海外で働いて生活するために知っておきたい治安と差別のこと

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海外就職を実現して現地で生活を始めるとなると、不安はありますか?特に治安については誰もが気になるところです。

この記事では私の海外生活経験から、治安について考え方と情報収集方法を紹介します。ポイントを抑えれば大丈夫です。

そもそも絶対に安全・安心な場所はない

絶対に安全・安心な場所は海外にはない

海外生活を希望しているのであれば、絶対安全な場所は無いと心得てください。

他の場所と比べて安全・安心して暮らせそうかどうかを見極めてください。

例えば私が現在住んでいるベルギー。ブリュッセルはEU本部があり、そして観光で多くの人でにぎわうためテロの標的になりやすいエリアです。

ブリュッセル南駅の治安の悪さは有名です。私の知る駐在員さん(身長180cmの大柄な男性)はシャツの胸をつかまれてからまれたことがあるくらいです。

一方、私の住むベルギー地方都市のゲントは、設立200周年を迎えたゲント大学がある学生街です。学生さんが住んでいるためか高齢化の中でも若い人が目立ちます。地方とはいえ生活に必要なものは揃っていますし、観光地でもあり適度ににぎわっています。

そのためかゲントでテロの話を聞いたことはありません。しかし自転車が盗まれる話を聞いたことはあります。私の知人は4回自転車を盗まれたとfacebookに投稿していました。

ある報道によると、ゲントはベルギーの5大都市の中で最も住みやすいと評価されています(ブリュッセル、ゲント、アントワープ、リエージュ、シャルルロワの中でトップ)。

外部リンク:Ghent is Belgium’s most-liveable city, says Greenpeace | Flanders Today

ゲントは身の危険を感じることはありませんが、盗難やスリには注意したほうが良いくらいの治安です。

このように、ベルギーでも田舎ではテロはありません。そもそも誰も住んでいない田舎でテロをすることに意味はありません。テロリストは自分たちに注目してほしいので、メッセージを発信するなら人の多いところを狙います。当然といえば当然でしょう。

このように住む地域によって治安の良し悪しは変わります。海外生活を考えているのであれば、国レベルだけでなく地域レベルでしっかり調べてください。

たとえテロがあっても、ほとんどの人は普通に生活しています。被害にあうかどうかは運もあります。絶対に危ないと言われている場所を除けば、必要以上に神経質になっても仕方ないと言ってしまえばそれまでです。

自分に合う地域を探せればベスト

日本は世界的にみて治安の良い国の1つです。地方であれば水も食事も美味しく、海外生活の長い私にはむしろ日本をうらやましいと思うことすらあります。

しかし私にとって日本は住みやすい国だとは思いません。特に東京に行くといつもストレスが溜まります。

満員電車による通勤やブラック労働だけではありません。車のひき逃げ事件はありますし、近年の首都圏の鉄道は遅延が多くなりました(線路の飛び込みを見たこともあります)。またファミレスやコンビニのマニュアルどおりのサービスは、過剰なだけでなく機械のように感じ嬉しくありません。

日本では「こうあるべき」という無言の圧力を感じ、私にとってストレスなのでしょう。そういう意味では、私には日本よりも外国生活の方が気楽です。

外国では日本で考えられないような不便を経験します。例えばベルギーでは日用品がやたらと大きくて使いにくいとか、住んでいるマンションのエレベーターが壊れて1ヶ月直らないとか、冷蔵庫の扉が壊れるとか、そういうことが日常的にあります。

関連記事:ベルギーの住居と建物でよく物が壊れるおはなし(ベルギー生活で遭遇した不便なことの話)

しかし、自分でなんとかするしかないのは自己責任ですが自分には合っています。また周りから干渉されないので気が楽です。ベルギーは日本の様に地震や台風もなく生活しやすいです。

本当に安全な外国と言えるのは、私の経験ではシンガポールくらいでしょうか。それでも地下鉄は故障したり、感染症で病気になったり、日々の生活でのトラブルはある程度覚悟が必要です。

関連記事:デング熱で人生初の39℃台を経験し死ぬかと思ったおはなし(シンガポールで働いていた時にデング熱に感染した話)

このように、どの国にも一長一短があります。自分に合う国や地域を見つけられればベストでしょう。私自身は、仕事さえあれば今後の人生も海外が拠点でも問題ありません。

渡航前と渡航後で治安情報の集め方は違う

ブリュッセル地下鉄駅にあるテロ哀悼花束と寄せ書き
ブリュッセルで発生したテロ事件に哀悼(あいとう)する花束と寄せ書き(ブリュッセル地下鉄の駅改札口にて、2017年6月撮影)

渡航前は知人に聞くかネット検索、ただしまとめサイトに注意

では治安情報はどうやって探せばよいでしょうか?

