英語学習に洋画やドラマ視聴をおすすめしない3つの理由
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Youtube のおかげでネイティブ英語に触れる機会が増えました。
特に英語系 Youtuber はネイティブと会話する動画も公開しており、ネイティブとの会話にあこがれる人もいることでしょう。
映像を使った英語学習は昔からあります。洋画や英語のドラマを視聴する方法です。果たして効果的なのでしょうか?
この記事は海外在住 5 年以上の私が、洋画や英語のドラマによる英語学習方法についてコメントします。
結論からいうと、おすすめしません。非常に効率が悪いからです。
上の図に 3 つの理由を書きました。各理由の詳細を説明し、代わりに私が実際に学習した方法を紹介します。
洋画や英語のドラマは「スカスカ」な英語教材
このセクションでは 2 つの理由を説明します。
1 つ目の理由は「実践的な英会話は学べない」です。
あなたの好きな登場人物のそのセリフ、自然に出てきたものですか?
ちがいますよね。台本をベースに「作られた言葉」ですよね。
「生きたコミュニケーション」である日常英会話で、そのセリフを使う機会はどれくらいありますか?
こう質問されたら答えが難しいでしょう。
実践的な日常英会話はドラマや洋画の「作られたセリフ」では学べない、これが持論です。できたとしても単語力の増強くらいではないでしょうか。
そういうと「実話をもとにした映画もダメなのか?」、「小説だって作られた言葉じゃないか」という批判もあるでしょう。
そこで 2 つ目の理由「情報量が圧倒的に少ない」の登場です。
ドラマの台本と小説で決定的に違うことがあります。
- ドラマや映画 → 映像と音声がメイン。だからセリフの量は最小限。映像と音声でストーリーの多くをカバーしている。
- 小説 → 活字がメイン。情景を読み手に想像させるため、セリフ以外の説明文章も必要。
もちろんドラマや映画を視聴するにも想像力は必要です。しかし 3 つめの理由で説明しますが、受け身で情報を受け取るので小説ほど想像力は不要です。
さらに、時間に対する情報量も違います。
ドラマは 1 本 60 分、洋画は 1 本 90 分としましょう。その時間でどれだけの英文に触れることができますか?
『渡る世間は鬼ばかり』のような、セリフが長いことで有名なドラマは洋画でもあるのでしょうか?
あるとすれば裁判物とかでしょうか?詳しく調べたことはありません。しかし小説の方が学習時間に対して情報量(英文量)が多いことは確かです。
洋画やドラマは時間がかかる割に情報量(英文量)が少なく英語学習にとっては非効率的なのです。
以上のことから、洋画はドラマは英語教材としては「スカスカ」なのです。
「リスニング能力チェック」であれば洋画やドラマの活用も問題ないでしょう。それかエンターテインメントと割り切って英語の世界を楽しむことです。
テレビのような受け身の学習よりも小説を読む能動的学習をおすすめ
3 つめの理由は「受け身なので学習量に限界がある」です。
もう一度比較しましょう。英文の受け取り方も下記のように違います。
- ドラマや映画:受動的(テレビと同じ)
- 小説:能動的(自分から読まないと英文が頭に入らない)
脳科学的には「興味のあること」は記憶に定着しやすいことが分かってきています。
なので積極的に英文を読む「多読や音読」の方が脳がより活発に働いていると考えています。
実際、私の英語学習もほとんどが洋書多読と音読です。
洋書多読で「英文のパターン」を頭に叩き込みました。何度も出てくる表現ほどよく使う可能性が高いからです。
洋画では「よく使う英文が出てきにくい」というのが個人的な感想です。
「こどものような集中力があれば映像からも学べる」という考えもあります。でも私の経験上、やっぱり英語力は上がっていません。
私は小学生くらいまでディズニーアニメが大好きでした。ドナルドダック対チップとデールのドタバタ劇は何度も繰り返し観ました。当時のビデオテープには英語版もありました。
しかしこのディズニーアニメで私の英語力の土台ができたか?と聞かれても「ほとんど忘れている」というのが答えです。
私は海外生活を 5 年以上経験しており英語のできる日本人にたくさん会っています。「洋画やドラマで英語を身につけた」という人に出会ったことはありません。
オーディオブックだと多読と音読両方できる
「そうは言っても、ストーリーを楽しみながら英語力を身につけたい」
それは私も同じでした。
洋書多読で絵本を読み始める前、私は「ディズニーアニメの絵本 CD 付き」を最初に購入しました。
今なら洋書児童書のオーディオブックがたくさん出ているでしょう。 CD で買う必要はありません。
学習当時の記録を振り返ると、下記に示すストーリーを購入していました。
- Alice in Wonderland (不思議の国のアリス)
- Sorcerer’s Apprentice, the (ミッキーの魔法使いの弟子/ファンタジア)
- Peter Pan (ピーター・パン)
- Dumbo (ダンボ)
- Winnie the Pooh and the Blustery Day (プーさんと大あらし)
- Pinocchio (ピノキオ)
少ない英文量と多数のイラスト。ネイティブが朗読している音声付き。ストーリーを何度も読んだり聞き流したりしていました。
もちろん上記の数冊だけで劇的に英語力が伸びたわけではありません。
しかし上記の絵本がきっかけで英語に対する抵抗が減りました。そして数年後に洋書を多読するきっかけになり、そして英語コンプレックスを克服。海外で働くまでになりました。
まとめ
英語のドラマや洋画を視聴するなということではありません。英語の教材としてではなく、エンターテインメントとして楽しむために観ましょう。
あくまでも効率的な学習には向いていないということです。
この記事をまとめましょう。
- 映画やドラマのセリフは台本で作られたものであり、日常英会話として実践的ではない。
- 映画やドラマは学習時間に対して触れる英文量が圧倒的に少ない。小説などの洋書多読の方が多くの英文に触れることができる。
- テレビ視聴のように受け身的な学習よりも、積極的に読む洋書多読の方が効率的。
- ストーリーを使った英語学習をするなら洋書の絵本が良い。ネイティブの朗読音声付なら多読と音読両方できる。