Oura Ring vs Fitbit 「睡眠の質」表示比較レビュー

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Oura Ring のパッケージと中身

スマートウォッチやアクティビティトラッカーによる睡眠計測はかなり一般的になってきました。

そのためか大手メーカーから無名ブランドまで、リストバンド型のトラッカーは市場に氾濫している状態です。

また技術の進歩によりセンサーの小型化が進んでいます。小型化の結果、指輪型(リング型)のデバイスも発売されるようになりました。スマートリングと呼ばれているようです。

この記事ではフィンランドのメーカーによるアクティビティトラッカー “Oura Ring” (オーラリング)の睡眠機能をレビューします。

結論からいうと、かなりおすすめできます。睡眠の精度は Fitbit ほどではなさそうですが、日常使いできるレベルでした。

またバッテリーも 4 日は持つので常時装着で日々の体調管理ができます。注目の新しいデバイスです。

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Oura Ring でできること

Oura というアプリでデータを管理します。基本的な機能と何ができるのかを解説します。

基本的な睡眠計測項目を備えている

アプリの睡眠管理メイン画面

上図は Oura アプリの睡眠管理画面です。他のアクティビティトラッカーと同じ機能が Oura にもあります。順番に解説します。

上図左がトップ画面です。上のグラフは睡眠時間とこの後紹介する各睡眠ステージの割合が「積み重ね棒グラフ」として表示されています。ぱっと見て睡眠の質がどうだったかわかるように配慮されています。

グラフの下には「睡眠時間」、「睡眠効率」、「安静時心拍数」といった基本的な睡眠データが表示されています。

その下には 70 という数字が出ています。睡眠スコアだと思われます。このレビューでは睡眠スコアは使用しません。

画面をスワイプするとたくさんの横棒グラフが表示されます。睡眠コントリビューターという名前です。

睡眠コントリビューターに表示されている 7 つの項目(合計睡眠時間、睡眠効率、安眠度、レム睡眠時間、深い睡眠時間、入眠潜時、タイミング)で睡眠スコアを算出しているのでしょうか?詳細はわかりません。

さらに画面をスワイプするとようやく睡眠図(睡眠サイクル)が表示されます。このレビューでは睡眠サイクルの分析によって睡眠の質を評価します。

睡眠サイクルには 4 つのステージ「覚醒、レム睡眠、浅いノンレム睡眠、深いノンレム睡眠」があります。他のトラッカーと同じです。

睡眠サイクルの下には「動き」という小さいグラフがあります。睡眠中の寝返りなどを動きを検出してグラフ化しているものと考えられます。

指輪型の小さいデバイスでこれだけしっかり測れるのはすごいですね。テクノロジーの進歩を感じます。

睡眠ステージのチェックや修正ができる

アプリで睡眠ステージをチェック

睡眠サイクルのうち「入眠後の最初の深い睡眠は何分間あったか?」を知ることが睡眠の質をチェックするキーポイントです。時間を細かく見る機能はあるのでしょうか?

上図グラフ右上にあるスライダーボタンをタップすると各ステージの時間がチェックできます。

本来の用途は入眠時刻または起床時刻を修正するためのものです。この本来の用途を無理して使う必要はありません。時間チェックに使いましょう。

ただしこのスライダーは起床当日分のグラフチェックにしか使えません。

過去の睡眠図をチェックするにはアプリではなくウェブブラウザを使ったクラウドサービスを利用する必要があります(後述)。

ちなみに、睡眠図の共有ボタンが画面右上にあります。他のトラッカーと同様、睡眠図を医師と共有するなどの使い方があります。

しかし Oura アプリの共有機能はコラージュがメインのようで、データの共有というよりも画像のデコレーション機能という感じでした。そのためこの共有機能を無理して使う必要はなく、スマホのスクリーンショットで十分です。

昼寝も自動で検出される

ある休日の昼下がり、ソファでゴロゴロしていたら寝てしまいました。

後でアプリでデータ収集するとアプリのメイン画面に「この時間帯に昼寝していましたか?」といった表示が出ました。上図左の画面です。

確認をタップすることで正式に昼寝として記録されます。

上図右の画面に示すように、昼寝についても夜間の睡眠と同じように分析されます。

平日に昼寝(仮眠)を取り入れて午後の仕事を効率よくする取り組みのことを「パワーナップ (power nap) 」といいます。トラッカーの睡眠分析機能と合わせて有効活用したいですね。