その国に行ったことある人に聞くのが確実です。しかしあなたの周りにそういう人がいなければ、ネットで検索するしかありません。

検索するときは国レベルの検索ではなく、「(地名) 治安」で検索してみてください。例えば「ベルギー 治安」よりも「ブリュッセル 治安」や「ゲント 治安」の方が、実際に行ったことある人の情報が得られます。

治安情報を見つけたら、誰が発信しているかも確かめましょう。注意しなければいけないのは情報源です。

個人ブログやツイッターであれば生の情報に近いでしょう。しかし最近は旅行関係のまとめサイトが検索で上位表示されるケースが多く、注意が必要です。

まとめサイトは見る人の興味を引くために、治安が悪いことなど都合の悪い情報を隠している可能性があります(特にインドなど)。

またインスタグラムも注意してください。

インスタは美しい景色の写真が多いので観光情報を調べるには良いですが、治安情報などの難しい話は避ける傾向にあります。

旅関係のインスタグラマーも影響力を持つようになりました。現地情報の良いところも悪いところもきちんと伝えている人を、私だったら信用します。きれいな写真をアップして「◯◯は素敵!」と投稿することは誰にでもできますから。

渡航後の情報収集と現地で注意すべきこと

現地に行ってからは以下の点に注意しましょう。

  • 外務省のサービスに登録する
  • 絶対に危ないエリアには行かない
  • 夜は安易に出歩かない

まずは外務省のサービスに登録しましょう。旅行なら「たびレジ」というサービスがありますし、私のような海外在留している人は「オンライン海外在留手続き」をします。

外部リンク:海外へ渡航される皆様へ(外務省による旅行者、海外在留者の届け出ページ)

テロやデモの情報は登録先の国の日本大使館経由でメールが来ます。身の安全のためにも必ず登録しましょう。

大使館から通知の例
実際に大使館から送られてきた通知の例

また、地域によっては絶対に行ってはいけない場所に行ったり、夜出歩いたりするのは極力控えましょう。

渡航先の国のローカルの人か滞在歴の長い日本人と話す機会があれば、どこが危険か教えてもらいましょう。

幸い、私の住むベルギー・ゲントは夜でも危険性は低いです。しかしアメリカ・ロサンゼルスなどでは昼間であっても、大通りから一本細い脇道に入るだけで襲われる危険があります。

海外では日本人は外国人であることを忘れないで

最後にこれだけは忘れないでください。私もあなたも海外では外国人です。旅行で行けばお金を払ってくれる「お客様」なので丁寧に扱ってくれますが、普通に生活するとなると話は違います。

差別や不当な扱いを受けて当然と思ってください。私もあなたも外国という異国の地(アウェイ)に住ませてもらい、生活させてもらっているのです。

私自身この記事を書いて自分に言い聞かせています。外国生活が長くなるとついつい忘れてしまいます。

日本では外国人のコンビニ店員に対する差別がニュースになっています。こういう労働者を見てどう思いますか?当然の仕打ちでしょうか?それとも人手不足を解消する貴重な人材でしょうか?

日本人が外国に引っ越せば「移民」です。日本のコンビニで働いている外国人も移民です。ビザを取って就労しているので立場は同じです。コンビニの店員かどうかという職業の問題ではありません。

つまり、海外では私たちが逆に差別される立場です。表向きは高度人材という扱いですが、その国の人たちにとっては誰でもウェルカムではありません。

どこの国でも移民の問題はあります。しっかりと現実を見てください。

私は幸いなことに、4年以上の外国生活(シンガポールとベルギー)であからさまな差別を受けたことは一度もありません。シンガポールはアジア人中心の国なので大丈夫でしたが、ベルギーはヨーロッパで白人の国。「なんだこのアジア人は?」という態度で対応されたことは何度もあります。

たまに日本人が外国で暴れて捕まるニュースを見ますが、愚の骨頂です。男性は特に盗難アジアに行くと「自分たちが上」だと勘違いしている年配者が多いです。恥さらしです。

まとめ

厳しいことも書きましたが、外国生活は合う人とそうでない人がハッキリ分かれます。

サッカーと同じで、ホームよりアウェイの方が大変なのです。そこを見きわめてくださいね。

この記事をまとめましょう。

  • 治安情報を検索するなら国名ではなく、具体的な地名で検索しよう。絶対安全・安心な場所はなので自分に合う地域を探そう。
  • 渡航予定があるなら外務省のサービスには必ず登録しよう。または現地のことを知る人に治安情報を教えてもらおう。
  • 海外では自分は外国人であることを忘れない。時に理不尽な対応をされることを覚悟しよう。

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