TOEICの取り組み方と参考書を選ぶ際のポイント
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私の英語学習のスタンスは「生きた英語を身につけてほしい」の一点だけです。受験テクニックでスコアを上げる方法は本来のやり方ではありません。
そうは言っても、仕事上 TOEIC を受験しなければいけない人がたくさんいるのも事実です。そういう人たちに向かって「生きた英語を学ぶのが絶対」と押し付けるのは間違っています。
この記事では TOEIC という試験の向き合い方、参考書を選ぶ際のポイント、スコアに対する考え方について私の考えをまとめました。
まずはボトムアップをしよう
TOEIC 全般の対策と試験当日の攻略と対策については以下の記事にて既に解説しました。あせてご覧ください。
私からのアドバイスです。着実に一歩ずつ向上しましょう。
TOEIC で言えば、 Part 1, 2, 5, 6 (短文で構成されている問題)を徹底的にやり、地力をつけてスコアのボトムアップをします。そして最終仕上げとして Part 3, 4, 7 (長文で構成されている問題)をやりましょう。
このシリーズでは何度も伝えましたが繰り返します。短い英文が高速で処理できなければ長い英文は処理できません。これは私が音読で気が付いた本当に大切なことです。
ところが、ある程度英語力がつくと「こんな英文は簡単」とわかった気になってしまいます。
これが罠です。
私も 700 点で 4 年間停滞しました。停滞していた時期も自分では謙虚に学習していたつもりです。ところが、スコアが上がらないという客観的な事実が受け入れられませんでした。あれこれ他の学習法に浮気もしましたが、結果的にはうまくいきませんでした。
試行錯誤のうえでたどり着いたのが短文英文の音読でした。その時の苦悩と克服方法については以下の記事にまとめました。
そういった罠に陥らないようにするためにも、短い出題文を徹底的に攻略しましょう。リスニングであれば Part 1 と2, リーディングであれば Part 5 と 6 です。
たとえ Part 3, 4, 7 がダメでも、他のパートで正解できればある程度のスコアはとれます。偏りはありますが、着実に向上するためにはそれもありではないでしょうか。
対策本を買うなら同じ著者の本を極力避ける
以前の記事で紹介した 3 冊の参考書はすべて著者が異なりました。どうしてでしょうか?
先生ごとに得意分野とそうでない分野があるからです。その理由を説明します。
サッカーでプロになれても、野球でプロになれるとは限りません。ある分野には秀でていても、すべての分野に精通している人はそうはいません。
TOEIC のプロのことを日本では TOEICer (トーイッカー)と呼びます。 TOEIC は問題が持ち帰れないので頭に記憶して持ち帰り、出題パターンを分析して教材に反映させています。すごい人たちです。
ただし、プレイヤーとしてすごいからといって、教えることまで得意とは限りません。面白いことに、 TOEIC のパート別にみても得意/不得意がありそうです。
私が選んだ本は、著者が最も得意としていると思われるパートの参考書です。
もし私の紹介した本に不満があれば、自分に合う先生を見つけてみるのも良いでしょう。
参考書を通じて長時間の試験を乗り越えられる集中力をつけよう
TOEIC は全速力で 2 時間問題を解き続ける試験です。マラソンと言いたいところですが、マラソンよりもイメージ的にはきついです。全問を全力で解答するのは、短距離を走るのと同じスピードで長距離を走る感覚です。
そういう意味ではむしろトライアスロンと言っても良いでしょう。トライアスロンはスイム・バイク・ランの 3 種目あり、かつどの種目にも制限時間があります。 TOEIC にはリスニングとリーディングの 2 パート、全 7 パートあります。これらのパートを 2 時間以内に解くのは、それくらいの大変さです。
TOEIC で求められるのはスピードです。何度でも言います。英文を速く処理できるように鍛えることが必須です。リスニングはナレーションに合わせるため自分のペースで解答できません。しかし、その場ですぐ回答する瞬発力が必要です。
そして全 200 問を解くための体力も必要です。
私からのアドバイスです。対策本を使って試験本番で力を出し切れるだけの集中力と体力をつけてほしいです。対策本を通じて単語や文法を覚えるのも良いですが、もっと本質的なことで言えば試験に慣れてほしいです。
実用的な英語と試験対策は別です。スコアをとると割り切ってください。
すでに公式問題集を繰り返し解くことは提案しました。少し矛盾があるかもしれませんが、このように考えてください。
- 対策本 ⇒ 筋トレや基礎トレーニング
- 公式問題集 ⇒ 本番を想定したリハーサル
人によって目標スコアは違うでしょう。何度も試験を受けるのは苦痛のはずです。
英語が使いこなせると新しい世界が開けます。試験から解放されて、実際に英語を使いこなして世界が広がる感覚を味わっていただきたいです。
TOEIC満点の誘惑に負けるな
1 点だけ最後にアドバイスです。 TOEIC 満点講師の肩書に注意してください。
TOEIC 満点を取るのはすごいことですが、そもそも満点を目指すのが目的ではありません。会社内の評価を上げたり、留学に必要なスコアを取るのが本来の目的です。
TOEIC と実践英語は別です。 TOEIC という試験を外国人は知らないと思ってください。海外に出たいのであれば、試験よりもどんどん英語を使って経験を積んでほしいです。
もちろんその先生の教える中身が良ければなにも問題はありません。ただ何度も言うように、自分ができることと教えることは別問題です。 TOEIC 満点はその講師のブランドを高めるためのフレーズです。
実際に教えるのが上手な先生かどうか、レビューなどで見極めましょう。必ずしもそうではないはずです。
まとめ
英語学習の情報は溢れているため、正しい情報かどうかの見極めは難しいかもしれません。それでもこのシリーズでは私の経験とノウハウを全て公開しました。あとは実践だけです。
少しでも英語を克服できるお手伝いができれば嬉しいです。
この記事をまとめましょう。
- まずは短い英文で構成されている問題を徹底的に攻略する。長い英文は短い英文の発展形。
- TOEIC のプロでも得意分野は異なる。的確なアドバイスをしている先生を見極めよう。
- TOEIC はトライアスロンのように複数の種目に制限時間がある試験。すぐ解答できる瞬発力と長時間の解答をするための体力の両方が必要。