海外に住めば英語は話せる?日本で学習した方がコスパはいい

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英語に対するコンプレックスをお持ちですか?それとも英語力が伸び悩み、留学などをお考えでしょうか?英語学習を通じて、私も含めて誰もが一度は持つ悩みではないでしょうか。

この記事では「日本にいながらにして英語力は身につく?」、「海外に行けば英語力は話せるようになる?」という質問にお答えします。

結論から言うと、海外に出れば英語ができるようになるのは幻想です。日本で学習する方が効率もコストパフォーマンスも良いのです。私の経験を惜しみなく公開します。

経験談:ベルギーに住んでいるけどフランス語は話せません

この記事の執筆時点で、私はベルギーで1年半以上働いています。しかしベルギーの公用語であるフランス語・オランダ語・ドイツ語のどれも全くしゃべれません。

もし「アメリカに長期滞在すれば英語はしゃべれるようになる」のであれば、同じ理屈で「ベルギーに長期滞在している私はフランス語がしゃべれるようになる」はずですよね。

しかし実際にはそうなっていません。なぜでしょうか?

理由は3つあります。

  1. 仕事は英語(と日本語)でやる
  2. 日常生活でも求められていない
  3. 現地で自ら勉強していない

フランス語と書きましたが、ベルギーは連邦制なので公用語は住む地域により違います。私の住むフランダース地方(フランダースの犬でおなじみ)はオランダ語が公用語です。

幸いにもオランダ語が話せる人は英語もできるケースが多いのです。そのため住居の契約や役所の手続きも英語で対応してくれました。また外国人向けのオランダ語講座の案内を役所からもらいましたが、受講しなくもここまで困らずに生活しています。

英語がすでにできるから問題がないのでは?とお考えですか?もし私の滞在先がフランスやドイツだったらこうはいかないでしょう。

フランス語ができないとフランスでは相手にされなかった経験をした人を知っています。

私の知り合いで20年前にドイツに引っ越した人は、役所で自分の番が来るまで3時間待ったにもかかわらず、自分の番になったら「ドイツ語ができる人を連れてこい」と1分で追い返されました。

アメリカでも英語ができなければ同じようなことが起きると考えられます。

海外にいても意識してその国の言葉を学習しなければ身につきません。

海外にいても自宅に引きこもって日本語だけで生活すればなおさらです。いまはスマートフォンで Youtube 動画や SNS でいくらでも時間をつぶせます。外国で日本語だけの環境を作るのも簡単なのです。

海外に行けばたいていどこにでも中華街はありますが、中国語しか話せないスタッフを私は何人も見ています。中国語でも同じことは起こりえます。

夢を壊すようで申し訳ございません。しかしこれが現実です。ただ海外に長期滞在すれば語学が身につくのは幻想です。ありえません。

自分で環境を作れば学習場所は関係ない

私の英語学習はほとんど日本国内、仕上げにセブ島語学留学

結局、語学を習得するには自分で意識的に学習するしかありません。そして学習方法さえ間違えなければ日本にいながらにして英語だけでなく他の外国語も習得できます。

私は10年近く英語学習を続けてきましたが、そのほとんどは日本でした。フィリピンに語学留学をしましたが、そのとき私はすでに TOEIC 750 点でした。ですので TOEIC 700 点台までは日本で身につけることはでると断言できます。

ではどうして語学留学をしたのか?それは「英語で業務を進めるための実践的なコミュニケーション力を身につけたかった」からです。

基本的な英会話のフレーズは日本で覚えてきたので、英会話そのものはすでにできました。しかし海外で働くと決意した私に必要だったのは「英語によるビジネス的な提案、交渉、より実践的なトーク力」だったのです。

これらはさすがに日本に行くよりも英語で話す環境でやるべきと判断したので、フィリピン・セブ島に1か月滞在して徹底的に鍛えました。私はリスニングが苦手でしたが、3週間後くらいから聞き取りができると効果を実感できるようになりました。

もう一度書きます。英会話の基本的なフレーズや単語力は日本で身につきます。また TOEIC も700点台までは日本でとれます。語学留学に何十万円も使うよりも、日本にある英語の教材を正しい方向で徹底的にやりこむ方がコスパは断然いいです。

