【対訳】ゾーマは美学を貫いた—ドラクエ3で英語を勉強しよう

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祭壇でゾーマと初対面

ドラクエ 3 で英語を勉強するシリーズ。今回はゾーマ編です。

ゾーマのセリフは英語でなんというのでしょうか?ラスボスらしい己を貫くイメージが英語のセリフから伝わりました。

今回も対訳形式で解説します。

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バトル直前のセリフ

ゾーマの玉座でのセリフ

何故もがき生きるのか

SFC日本語版
オズよ! なにゆえ もがき 生きるのか?
スマホ英語版
Still you cling pathetically to life, Oz?
スマホ英語版日本語訳
いまだ悲しくも生きることに執着するのか、オズ?
※オズ (Oz) は勇者の名前、オズの魔法使いより拝借

短い文ですが見慣れない単語があります。解説しましょう。

cling は「しがみつく、執着する、愛着をもつ」です。何に執着するのか?生きることに (life) です。 cling to で「~にしがみつく」です。

pathetically は「感動する、悲しい、痛ましい」です。この場合は哀愁漂う悲しさでしょう。

still (まだ)と合わせると、英語のセリフは原文の日本語とほぼ一致しますね。

このセリフの「もがく」という意味を英語で説明するとこうなるのでしょう。

死にゆく者こそ美しい

SFC日本語版
ほろびこそ わが よろこび。 死にゆく者こそ 美しい。 さあ わが うでの中で 息絶えるがよい!
スマホ英語版
Very well. It seems only right that I, who will take such pleasure in your death, should deal the killing blow myself. Now come! Come to me, and show me how beautifully you die!
スマホ英語版日本語訳
よろしい。これだけが正しいのかもしれない。そなたの死がこれほどの喜びに感じる私が、自分で仕留めることこそ。さあ来い!私のところで、そなたが美しく死ぬのを見せてくれ!

ちょっと英文の方が長いです。ふたつめの英文を集中的に解説します。

間にある “who will take such pleasure in your death” は「誰かがそなたの死について喜びを感じる」です。

death は「死」ですね。 take は「とっていく」ですが、ここでは「感じる」としています。 pleasure は「喜び」で、 such (そのような)と付け加えています。

誰が喜びを感じるのか?ゾーマです。カンマを無くすと “I who will…” であり who は I のことを指します。そして I はゾーマのことです。

最後の “(I) should deal the killing blow myself” がとてもセリフ的で訳が難しいです。ここでは「自分で仕留めることこそ」と訳しました。

直訳すると「わしが自分自身で殺人的な風を扱うべきだろう」です。これでは意味不明ですね。

blow は「一吹き、強風、風が吹く」です。そのまえに killing があるので「殺人的な風」です。なので「一発で仕留める」というイメージですね。

deal は「取引、政策」です。 should と合わせて「自分で扱うべき」です。そのため「自分で仕留めることを担うべき」になります。

最初の “It seems only right that” は「これだけが正しいのかもしれない」と訳しました。that 以降の文が正しいようだ、です。 1 文が長くなりすぎるのでここだけあえて分割しました。

seem(s) は「~のようだ」、 right は「正しい」ですね。

英語のセリフを何度も読み返すと、個人的には「ゾーマかっこいい」と。さすがラスボスにふさわしいセリフだな~と勝手にしみじみ思っています。

ただ英語版だと不特定多数の人の死を喜ばないように配慮していますね。

日本語版のセリフだと「死にゆく者は誰もが美しい」と受け取れます。しかし英語版だと「勇者が死ぬのが喜びであり美しい」と言い換えています。

闇の衣をはがす

光の玉でバリアを外す

光の玉を高くかかげた

SFC日本語版
ジークは ひかりのたまを たかく ささげた! あたりに まばゆい ばかりの ひかりが ひろがるっ!
スマホ英語版
Zeke reverently offers up the Sphere of Light! A blinding light shines all around!
スマホ英語版日本語訳
ジークはうやうやしく光の玉をささげた!目がくらむほどの光が一面に輝く!
※ジーク (Zeke) は武闘家の名前、オズの魔法使い「臆病なライオン」の名前より拝借

対訳はほぼできているので単語だけ解説しましょう。

reverently は「うやうやしく、敬意をもって」です。うやうやしくは「いやらしい」ではありません。礼儀正しい作法をもって、という意味です。

offer(s) up は「ささげる、提案する」です。重要なシーンなので言葉を選んでいる感じが受け取れます。

the Sphere of Light は「光の玉」です。

blinding は「目をくらますような」です。確かドラクエ 1 で竜王から光の玉を取り戻した際にも同じ表現があったはずです。

shine(s) は「輝く」です。カタカナでシャインといいますね。

all around は「四方に、一面に、いたるところに」です。

関連記事:【対訳】竜王とエンディング—ドラクエ1で英語を勉強しよう

バリアを外す術を知っているとは

SFC日本語版
ほほう…。 わがバリアを はずす すべを しっていたとはな。
スマホ英語版
Hm hm hm! So you have learnt how to overcome the wards of sorcery that protect me?
スマホ英語版日本語訳
フフフ!われを守るバリアを克服する方法をそなたは知っていたのか?

