転職活動で不採用が続くときのアドバイス(2/2)応募書類の改善

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転職活動で感じる一番のストレスは、応募をしても不採用が続くことです。書類審査であれ面接であれ「不採用」という結果はやはり嬉しいものではありません。

前回は私の経験をお話ししたうえで、採用側の事情とご縁について書きました。この記事では、応募者側にも改善すべきことはないかをアドバイスします。なかなか次の仕事が決まらない方に向けて、私なりのアドバイスをまとめました。

前回同様「楽していい会社に転職したい」という人に有益な情報はありません。あらかじめご了承ください。

カレーを食べたい人にラーメンを勧めてないか?

このシリーズでは何度も説明していますが、企業が不採用を決める共通点は「企業が求めている人材像と応募した人の中身が一致しなかった(ミスマッチ)」ことにあります。

原則的に企業が人を採用するのには「事業拡大」や「欠員補填」といった「なぜ人を採用するのかという理由」が必ずあります。その理由をベースに「どのような人材を採用したいか」という人材像ができあがります。そのため、この人材像に合わない人を採用しないのは自然な流れです。

前回は、応募して一生懸命面接に臨んでも採用側の事情で不採用になってもめげないでほしいとアドバイスしました。今回は私たち応募する側の観点からアドバイスしましょう。まずは下のイラストをご覧ください。

求められている内容をきちんとアピールできているか?(イメージ)

たとえ話なので気楽にお読みください。「今日は疲れているからスパイスの効いたカレーが食べたい」という人に「おいしいラーメンを持ってきました」とアピールされたらどうでしょうか?最終的に食べるかどうかは別として、「いやいやちょっと待ってよ」と思うのが本音ではないでしょうか。

一方、同じ人に「30種類のスパイスが入ったカレーを持ってきました」と言われたらどうでしょうか?少なくともラーメンを出されるよりは「それ食べたい!」と喜ばれるのではないでしょうか。

ずいぶんなたとえ話かもしれませんが、重要なことです。採用は「企業の求める人材像」に対して「求められていることが伝わる応募書類や面接ができたか」で決まります。カレーという人材を求めている会社に、ラーメンのような書類を提出したり面接でアピールしていませんか?

または、自分はカレーのつもりで書類を準備したのに、採用側からはラーメンと誤解されるような応募書類を作成していませんか?この点を、応募する側も振り返ってみる必要があります。

ターゲットを絞った書類作成やアピールができているか見直そう

何度も不採用となった場合は、自分の応募書類や面接での対応を見直す必要があります。

ただ修正する前に大切なことがあります。それは「自分がこの先どうありたいか」という自分なりの価値観を持っている必要があります(専門用語でキャリア・アンカーと言います)。立派で完璧なビジョンを考える必要はありませんが、履歴書や面接で自分の想い(イラストのラーメンかカレーか)を伝えるためにはこの「価値観」がベースとなります。

外部リンク:Wikipedia -キャリア・アンカー

新卒採用とは異なり、転職による募集では即戦力が求められます。業界未経験者歓迎という求人もありますが、それでも誰でも良いわけではありません(本当に誰でも良いと言っている会社はブラック企業の可能性あり)。また応募する側も「どのような会社でも良い」と言ってしまうと採用担当者は「それなら他社に応募した方が良いのでは?」と困ってしまうでしょう。

人材のプロもこのようにアドバイスしています。引用させていただきます。

  • 新社会人から30代半ばまでは「いかだ下り」で「ゴールを決めず短期の目標を全力でクリアしていく」
  • 30代後半以降は「山登り」で「ゴールを明確に決めて全エネルギーを集中してそのゴールを目指す」

大久保幸夫著『キャリアデザイン入門[I]基礎力編〈第2版〉(日経文庫、2016)』p.41 図5より抜粋

著者の大久保氏は、30代前半までと後半以降で目標の設定に違いがあると説明しています。しかしどちらも、「短期的な目標」「最終的なゴール」という形で「自分がどうありたいかという設定」は必要としています。こういった目標は誰でもすぐに見いだせるものではありませんが、自分を(応募書類を)振り返ってみるきっかけとなるのではないでしょうか。