関連記事:英語習得物語 第12話:~そしてフィリピン・セブ島留学へ~

極端な話、引きこもれば日本でも英語はできるようになる

日本で引きこもって英語を習得した例

英語学習について書かれた本はたくさん読んできましたが、残念ながら多くのノウハウ本は表面的なことしか書かれていません。そんな中でどうしても紹介したい本があります。

菊池健彦先生の『イングリッシュ・モンスターの最強英語術』に書かれているお話しはぶっ飛んでいるのでここで紹介させてください。

菊池先生は34歳で日本での仕事を辞めて引きこもりになりました。引きこもり生活が暇だったので、菊池先生は貯金を崩しながら趣味として英語の勉強を始めます。

7年間の引きこもり生活の中で、試行錯誤して単語力、発音、リスニング、英作文を学習します。スキルが上がっていくうちに英語のニュースも読めるようになります。

ついには『タイム』や『ニューズウィーク』などの英字新聞の政治記事に納得ができなくなり、反論のメッセージを英語で送るようになります。これらのメッセージに雑誌社も丁寧に対応し「貴重なご意見ありがとうございます」というハガキを英語でもらうようになりました。

引きこもりながら、英語で交流ができるようになったのです。それも日常英会話ではなく政治的な議論ができるようになったのです。

最終的に貯金は底をつきました。仕事を探すために英語の資格をとろうと試しに TOEIC を受験したら970点、しかも全問解答してまだ時間が30分余ったとか。2010年12月までに990点満点を24回とったのです。

もちろん留学経験ゼロです。

まるでドラゴンボールの「亀仙人の甲羅を背負って修業した孫悟空とクリリンが、甲羅を外したら超パワーアップしていた」ように感じるのは私だけでしょうか?

なんだか泥臭い話ですし、私も含めて真似できる内容ではありません。また世間的な価値観でいえば菊池先生のとった行動は怪しすぎます。

それでも紹介したかったのは「日本にいながらにして英語力は身につく」というこれ以上ない実例だからです。

TOEIC 970 点という英語力をものにした菊池先生は英語講師の仕事を探します。そして謎の募集要項により仕事を探すことに苦労します。同書から引用させていただきます。

けれども、実際に講師の職を探すのは難しかった。大手の英会話学校の日本人講師の採用基準は、軒並み「TOEIC850点以上と1年以上の英語圏での生活体験」だったからだ。

そこで仕方なく、中学生や高校生の受験指導のピンチヒッターを時給500円ぐらいでやるところから始めた。

でも、ボクは500円あれば一日暮らせるのだから大丈夫!

菊池健彦 『イングリッシュ・モンスターの最強英語術』 集英社 (2011) kindle 版位置 No. 307 付近より引用

海外の一流ニュース雑誌と英語で議論できる英語力があるのに、海外生活をしていないというだけで英語講師の応募資格すらない。

いかに世間の英語に対する価値観がずれているのか。これが現実なのです。

語学習得とダイエットの本質は同じ、継続が命

英語学習を生活の一部にしよう

楽して本当に英語は習得できるのか?

質問させてください。「楽して語学力を身につけたい」と考えていませんか?

語学の習得は筋トレやダイエットと本質は同じなんです。筋トレもダイエットも続けないと効果が出ないのと同じで、英語力を上げるには継続した学習が絶対に必要なのです。

耳が痛い話かもしれません。しかし私自身、何年も英語力が伸び悩み苦しみました。もしあなたが同じ悩みを抱えているのであれば、私のノウハウを参考にしてください。

同じ苦しみを持った人に、私のノウハウはすべてシェアしています。英語で国際規格の交渉までした私の英語学習のエッセンスはこのシリーズですべて公開しています。

もし学習が続かないのであれば、この3つを自分自身に問いかけてみてください。

  • なぜ英語を勉強するのか?明確な目的はあるか?
  • 英語を楽しく学習できているか?
  • 続けやすい生活習慣や環境を作っているか?

各質問について詳しく解説しましょう。

あなたにとって英語はどうしても必要か?