闇の衣というバリアを外しました。

“wards of sorcery” が「闇の衣、バリア」です。しかし直訳すると「魔法の城壁」です。

ward(s) は「城壁、病棟、監房」、 sorcery は「魔法、魔術、妖術」です。

英語のバリア (barrier) は「障害、妨げ」であり、シールド効果としてのバリアの意味では使われません。和製英語でしょうか。

overcome は「克服する、乗り越える」です。これ以外の意味で使うことはほぼありません。

“you have learnt” は現在完了形で「知った」です。

learn は「学習する」ですが「知っている」という意味もあります。この場合は難しい表現ですが「会得した」の方が意味は近いでしょう。

protect は「守る、保護する」です。カタカナのプロテクトと同じです。

無駄なこと

SFC日本語版
しかし むだな こと……。 さあ わが うでの なかで もがき くるしむが よい。
スマホ英語版
It matters not. Come! Dash yourselves on the unfeeling shoals of my might!
スマホ英語版日本語訳
そんなことはどうでもいい。来い!無慈悲で圧倒的な力で打ち砕いてやる!

“It matters not.” は “It does not matter.” と同じで「どうでもいい」です。ただ do not を使わず肯定文にすることで意味が強いニュアンスに感じます。

小島よしお風に言えば「そんなの関係ねぇ!」です。

最後の文 “Dash yourselves on the unfeeling shoals of my might!” の訳は少し迷いました。結果的には「無慈悲で圧倒的な力で打ち砕いてやる!」と訳しました。

dash は走るのダッシュを想像しますね。その意味もあるのですがここでは「打ち砕く、粉砕する」です。当然主人公たちをコテンパンにやっつけると言いたいのでしょう。

unfeeling は「無情な、残酷な、感覚をもたない」です。

shoal(s) は「多量の、群れ」という意味です。

might は「~かもしれない」という意味で使いますが、ここでは「ちから」という意味です。文語表現です。

これらを合わせると “the unfeeling shoals of my might” は「無慈悲で圧倒的な力」となります。

ゾーマもあとがないのでこう言って自分を奮い立たせているのかもしれません。

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ゾーマ最期のセリフ

ゾーマ最期のセリフ

光ある限り闇もある

SFC日本語版
だが 光あるかぎり 闇も また ある……。
スマホ英語版
But know this… As long as there is light… So too must there be darkness…
スマホ英語版日本語訳
しかしこれだけは知っておけ…光が存在し続けるのであれば…同じく闇も存在しているに違いない…

ゾーマ最期のシーンです。

“as long as” は熟語で「~する間は、~である限りは」です。ここでは「光ある限り」です。

後ろの英文は倒置法(英単語の順番を変える)によって意味を強めています。

言いたいことは「闇もある」なのですが、あえて must (~に違いない)によって闇 (darkness) が存在していることを強くアピールしています。

何者かが闇から現れる

SFC日本語版
わしには 見えるのだ。 ふたたび 何者かが 闇から 現れよう……。
スマホ英語版
I see it… I see that which is to come… Another darkness shall rise… Another shall take my place.
スマホ英語版日本語訳
わしには見える…わしにはどこからか来るのか見える…新たな闇が現れることを…その闇がわしを受け継ぐことを。

ゾーマには将来がみえるようです。

“which is to come” を「どこからか来る」と訳しました。これは迷いました。なぜ who や where ではないのでしょうか?

ストーリー的にはドラクエ 1 の竜王に続きます。しかしこの時には竜王以外に複数の候補者がいたのかもしれません。そのために which を使ったのであれば、とても小説的でイメージが膨らみます。

“another darkness” は「新たな闇」としました。これはゾーマに代わる闇の存在ですね。

another は「もうひとつの、第二の」ですが、 “another cup of coffee” で「コーヒーのおかわり」みたいなニュアンスでもあります。

rise は「立ち上がる」です。ただ日本語的に不自然なので「現れる」としました。

“take my place” (ゾーマの地位を受け継ぐ)なので竜王がいずれ新たな闇の存在として現れることを暗に示しています。

take はここでは「引き継ぐ」です。 place は「地位、場所」です。ここでは「ゾーマのポジションを継ぐ」だと思ってください。

そのときお前は生きてない

SFC日本語版
だが そのときは お前は 年老いて 生きては いまい。 わははは………っ。 ぐふっ!
スマホ英語版
And when he does… you will be powerless to protect your craven kind… for you will be long dead! Mm hm… Hm… (cough)
スマホ英語版日本語訳
そして受け継がれるそのとき…そなたは人々を守るほど力は残っていないだろう…そなたはすでに死んで久しいだろう…ムフフフフフ… (ゴホッ)

