和文職務経歴書の書き方と海外就職できた実例

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この記事では私が海外転職活動で実際に提出して内定をいただいた日本語の職務経歴書を解説します。この職務経歴書はシンガポールやベルギーの会社で内定をいただいた「実績」があります。机上の空論ではない、実際の情報をできるだけ詳しく書きました。

ここでは転職される方を前提とした職務経歴書の書き方を解説します。日本語の履歴書は日本国内での転職と特に変わりはないので割愛します。

なお、この記事の解説に利用した職務経歴書は下記より無料でダウンロードできます。ご自由にお使いください。

ダウンロード: hr_professionalexperience.docx (36kB)

海外就職でも日本語の職務経歴書は必要

ここまでご覧になった方、どうして海外就職なのに日本語の職務経歴書が必要?とお考えではないでしょうか。

採用担当者が日本人の場合、外国にある会社でも実際には日本語の履歴書と職務経歴書で選考が進みます。日本人のいない外国の企業であれば、英語の履歴書だけで問題ありません。

そのため、海外で会社に応募するには以下の4点を用意する必要があります。

  • 日本語の履歴書
  • 日本語の職務経歴書
  • 英語の履歴書(職務経歴書を含む)
  • 英文カバーレター(必須ではない)

この4点セットが必要であるということを認識しておきましょう。

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一番大事なこと:ウソを書かない

就活や転職活動で最も重要なポイントは「求職者と採用側のマッチング」です。

不採用の通知を受けると誰しも感情的になってしまいます。しかしこれはあくまでも採用側の求めているものと求職者の持っている経歴・スキルにズレがあるからです。

就職や結婚を「ご縁」とも言いますが、確かに目に見えない何かは関係あるでしょう。

ただウソを書いてまでマッチングさせても入社後にトラブルになるだけです。マッチングしていたはずなのに入社後にトラブルになることだってあります。新卒で入社した会社で五月病になるケースだっていまだに無くなりません。

私がシンガポールにいたときの経験をお話ししましょう。シンガポール人や中国人は自分のアピールが本当にうまいです。実際にスキル的に「本当に大丈夫?」な人が私より良い給料をもらって転職したケースを何度も見てきました。

あるシンガポール人は転職してIT系の会社に「シニアエンジニア」というポジションで転職しました。しかし、週末になると私の同僚にプログラミングのことで質問がよく来たようです。実際にはできないのにハッタリで面接を突破したのでしょう。

私もシンガポールで働くようになって自分を強くアピールするようになりましたが、それでも彼らにはかないません。やはり海外では言ったもの勝ちで口の上手い人が昇進しているケースも見受けられます。エンジニアリングの会社としてそういう姿勢を私は受け入れたくないのですが、そういう実態があるのも事実です。

なので、私はウソを書いても仕方がないというのが本音です。一度でも経験のあることであれば書いてもいいと思いますが、全く経験のないことを書くことはやめましょう。

ぱっと見てわかるようにスキルを強調しよう

エンジニアとしての経験をお持ちであれば、下図にあるように一覧にしてスキルをまとめましょう。詳細は後ほど解説します。

スキルセットで自分のできることを簡潔にアピール

エンジニアや理系の求職では「〇〇のできる方」と具体的に求められていることが多いです。例えばこのような感じです。

  • オシロスコープの使える方
  • Pythonによるプログラミング経験のある方(〇年以上)

つまり、求職内容に上記のような記載があれば、履歴書一式を受け取った採用担当者はその求めているスキルがあるかどうかを先にチェックするはずです。

その時にパッと見て伝わる書き方をしていれば書類審査で有利になります。求職者側も自分のスキルをこのようにまとめてあれば、アピールしやすいでしょう。

私が最初に転職したときは、右も左もわからずにもらったテンプレートに合わせて書いたためスキル表は入れませんでした。しかし、経歴が長くなり職務内容がバラバラに記載されていることに違和感をおぼえ、上記のスキル表をまとめました。

その結果、応募時の書類審査や面接がスムーズにいくようになりました。オシロスコープの経験があることをスキルリストに入れていたのが面接官の目に留まり、ハードウェア技術者の経験があることを一気にアピールすることができました。経歴の話はその後になりました。

