートを受け取ることができます。

サブスクリプションの料金プラン

有料サービスの価格リスト

有料サービスのプランは上図のようになっています。エッセンシャルとプレミアムの 2 種類があります。

エッセンシャルとプレミアムで共通のサービスは以下のようになっています。

  • 無制限の計測
  • 計測結果のその場での表示
  • 内科医とのデータ共有
  • リマインダー設定(毎日同じ時刻で計測できるように)

プレミアム限定機能は以下のものがあります。

  • 不整脈が疑われる計測結果を専門家がレビュー
  • 詳しい週間レポートの発行
  • 内科医からの即時フォロー(セキュリティ対策済み)

ただし、追加料金を払うことでエッセンシャルでも専門家のレビューを受けることができます。

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レビュー結果と提案

FibriCheck サービス自体は決して悪いものではありません。しかし現在の技術レベルや使い方にまだまだ改善がありそうです。

人の命に係わるサービスです。忖度なしで提案させていただきます。

常時監視ではないのがボトルネック

一番気になった点は、計測のたびにアプリの起動が必要なことです。

心拍数自体は常時計測しています。しかし心拍の規則性をチェックするには毎回アプリを起動して計測する必要があります。

常時監視が実現しないと有料サービスは申し込めません。この点は決して譲れません。

なぜでしょうか?

初期の心房細動などは突然やってきますがいつ出るかわかりません。自覚症状がないケースもあり、一度出た症状が定期的にでるとは限りません。

ごく初期の不調を、アプリを起動して見つけられる確率は相当低いと思われます。

逆に常時モニタリングできるようになったらものすごく素晴らしいサービスでしょう。

私が心臓発作を経験後、 Apple Watch でも Fitbit Sense でも不整脈を見つけることはできていません。

手が常に自由な状態の常時監視は計測誤差が大きくなるため技術的に改善が必要なのは理解しています。しかしここを乗り越えると大きなブレークスルーになるのではないでしょうか。

Apple Watch には不整脈の自動検知と通知機能がすでにあります。

外部リンク: Apple Watch:心臓の健康に関する通知 – Apple サポート (日本)

高齢者やすでに心疾患を疑われている人におすすめ

前項を踏まえると、どのような人に FibriCheck はおすすめなのでしょうか?

高齢者やすでに医師から不整脈等の心疾患を診断されている人たちです。

このような人たちにとってはアプリと連携して専門家のサポートを得るべきです。

もし私が心疾患を診断されていればサブスクリプションの申し込みはしたでしょう。しかし私は心臓の専門医に「どこも悪くない」と診断されました。

かつて血圧計が家庭に普及することで一般の人々の健康意識が改善されました。不整脈検知も同じような普及をすると考えられます。

私の母も毎朝血圧を測定しています。

同じように心疾患がすでに認識されている人は毎日決まった時間にハートリズムも計測する。アプリでリマインダー設定ができるので難しくないでしょう。

関連記事:心臓発作で倒れたけど心臓は悪くなかったおはなし

メリットは低価格モデルで利用でき、スマホの制限もないこと

心拍規則性はスマホアプリだけで計測できます。そのためわざわざ Fitbit を使わなくてもいいのでは?という意見もあるかもしれません。

いや、 Fitbit と組み合わせて使うべきです。スマホアプリだけだと安静時や普段の心拍数が計測できないからです。

FibriCheck は Fitbit Versa (Lite, 2) という比較的安価なモデルで利用できます。

心電図が計測できる Fitbit Sense はこの記事の執筆時点で 32,000 円、一方 Versa 2 は 17,000 円です。

約半額です。 Apple Watch は Fitbit Sense よりも高価です。

またスマートフォンは iPhone, Android のどちらでも対応しています。普及を考えたら裾野は広い方が良いです。

Apple Watch を導入するほどでもないと思っている人、コストの観点から Fitbit + FibriCheck という選択肢はありです。

まとめ

心臓の状態が常時監視できるようになれば救える命はたくさんあります。

私自身取り入れたいサービスですが、技術的な改善課題があるのも今回のレビューでわかりました。

今後も類似サービスがあればレビューしていきたいと思います。

この記事をまとめましょう。

  1. 欧米ではスマートウォッチと医療機関の連携が進んでいる。 FibriCheck はスマートフォンやスマートウォッチの心拍計測から不整脈を検知するサービス。
  2. 有料サービスにて計測結果を専門家と共有しアドバイスを受けることができる。高齢者やすでに心疾患を医師から言われている人にはおすすめのサービス。
  3. 常時監視ができない。現状では血圧と同じように毎日同じ時刻に計測するなどの工夫が必要。リマインダー機能は提供されている。

外部リンク:FibriCheck – Monitor your heart rhythm, prevent strokes (公式英語ページ)

関連記事:【おすすめ】スマートウォッチの心電図機能をレビュー【比較】

※このレビューは 2021 年 8 月に実施しました。最新の情報は公式サイト等にてご確認願います。