海外移住先で知り合う日本人に対して注意すべき3つのこと
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初めての海外生活ではホームシックになる人もいます。寂しさからか日本人との出会いを求め、日本人と知り合うとホッとします。
日本人の出会いを求めること自体は悪いことではないのですが、残念ながらそれを逆手にとって利用しようとする日本人もいます。
この記事では海外で日本人と知り合った際に注意すべき点について、私の経験から解説します。海外で寂しくなるのは理解できますが、依存しないようにご注意ください。
契約書を作らずに働かせる日本人雇用者がいる
日本人経営者は海外でもブラック体質なのか
海外就職する際には必ず雇用契約書を入手し、中身を確認したうえでサインしてください。雇用契約なしで絶対に就労しないでください。
残念ながら口約束だけで働かせる日本人経営者が海外にはいます。
私はシンガポールとベルギーで 2 度転職しました。幸いどちらの会社でもきちんと契約書はありました。契約書があっても海外で働くのは大変です。
しかし私がシンガポールの就職事情についてアドバイスをしたある男性のケースがあります。東南アジア某国で契約書なしで不当な就労をさせられていたということでした。プライバシーの問題があるので詳しく書けませんが、その会社で 1 年働いたが転職したいという相談内容でした。その会社の雇用者(経営者)は日本人でした。
どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?理由はふたつ考えられます。
そもそも日本人経営者は日本だろうと海外だろうと「人は安く使ってなんぼ、賃金を抑えて利益を高くしたい」と考えているブラック体質な傾向があるのかもしれません。私は経営者ではありませんが、人件費を安く抑えたいという経営者に会ったことはあります。
会計学的に人件費はただの出費です。その人がどういった働きをして、どれくらいの売り上げ(貢献)を生み出すか、そういったことは財務諸表では表現できません。
アメリカの会社は違います。管理職よりも高給な社員(スペシャリスト)は普通にいます。当たり前です。売り上げは実務によって発生するのであり、マネジメントでは発生しません。
こういったことが分からない日本の会社はたくさんあります。そのため私は日本の会社に対して不信感はあります。私は外資系の会社でも働きたかったのですが、応募しても採用されませんでした。
なぜ外資系で働けなかったのか?私の場合は外資系よりも、海外にある日系企業で働くご縁なのかもしれません。日本式経営はこうなんだと人生経験をしているのかもしれません。
もうひとつの理由です。これは炎上するかもしれませんが、これから海外で頑張りたい人へのためにあえて書きます。
海外に出ている人の一部は、何らかの理由で日本にいられなかった人が含まれます。
理由については一概にどうとは言えません。人はみんな背負ってきたものが違います。誰でも日本の労働環境に何らかのストレスを抱えます。その逃避先として海外に出た人は結構います。
私自身も日本での就労はストレスでした。しかし私の場合は自分の能力が海外で通用するかチャレンジしたかった。人それぞれ海外に出る理由は違います。
ただこれだけは覚えてください。「海外に出ている≠優秀な人」なのです。当然、経営者についても当てはまります。
ビザの問題があるので雇用契約書は必ず入手して確認しよう
どのような理由があっても不当に人を雇用してはいけません。では雇用契約書が無い場合の海外就労は何が問題になるのでしょうか?