このようにどこで働いていたかよりも、何をやってきたか(何ができるか)の方が重要なのです。

職務経歴書の具体的な書き方

では具体的に解説していきましょう。

私の職務経歴書は日本の会社と外国(シンガポール)の会社の2社の職務経歴と、さらに大学院博士課程でやった研究内容を入れた内容になっています。

職務経歴書全体を通して重要な点は、採用担当者の目に留まるように簡潔に書くことです。採用する側はいろいろな経歴書を見てきているので目は肥えています。余計なことは一切書かずにパッと見てわかる書き方にしましょう。

ページ数は多くて4ページです。私自身、色々なことを経験してきたためどうしても量が多くなってしまうのですが、重要な点に絞ったり、重複する内容を削ったりして4ページに収めています。

冒頭部分は名前と概要を伝える部分です。順に見ていきましょう。

職務経歴書の冒頭部分

職務経歴書というタイトルの次は右寄せで日付と氏名を書きます。ここは問題ないでしょう。

職務要約はできるだけ箇条書きで書きます。以前は文章で書いていたのですが、この方がパッと見てわかりやすいと考えて変えました。日本の会社でも外国の会社でも同じ書き方です。

在籍した会社を古い順に書きます。一行目に在職期間・在職年数・会社名を書き、改行してスペースの後に業務内容を簡潔に書きます。経歴が多いと行数も多くなりますが、似たような業務内容であれば違う会社でも同じ行にするなど工夫は可能です。

専門分野は自分の経験をアピールできる内容を書きます。私の場合はもちろんエンジニアですが、ITとモノづくり(電気電子系)の両方を経験しているので「〇〇エンジニア」とは書かずに「エンジニア」としました。

また、管理職の経験はありませんが、チームリーダーとして業務をした経験はあります。今後マネジメントの仕事を希望する意味も込めて「マネジメント」を追加しました。

私もそうですが、一度提出して後で「あれを書くの忘れた!」という経験はあるでしょう。気が付いた時点で修正しましょう。もし提出してしまったのであれば、日付を更新して常に最新版とするように心がけましょう。

誰でも一度で完ぺきなものは作れません。その時点でのベストかどうかを見極めて提出しましょう。何度も書き直して良いものにしていきましょう。

職務経歴

ここではシンガポールで勤めていた会社の例で説明します。日本の会社の場合これよりも少なくなるはずです。

職務経歴

§会社概要

まずは会社の名前・就業期間・事業内容・会社の規模を書きます。会社の売り上げを書く場合もありますが、多くのケースでは資本金を書きます。最近は会社のホームページに会社概要があるので、事業内容や資本金はそこから引用できます。

私の場合、シンガポールの会社は日系の現地法人でしたので、親会社の情報も併記しました。この併記は勤めていた会社は日本ではないというアピールも含みます。実際にシンガポールの会社は資本金がわからなかったため、親会社のデータを書きました。従業員数も含めてわかる範囲で書きましょう。

§業務内容

表の左の列には部署名と役職名を書きます。日本の会社の平社員には役職もポジション名もありませんが、外国の会社では基本的にあります。海外では部署名とポジション名を一緒に書くのが普通です。

このケースではエンジニアとチームリーダーを兼任しているので両方書いてあります。他にもあればすべて書きましょう。

中央の列では、職務内容をまとめたタグを書きます。このタグは先に書いた専門分野の下にくるカテゴリです。ここでは次のようなタグを使いました。

  • マネジメント→プロジェクトマネジメント、チームマネジメント、社内トレーニング(技術研修講師)、技術翻訳・通訳
  • エンジニア→開発、設計、品質管理、システムインテグレーション、リサーチ、ソフトウェア開発、技術営業

これがあることで、次の業務内容をわかりやすくカテゴライズできます。

右の列には業務内容詳細は実際に経験した内容を箇条書きで書きましょう。できるだけ具体的に書きましょう。専門用語は使わない方が好ましいですが、面接官もエンジニアであれば専門用語でも通じるので括弧書き()にして記載しています。

違う会社で重複している内容が多ければ、新しい方の会社にだけ書いて古い会社では省略しましょう。本当に全く同じ業務しかないのであれば仕方ありませんが、基本的には冗長です。

§末尾には成果/PRと退職理由

表の末尾にはその会社で何が得られたか、どのような成果があったかを書きます。2行程度で簡潔に書きます。また2社で働いていれば2社とも書きます。得られることは務めた会社によって違うはずです。