過去の傾向はグラフでチェックできる

アプリで過去の睡眠データを見るためのメニュー操作

他のトラッカーと同様、過去の睡眠データの集計と傾向分析もできます。しかしちょっとわかりにくかったです。

上図のアプリメイン画面の左上のメニューボタンから「傾向」 → 「睡眠」を選択します。

さらに一覧で睡眠のどの項目をチェックしたいのか選択します。この項目は 10 個あり、先に紹介した睡眠コントリビューターの項目よりも多いです。

アプリで過去の睡眠データを見るための集計切り替え画面

この例では「深い睡眠」を選択しました。上図に示すように「日別集計」、「週別集計」、「月別集計」が切り替えられる分析画面に到達します。

各集計画面の中央から上の部分に深い睡眠のトレンドグラフが示されています。その左には平均時間の計算結果が表示されています。

定期的に自分の睡眠を振り返ってみるのも大切ですね。

体温も測れるが、相対値のみ表示

アプリの体温偏差表示画面

Oura Ring は体温も計測します。体温の変化から体調の変化を知るきっかけになることができます。

Oura Ring の使用開始から最初の数週間はデータを取り続けて「平熱」を学習します。その後、体温の変化を毎日表示してくれます。

注意していただきたいのは、日常生活で使っている体温(深部体温)を計測しているのではありません。指輪と指の皮膚の接触部分の表面温度「皮膚温」を計測しています。

いわゆる深部体温よりも低い値が計測されるはずです。そのため体温の計測結果そのものはアプリで表示しません。あくまでも「平熱とその日の体温差」だけ表示されます。

具体的な活用方法については私もまだ十分に理解していません。しかし今後さらなる研究結果と組み合わせて体調管理に使われることは間違いないでしょう。

外部リンク:体温編:健康豆知識:健康機器:シチズン・システムズ株式会社

レビュー方法

レビューをするにあたり、下記に示す方法でデータ収集と分析をしました。結果だけ知りたい人はここは飛ばしてください。

データの取り方

OuraringとFitbitをそれぞれつけて睡眠データを計測

睡眠の質を比較するための判断基準は Fitbit のデータです。過去の経験上、起床後の身体の感覚(すっきりしているか、眠気が残っているか)と睡眠図に最も関連性を見いだせているのが Fitbit だからです。

右手の人差し指に Oura Ring, 左腕に Fitbit を装着していつも通り就寝しました。右腕/左腕の装着設定は確認済みです。

※ Oura Ring には装着する手の設定はありません。 Fitbit 側だけ設定を確認しました。

起床後アプリでデータを収集し、両デバイスの波形を比較しました。その結果を解説します。

データは 4 週間分 (28 日分)以上収集しました。

睡眠の質を評価するポイント

Oura RingとFitbitを両方装着している状態

医師が書いた睡眠に関する本や私が Fitbit で計測した睡眠データから、睡眠の質をチェックするポイントは以下の 3 つに整理しました。

  1. 「覚醒」から「最初の深い睡眠」に入るまでの時間は短いほど良い (30 分以内が目安)
  2. 最初の深い睡眠は 20 分間以上あることが望ましい
  3. 睡眠中の途中覚醒回数は少ない方が良い

1 番が最も重要で、番号順に優先順位は下がります。各項目の詳細と根拠については下記の補足説明をご覧ください。

関連記事:補足:睡眠の質をチェックする3つのポイント(各社の活動量計の睡眠管理機能を徹底レビュー)