まずは「なぜ英語を勉強するのか?明確な目的はあるか?」についてです。

本気で英語を習得したいと考えていますか?あくまでも例えですが、ビジネス英会話をスムーズにできるレベルの英語力を身につけるには、ボディビルダーになるくらい筋トレを頑張るくらいの目的意識が必要です。先ほどのドラゴンボールの例と同じです。

もし趣味で英語学習をやるのであればここまで考える必要は全くありません。好きな時に好きな時間だけ学習すればいいですし、 TOEIC のスコアを気にする必要もありません。

しかし本気で語学力を身につけたいのであれば話は別です。「英語が話せたらかっこいいな~」くらいのモチベーションでは、残念ながら難しいでしょう。

振り返ると、20代の私は本当に必死でした。「自分は技術者として世界で勝負したいんだ!」という意識の高さは周囲に引かれました。そのため友達も少なかった気がします。

でもこれくらいのモチベーションがあったからこそ、シンガポールやベルギーといった異国の地の仕事を英語でできるようになったのです。

あなたにとっての「英語を使いこなす目的」は明確ですか?

苦しむより楽しむ方が継続しやすい

次に「英語を楽しく学習できているか?」です。

会社の評価や大学の卒業要件で TOEIC スコアを求められている人には苦しみしかないでしょう。

どうせ学習を続けるなら苦しいより楽しい方がいいですね。誰でも同じです。自分にとって楽しめる学習法をみつけましょう。それだけでもメンタル的には全然違います。

私の場合は洋書の多読で「英文だけでストーリーを楽しめた」というプチ成功体験がありました。もともと読書が好きな私にとって洋書多読は楽しく継続できた学習法でした。

あなたにとって楽しめる学習法はなんですか?読むことですか?視聴ですか?それとも創作ですか?これらとすでにある学習法をかけ合わせてみるのはいかがでしょうか。

別の記事にて2つのコースによる学習要領を解説しました。苦しい人向けの「コーチ有コース」と、楽しく学習できる人向けの「独学コース」です。どちらも学習方法自体は確立しています。

関連記事:おすすめの英語学習法はある、上達に必要なのはコーチング

ちょっとした生活習慣から変えていこう

最後の質問は「続けやすい生活習慣や環境を作っているか?」です。

毎日何時間も学習できればそれは理想的です。しかし現実は違います。学生だろうが社会人だろうが1日のスケジュールは決まっています。

何度も言いますが、大切なのは継続です。1日にまとめて学習するよりも、毎日少しずつ学習を続ける方が長い目で見て確実に英語力は伸びます。

あなたにとってのすきま時間はいつですか?30分から1時間くらいの時間が毎日確実に確保できるタイミングをみつけましょう。

よく言われるのは通勤(通学)時間中です。乗りたい電車やバスを待っている時間や、移動中に時間があります。その間に洋書を読むか、単語帳を開くか、何かしらの作業はできますね。少なくとも平日の5日間の往復で10時間ほど学習時間が確保できるかもしれません。

私は通勤が車だったのでその手は使えませんでした。英語の音声を車内で聴いてリスニング力のレッスンもできましたが、運転に集中できず危険なので断念しました。

私にとってベストなすきま時間は朝の出勤前でした。

小さいころから朝型人間だった私は、本当に疲れていない限り目覚まし時計がなくても朝6時半には目が覚めます。そこから出勤前までの30分から1時間で洋書多読や音読をやりました。

毎朝のこの学習が終わってから出勤する習慣が何年も続きました。実際に音読では1日30分を3か月続けて TOEIC スコアが95点上がったこともあります。

あとはその時間に何をやるか、ご自身で工夫してください。

関連記事:英語学習に停滞期はつきもの、成功体験と習慣化で乗り越えよう

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。私自身何年も英語力が伸び悩み、苦しんできました。

自己管理の方法や私が実践した多読・音読も別記事で解説しましたのであわせてお読みいただければ嬉しいです。私が試行錯誤した結果から本当に使える方法だけを厳選しています。

この記事をまとめましょう。

  • 海外にいるだけで語学力は絶対に身につかない。本当に英語を習得したいか?目的意識を持とう。
  • 語学留学よりも日本で学習環境を作る方がコスパは断然良い。
  • 大切なのは日々の学習を継続すること。楽しみを見つけたり、継続できる生活習慣を持つことが大切。

参考文献

菊池 健彦, 集英社, 2011
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