退職理由(まだ在職していれば退職希望理由)も必ず書きます。マイナスな理由(面白くないとか給料が安いなど)しか思いつかないのであれば、その会社にはまだ留まるべきです。「この会社でやり残したことはもう何もない!」と胸を張って言えて初めて次のステップに移るべきです。

私は常に「エンジニアとしてあと何ができるか?何をやり残しているか?」を考えています。そして時代が変わるにつれて新しい技術も出てきています。博士号を取った身としては常に時代の先端にかかわりたい、という根拠からこのように書きました。

複数の会社で働いていれば、同じ様式で残りも展開します。

スキル・資格

スキルは先にも述べたように、エンジニアにとって一番重要な項目です。漏れの無いように一度でも経験のあることは記載しましょう。

スキル・資格

私の場合、大学院生の頃に使った統計的なデータ解析手法とプログラミング経験、日本の会社で身につけた測定器スキル、さらにシンガポールの会社で身につけた品質管理手法など多大な量になっています。

私自身スペシャリストになりたくて貪欲にやってきたのですが、この経歴書を見ると大抵の採用担当者はジェネラリストとみなしてしまいます。そのためか、できる仕事が限られてきてしまっているようです。

各リストの解説をしましょう。

  • PCスキル:いわゆるパソコンソフトです。MS Officeは当然のこと、CADやLotusNotesなど他のツールも入れています。Acrobatは余計だったかもしれません。
  • プログラミング言語:主に大学院生の頃に使った言語を記載しました。IT系のスペシャリストであれば、各言語を何年くらい・何の開発で使用したかを書くのもアピールになるでしょう。
  • データ解析手法:同じく大学院生の頃にデータ解析で使ったツールを記載しました。最近はディープラーニング(人工知能やAI、機械学習ともいわれる)が世間でも知られるようになったため、その時に携わったAI手法も記載しました。程度の差はあれ、どの手法も知識はありウソは書いていません。博士号を取得するにはどうしてもこれくらいの知識量が無いと専門家にはなれません。
  • 品質管理手法:シンガポールの会社でやってきた内容です。品質管理エンジニアの海外求人も見たことがあるため、アピールとして入れました。
  • 主な出張先:必ず書くべき内容ではありません。私の場合は履歴書で「転勤や出張が可能」と書いたので、実際にどこへ行ったことが整合性をとる目的で記載しました。さらに、大学院生時代に国際学会発表もやっているので(学会発表を含む)と一言添えました。

資格は履歴書にも記載していますが、履歴書を見ずに職務経歴書だけ見ても理解してもらえるように一覧で書きました。採用担当者に対する配慮でもあります。

現在勉強している資格があれば、それを記載しても問題ありません。大切なのはなぜその資格を勉強しているのかです。

履歴書でも同じですが、資格は応募に対してアピールになるものだけ書きましょう。私は記載していないもので「中型自動二輪車免許」や「中国語検定準4級」も持っています。しかし、エンジニアの職としてアピールにならないものです。たくさん書くとアピールしたい内容が逆に目立たなくなります。

このスキル・資格は1ページ目に入れた方がアピールになります。私の場合は職務経歴の改ページなど書式が崩れてしまうため、このスキル表を4ページ目に入れました。ただ今思えばもう少し工夫して1ページ目の職務経歴の前に入れても良かったと反省しています。

自己PR

最後に職務経歴全体を通じて、ご自身のアピールポイントを書きます。

自己PR

私の場合は先にも述べたジェネラリストなことと、海外での業務経験をアピールしています。また「サバイバル」というキーワードで、どこの国でも働ける点をアピールしています。

このアピールは150字前後で簡潔にまとめ、その内容を表すタイトルを【】で書きました。あまり分量を書きすぎても不自然です。

まとめ

以上、長くなりましたが最後にまとめましょう。

  • 基本的には箇条書きなどで簡潔に書く。
  • スキルセットや資格はまとめて書く。
  • ウソを書いてはいけないが、一度でも経験のある内容は書く。
  • 思い出したらすぐ修正して常にベストの状態を維持する。
  • 4ページ以内にまとめる。

大切なことなので何度も書きますが、採用担当者の方の目に留まるようにポイントを押さえた書き方にしましょう。

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