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睡眠サイクルの比較結果: 70 % くらい信頼できる

100 % 信頼できないなら意味ないのでは?というご指摘があるかもしれません。

指輪型という新しいアプローチと価格を考えればおすすめできるレベルです。格安アクティビティトラッカーよりも Oura Ring 睡眠の計測性能は良かったです。

どのような睡眠波形がとれたか詳細を説明します。

判定が一致した波形の例

質の良い睡眠で一致した睡眠サイクルの例

上図は良い睡眠がとれたと思える日の波形の比較です。 Oura Ring の波形をグレースケールにして、 Fitbit の睡眠サイクルを上に重ねています。

先に紹介した 3 つのポイントが当てはまっています。 Oura Ring の波形で解説しましょう。

  1. 最初の深い睡眠まで 14 分 (30 分以内が良い) → 〇
  2. 最初の深い睡眠が 20 分間 (20 分間以上が良い) → 〇
  3. 中途覚醒 3 回 → × (判定の優先順位は低い)
  4. 睡眠の質の総合評価 → 〇

教科書的な睡眠波形がとれました。就寝時刻、起床時刻もほぼ一致しています。

一点だけ、 Oura Ring の方は中途覚醒(白い凸)が目立ちます。

計測ミスかもしれません。しかしヒトは睡眠中に何度も覚醒しており実際には覚えていないだけという医師による解説もあります。

この日は目覚めた記憶はありません。そのためこのケースでは気にしなくて問題ありません。

質の悪い睡眠で一致した睡眠サイクルの例

上図は逆によく眠れなかった(質が悪い)と思われる睡眠グラフです。 Oura Ring の睡眠波形を解析するとこのようになりました。

  1. 最初の深い睡眠まで 35 分 (30 分以内が良い) → ×
  2. 最初の深い睡眠が 4 分間 (20 分間以上が良い) → ×
  3. 中途覚醒 3 回 → ×
  4. 睡眠の質の総合評価 → ×

3 つのポイントのうち特に 1 番目が重要です。

寝落ちしてから深い睡眠に入るまでの時間が長いと疲労が取れにくく、起床後に「あまり良く眠れなかった」となります。

睡眠の後半に深い睡眠が何度も出ますが、疲労回復の観点から考えると一番最初の深い睡眠が最も重要です。

ひと月分以上の睡眠データを収集して、一致判定が 6 割、おおよそ一致していると考えられるデータが 1 割、合計約 7 割の一致判定結果でした。

時計型(リストバンド型)と指輪型という異なるタイプのデバイスですが、同じように睡眠データがとれていると考えられます。

安いトラッカーで睡眠を計測するよりもはるかに Oura Ring をお勧めできます。

判定が不一致だった波形の例

判定が不一致だった睡眠サイクルの例

上図は判定が不一致だった例です。 Fitbit は「かなり良い睡眠」でしたが Oura Ring は「質の悪い睡眠」と逆の判定でした。

このような判定の不一致は約 3 割でした。

3 割というと「精度悪いのでは?」と指摘があるかもしれません。

確かに計測ミスやデータの解釈の違いといった「性能の差」によってこのような不一致はでたと考えられます。

しかし Oura Ring のケースに至っては必ずしもそうではありませんでした。

次に示す「ソファでのうたた寝」にも原因がありそうでした。

就寝前のうたた寝は計測誤差が生じる

ソファでうたた寝すると就寝時刻がずれる睡眠サイクルの例

上図では Fitbit の就寝開始時刻が Oura Ring よりも早かったです。

夕食後、歯も磨いた後、ソファでスマホをいじっているうちに寝落ちしてしまいました。

Fitbit はこの寝落ちを計測しました。 Oura Ring はこの寝落ちを計測しませんでした。

全部ではありませんが、このようなうたた寝で波形が不一致になったケースはあったと考えられます。

Oura Ring で正確な睡眠を計測するには、ソファでゴロゴロせず早めにお布団(ベッド)に行って寝ることをお勧めします。

判定が難しかった例

レアケースとなった睡眠サイクルの例

今回のレビューで一度だけ、上図のような波形となる日がありました。レアケースです。

Fitbit では深い睡眠が初期段階になく「質が悪い」といえる睡眠グラフでした。

一方 Oura Ring では早い段階で短時間の深い睡眠が出ています。グラフだけを頼りにすると「割とよく眠れたかな?」と誤って判断する可能性もあります。

そのため起床時の体調の状態と合わせてよく眠れたかどうかの自己判断も必ずお勧めします。

利用する際の注意点

ここからは実際に使ってみて気になったことをまとめました。

PC サイトのダッシュボードも活用しよう

Oura Ring ブラウザ版のダッシュボード

睡眠波形のチェックはアプリでもできます。しかし睡眠ステージのチェックは起床当日分しかできません。当日を過ぎるとスライダーボタンが無効になります。

Oura にはクラウドサービスがあります。ブラウザでアクセスすると上図に示すように睡眠状態やその時間帯のチェックが細かくできます。体温偏差や心拍数、アクティビティのチェックもできます。