説明が長くなりましたが、カレーとラーメンのイラストからここまでをまとめると下記のようになります。

  • 「自分がどうありたいかという価値観(ラーメンかカレーか)」をベースに履歴書・職務経歴書を見直し修正する。
  • 用意した応募書類と「求めている人材像」の合いそうな会社に応募する。自分がラーメンな応募書類を作ったのであれば、ラーメンを求めてそうな会社に応募する。カレーを求められそうな会社にラーメンな書類は提出しない。
  • 面接での質問においても自分の経験や価値観はきちんと伝える。すべての答えを企業側に合わせてもウソだと見破られてしまい悪印象になるだけ。

そうはいっても、応募する会社ごとに書類を作る必要はありません。あくまでも自分の軸が大切なので、それをベースにした書類を作成して転職活動をするのです。

興味のある会社に入りたいからと言って応募書類にウソを書いてもいけません。採用担当者はたくさんの応募書類や面接を経験しているので、そのようなウソは見破られてしまいます。

同じく、どの会社でも良いから採用してほしいというのも見破られやすくなります。私も最初の就職時は似たような状況でした。しかし、転職はあくまでも自分の経験をベースにどういう仕事をしたいかというビジョンを説明できる必要があります。

自分のベストを尽くすか、アドバイスしてもらえるパートナーを見つけよう

このような応募書類の準備や応募に100%の正解はありません。あくまでも自分なりに分析して応募書類に反映させる必要があります。また企業選びも何を持って正解だったかは後にならないと分かりません。そのためどちらも、今できる自分のベストを尽くしましょう。

人によっては自分がどうありたいかをうまく整理できないかもしれません。その場合は真剣に悩むことも必要です。徹底的に悩んで自分なりに答えを出すか、もしくは誰かに相談することも大切でしょう。

転職エージェントは基本的に「転職希望理由」と「応募書類」が出来上がっている状態からサービスをスタートします。この記事でお話ししていることは、このスタート地点に立つ前のことです。エージェントは基本的にそこまでサポートしてくれません。

多くの人はキャリアの一般論を語る傾向にありますが、私は難しいと考えています。なぜならば、企業が人を採用する経緯も、応募者が転職をする経緯も一人一人違います。十人十色のキャリアストーリーがあるのです。キャリアはその人の人生にもかかわってくることなので、一人ひとりにあったアドバイスをしてもらえるパートナー(メンター)が必要ですね。

履歴書・職務経歴書は気が付いた時点で修正しよう

転職活動中に履歴書や職務経歴書を見直すことは悪いことではありません。気が付いた時点で修正することも大切な決断です。

私自身も何度も悩み、2度目の転職活動時には半年の間に10回以上職務経歴書を書き直しました。どうしてそうなったかというと、先に書いた「自分が今後どうありたいか」がハッキリしてなくブレていたのです。年齢的に30代後半となり、今後スペシャリストとして生きていくか、マネジメント(ゼネラリスト)として生きていくか、分岐点に立っており迷いがあったのです。

私の経歴は技術者とはいえ「何でも屋さん」的なキャリアを積んできました。シンガポールの会社でチームリーダーを経験したことから、今後はマネジメントの職が第一希望となるように職務経歴書を修正しました。その後、AIのニュースを頻繁に聞くようになり、大学院生時代の研究内容を混ぜてスペシャリストとしての内容も盛り込みました(その職務経歴書は「和文職務経歴書の書き方と海外就職できた実例」という記事で公開しました)。ブレブレでしたが、それでも雑用とみなされるような経験はバッサリ切り捨てて専門性の高さをアピールしました。

そして実際には、ベルギーでハードウェアスペシャリストの職に就くことができました。マネジメントとしてよりも国際規格認証の経験があるスペシャリストとして歓迎されました。

このようにターゲットを絞る必要はありますが、結果的にその通りになるとも限らず、本当にご縁については何とも言えないのです。ただ自分のベストを尽くして応募書類を書き直した結果は出ていると確信しています。

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。できるだけ易しく書いたつもりが、かなり難しくなってしまいました。転職は一大事業なので、良い仕事に巡り合ってほしい一心で書きました。

この記事をまとめましょう。

  • 転職では自分がどうありたいかという価値観(キャリア・アンカー)をベースに応募書類を準備しよう
  • 修正した方が良いと気が付いた時点で応募書類は修正しよう
  • 自分のイメージした方向性と、求人票で求められている人材像の合いそうな会社に応募しよう

前回記事:転職活動で不採用が続くときのアドバイス(1/2)採用側の事情

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参考文献