給料が支払われないとか長時間労働させられるとか、トラブルの元になるのは間違いありません。
雇用契約は会社側が有利な条件になることが多いです。しかしそれでも労働者側が法律で守られるためにも契約書は必要です。契約内容と法律を照らし合わせて労働者は自分の身を守る必要があります。海外では日本よりもこういうトラブルが起きたら大変です。
もっと根本的な話をすると、雇用契約書がなければ就労ビザは申請できないはずです。不法就労・不法滞在につながります。絶対にあってはならないことです。
もちろん雇用契約書の記載通りに対応される保証はありません。それでも文書という形で残っていればいざという時に対策が立てられます。契約書という形にすら残さない会社は論外で最悪です。
雇用契約書を受け取った時にチェックすべき項目のリストは別のページにまとめてあります。私の海外就職の経験をベースにまとめたリストとなっています。ご活用ください。
コミュニティをきっかけに勧誘してくる人
海外のどこに行っても中華街はあるでしょう。海外で同じ国の人同士でコミュニティを作ることは自然なことです。
日本人も同じで、海外には日本人会やその他のコミュニティがたくさんあります。別の記事にて meetup というアプリで海外のコミュニティに参加する楽しみがあることを紹介しました。
しかし注意してください。友達作り目的ではなく、自分のビジネスに勧誘したくてコミュニティに顔を出している日本人がいます。
そういう人はコミュニティの場で連絡先を交換し、後日連絡してきて個別に会おうとしてきます。
実際に私が経験したこと紹介します。
シンガポール在住時、私はある facebook グループを作りました。その場はビジネス交流会ではなく雑談の場にしました。しかし残念ながらビジネス目的の人が現れて私は後日電話で「個別に会いたい」と言われました。きつめにお断りしたら向こうから私の facebook アカウントをブロックしました。
当時は不快な思いをしましたが、今となってはあの時きちんと自分の態度を明確にして良かったです。そういう人と「なあなあ」で交流する必要はありません。自分の作ったコミュニティが同業者と思われてしまいます。
別の例を紹介します。
私が作った facebook グループに登録した別の人です(男性・女性各1名)。登録後、コミュニティの場には顔を出さず自分のビジネス(クリーニングだったかな?)の宣伝をグループに投稿しました。このふたりは同じ会社で別々に投稿してきました。
自主的に宣伝を削除するように要請しましたが応じませんでした。私はグループ管理者だったのでその人たちをグループから外しました。後日また入会申請してきたのでブロックしました。向こうから何の釈明も謝罪もなかったためです。
このように、同じ日本人だからと言って全員が好意的とは限りません。自分の意思は明確にしてください。トラブルが起きてからでは遅いです。
自分がドンだと勘違いしている人がいる
最後に紹介したいのは、コミュニティ内で威張る人がいることです。
自分で作ったコミュニティであれば自分が偉いと思いがちです。しかし責任を持つことと威張ることをはき違えている人がいます。
これはグローバルな感覚とまったくかけ離れています。言い方は悪いですが、田舎者の発想です。
人間同士であれば好き嫌いもあるし、上下関係がどうしてもできてしまいます。しかし日本と違って海外では決定的に違うことがあります。
海外で生活している日本人は誰もが「移民」です。国籍を変えない限り、日本のパスポートを所持し続けている限り、外国人です。万が一その国で内紛が起きて政府が「国から出ていけ」と言われたらそれまでです。
コミュニティの偉い人もそうでない人も国からすれば扱いは同じです。
情報がない時代はコミュニティの中でしか得られない情報があったり、いざという時の助けになったでしょう。ただこれだけインターネットが発達している時代、どこかのコミュニティに依存する必要はありません。
コミュニティに参加するのはいいですが、自分が思っていた雰囲気と違ったら参加をやめるか、うまく立ち回って距離を保ちましょう。いじめや嫌がらせが起きるのは距離が近すぎるからです。
まとめ
海外でもいろいろな人がいます。自分のことしか考えていない人が意外に多くてショックを受けることもありますが、それでも私は日本で働いていた時よりも海外に出てからの方が友達は多いです。日本よりも海外の空気が合うのかもしれません。
人間関係は場所に関係なく普遍的な問題です。人生経験も避けられないのでうまく乗り越えてくださいね。
この記事をまとめましょう。
- 雇用契約書を作らずに働かせる日本人経営者がいる。給与や待遇の問題だけでなく就労ビザの発行の問題もあるので必ず入手して確認をしよう。
- 海外にある日本人コミュニティに参加した場合、必ずしも全員が友好的とは限らない。ビジネスに勧誘する人もいるので自分の態度は明確にしよう。
- コミュニティによっては上下関係や嫌がらせもある。合わないと思ったら参加をやめるか、人付き合いを変えていこう。