スマホのブラウザでもログインできます。

外部リンク:Sign in to Oura (クラウドサービスログインページ)

公式サイトで購入すると指輪サイズ検査セット付き

公式サイトから注文した際に送られてきた指輪サイズチェックキット
樹脂製の指輪サイジングキット

公式サイト経由で購入すると先に上の写真に示すサイジングキットが届きます。指輪のサイズを購入前にチェックすることができます。

Amazon でも Oura Ring は販売されていますが、製品だけ、もしくはサイジングキットだけを別々に購入する必要があります。

私は指輪をつけたことがないためサイズが事前に確認できたのは助かりました。

樹脂製リングと本製品の装着比較
樹脂製と本製品でフィット感は違うがサイズはピッタリだった

悩んだ結果 8 号を選択しました。上の写真に示すように人差し指にはちょうど良いフィット感でした。

7 号を装着したら外れなくなって焦りました。樹脂のリングを回しながらゆっくり外しました。関節の骨の部分がだいぶすれました。

9 号でもよさそうだったのですが、公式サイトのアドバイスに従い小さいほうを選びました。どうしてでしょうか?公式サイトから引用させていただきます。

サイジングキットのサンプルリングはプラスチック製なので、肌に「くっつく」感じがあるかもしれません。実際のOuraリングは、快適さと皮膚保護の目的のためにシームレスな内部成形で構築されているので、実際のリングに比べて滑りにくい場合があります。

関税が別途かかった

DHL からきた関税請求メール
オランダから発送され関税が 2,800 円別途必要だった

サイズを確認後、公式サイトから本注文しました。決済も終わっているのであとは届くだけ、かと思ったらそうではありませんでした。

日本の税関で 2,800 円別途請求されました。支払いが終わるまで発送は再開しません。

クレジットカードで関税も支払い、無事到着しました。

注文してわかりましたが発送はオランダからでした。ベルギー在住だったのでこれだったらベルギーで購入しても良かったとも思えます。

しかし購入の仕組みがよくわかりませんでした。そのため今回は確実に届く日本の実家に届くように日本で購入しました。

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まとめ

Oura Ring 箱の裏面
箱の裏には「フィンランドで設計、エストニアで製造」の文字が

関税を含めると合計 3,5000 円くらいでしょうか。本体カラーによっても価格は異なりますのでご注意ください。

腕時計をつけて寝ることに抵抗がある人もいるでしょう。指輪であれば違和感なく眠れる人のためにもリング型トラッカーによる睡眠管理は新たな選択肢になることは間違いないでしょう。

今後はこのような指輪タイプのトラッカーも積極的にレビューしようと思います。

この記事をまとめましょう。

  • 基本的な睡眠管理機能が備わっている。バッテリーも 4 日は持つので日常生活で問題なく利用できる。
  • Oura Ring と Fitbit の睡眠計測一致率は体感で約 70 %. 格安トラッカーよりも良くておすすめできるレベル。
  • 体温やアクティビティも記録できる。指輪型は今後注目のデバイスになる。

外部リンク:Ōura Ring: Accurate Health Information Accessible to Everyone (メーカー公式サイト)

Oura
Oura
Oura Health Oy, 無料

関連記事:睡眠はどうやって計測されるの?トラッカータイプ別にしくみを解説

※このレビューは主に 2021 年 6 月 7 月にかけて行いました。最新ソフトではこの記事で書かれた内容と相違があるかもしれません。

※良い睡眠がとれたかどうかは必ずご自身の体調や起床後の気分などでご確認ください。アプリの表示は計測結果を保証するものではありません。

※このレビューで紹介している画面はすべて iPhone アプリです。 Android 版は試していませんが、同じ画面と想定しています。