やっとボスを倒したのに、新しい征服者が現れるころには勇者たちは生きていないと。嫌なことを言いますね。捨てセリフなのでしょうが。

“when he does” は「受け継ぐ時」です。 does (do) とあえてぼかした言い方をしていますが、これは “when he takes my position” でしょう。とてもセリフ的ですね。

powerless は「力のない、無力な」です。

craven kind は「人々」と訳しましたが、これはずいぶんひどい英語です。 craven は「気の弱い、臆病な」、 kind は「特定の種類の人」です。

つまり勇者が守ってきた世界の住人たちのことを「臆病者たち」呼ばわりです。

“long dead” は熟語で「ずっと前に死んだ」です。言い換えて、新たな闇が出てくることには勇者たちはとっくに死んでいるよ、と。

cough は「咳をする」です。オリジナルの「ぐふっ!」に合わせて「ゴホッ」としました。

まとめ

洞窟を抜けた直後

アレフガルドに平和が戻り、ギアガの大穴がふさがってしまいました。そしてドラクエ 1 につながります。

ゾーマの英語のセリフから彼の生き様や美学が伝わりましたでしょうか?流し読みだけどわからないかもしれませんが、翻訳を通じて何度も読むことで味わい深いと感じました。

他のドラクエシリーズも今後やっていく予定です。このシリーズを通じて英語を楽しく学べるきっかけになってくれると嬉しいです!

声に出して読もう(英語のセリフ一覧)

この記事で紹介した英語のセリフを再度一覧にまとめました。下記のリストをご覧ください。

ドラクエのセリフは文語体や叙述的、詩的なものもあります。難しいセリフについてはグロービッシュや工業英語の観点から英文を書き直しました。そのため下記のセリフリストはより英会話に使えるようになっています。

音声データはありませんが、英語をある程度学習している方であれば音読教材としてお使いいただけます。ご活用ください。

  • バトル直前
    • Still you cling pathetically to life, Oz?
    • Very well. It seems only right that I, who will take such pleasure in your death, should deal the killing blow myself.
    • Now come! Come to me, and show me how beautifully you die!
  • 光の玉を使う
    • Zeke reverently offers up the Sphere of Light!
    • A blinding light shines all around!
    • So you have learnt how to overcome the wards of sorcery that protect me?
    • It matters not. Come! Dash yourselves on the unfeeling shoals of my might!
  • 最期のセリフ
    • But know this… As long as there is light… So too must there be darkness…
    • I see it… I see that which is to come…
    • Another darkness shall rise… Another shall take my place.
    • And when he does… you will be powerless to protect your craven kind… for you will be long dead!

関連記事:中学英語はフィードバックが大切?理系目線の音読学習法

このレビューで解説した英単語一覧

  • all around: 四方に、一面に、いたるところに
  • another: もうひとつの、第二の
  • as long as: ~する間は、~である限りは
  • barrier: 障害、妨げ
  • blinding: 目をくらますような
  • blow: 一吹き、強風、風が吹く
  • cling: しがみつく、執着する、愛着をもつ
  • cough: 咳をする、ゴホッ
  • craven: 気の弱い、臆病な
  • darkness: 闇
  • dash: 打ち砕く、粉砕する
  • deal: 取引、政策
  • death: 死
  • kind: 特定の種類の人
  • learn: 学習する、知っている
  • long dead: ずっと前に死んだ
  • might: (文語で)ちから
  • offer(s) up: ささげる、提案する
  • overcome: 克服する、乗り越える
  • pathetically: 感動する、悲しい、痛ましい
  • place: 地位、場所
  • pleasure: 喜び
  • powerless: 力のない、無力な
  • protect: 守る、保護する
  • reverently: うやうやしく、敬意をもって
  • right: 正しい
  • rise: 立ち上がる
  • seem(s): ~のようだ
  • shine(s): 輝く
  • shoal(s): 多量の、群れ
  • sorcery: 魔法、魔術、妖術
  • still: まだ
  • such: そのような
  • take: 引き継ぐ
  • unfeeling: 無情な、残酷な、感覚をもたない
  • ward(s): 城壁、病棟、監房

関連記事:英単語を克服するコツ、多読による覚え方と必須単語数

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※英単語の調べものには主に研究社新英和大辞典(第6版)を参考にしました。