Samsung Galaxy Fit e/Fit vs Fitbit 「睡眠の質」表示比較レビュー

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Samsung Galaxy Fit and Fit e

このシリーズの目的は、日々の睡眠状況をしっかり把握し、より良い生活ができるようにサポートすることです。そのためにスマートウォッチやアクティビティトラッカー(活動量計)の睡眠計測・管理機能を辛口でレビューしています。

この記事は韓国メーカーのサムスン (Samsung) 製アクティビティトラッカー、 Galaxy Fit と同格安モデルの Fit e の睡眠機能をレビューします。

結論を先に書くと、ハッキリ良くも悪くもありません。

入眠直後に 10 分間深い睡眠がでれば質の良い睡眠と判断できそうです。しかし睡眠の検出感度が低く不安定です。

質がよくない傾向の眠りについてはおおむね計測可能でした。詳細をみていきましょう。

Samsung Health 睡眠管理画面解説

Samsung Health (S Health) というアプリで睡眠管理をします。このアプリの機能をまずは解説しましょう。

睡眠管理画面はiPhoneとAndroidで少し違う

Samsung Healthアプリ睡眠基本画面

iPhone と Android でアプリ内の表示が一部異なるので両方紹介します。

睡眠管理の基本画面(画面上の「記録」タブ)は同じ構成です。大きく睡眠時間が表示され、その下に睡眠サイクル(睡眠図)が表示されます。

ただし iPhone 版の睡眠図は棒グラフ、 Android 版は折れ線グラフです。どうして違うグラフなのかはわかりません。

睡眠ステージはどちらも 4 種類で標準的です。

  • 非睡眠(目が覚めている状態)
  • レム睡眠
  • 浅い(ノンレム)睡眠
  • 深い(ノンレム)睡眠

睡眠サイクルの下には各睡眠ステージの消費時間や「効率」が表示されます。 Android 版は画面からはみ出ているだけで、スクロールすると iPhone 版と同様に表示されます。

「効率」とは睡眠スコアに相当するものです。アプリが提示する睡眠の評価結果です。

計算方法はアプリの説明によると「実際の睡眠時間 ÷ ([合計/総]睡眠時間 − 浅い睡眠時間)」です。

上の計算方法が正しいかどうかはわかりません。この記事では睡眠波形から評価するため睡眠効率(睡眠スコア)についてはレビューしません。

睡眠波形が共有できる

Samsung Healthアプリ睡眠図シェア画面

メイン画面には「共有」ボタンがあります。タップするとシェア画面になり睡眠図(睡眠サイクル)を画像として共有できます。

自分の睡眠図を共有することはまだ世間に浸透していません。しかし今後不眠治療などで医師にデータを渡すことがあるかもしれません。

この共有機能、 Android 版は起床した当日分しか共有できません。過去データは共有できません。 iPhone アプリは過去のデータも共有できました。

睡眠サイクルの細かい分析ができない

Samsung Healthアプリ睡眠サイクル

この後紹介するレビューでは睡眠ステージを細かく分析します。そのため各睡眠ステージが何分間消費したのか知る必要があります。

しかしながら、睡眠サイクルをタッチしても睡眠ステージの詳細を教えてくれませんでした。iPhone 版と Android 版、どちらもできませんでした。

画面下には「手動で記録」というボタンがあります。これは睡眠サイクルがとれなかった場合に就寝時刻と起床時刻を手入力する機能です。

以上のことから、細かい睡眠分析ができません。このレビューでは大まかな解析になることをご了承ください。

履歴画面で平均睡眠時間を確認

Samsung Healthアプリ睡眠履歴画面

画面上の「傾向」をタップすると、過去の睡眠データを見ることができます。上の画面は Android 版で、 iPhone 版も同じです。

タップすると棒グラフの画面に切り替わります。切替後の画面左上では「日/週/月」が選択できます。

「日」の場合の画面は毎日の睡眠時間が棒グラフ表示されます。「週/月」に切り替えるとその週や月の平均睡眠時間が棒グラフになります。

また平均睡眠時間の下には就寝時刻と起床時刻の平均も表示されます。

自分の睡眠状況をこのように振り返るのは大切です。ただ私個人的には平日と週末で別計算もしてくれると助かるのですが。

レビュー方法まとめ

ここからはレビュー方法について整理します。レビュー結果だけ知りたい人はここは飛ばしてください。

データの取り方

データの取り方

睡眠の質を比較するための判断基準は Fitbit のデータです。過去の経験上、起床後の身体の感覚(すっきりしているか、眠気が残っているか)と睡眠図に最も関連性を見いだせているのが Fitbit だからです。

片腕に Samsung Galaxy Fit、もう片腕に Fitbit を装着していつも通り就寝しました。右腕/左腕の装着設定は確認済みです。

※ Samusung Galaxy Fit には装着する腕の設定はありません。 Fitbit 側だけ確認しました。

起床後アプリでデータを収集し、両デバイスの波形を比較しました。その結果を解説します。

データの収集期間はそれぞれこのようにしました。

  • Galaxy Fit: 4 週間分 (28 日間分)
  • Fit e: 2 週間分 (14 日間分)

関連記事:【検証】Fitbitの睡眠データは利き手と非利き手で違うのか?

睡眠の質を評価するポイント

医師が書いた睡眠に関する本や私が Fitbit で計測した睡眠データから、睡眠の質をチェックするポイントは以下の 3 つに整理しました。

  1. 「覚醒」から「最初の深い睡眠」に入るまでの時間は短いほど良い(30 分以内が目安)
  2. 最初の深い睡眠は 20 分間以上あることが望ましい
  3. 睡眠中の途中覚醒回数は少ない方が良い

1番が最も重要で、番号順に優先順位は下がります。各項目の詳細と根拠については下記の補足説明をご覧ください。

関連記事:補足:睡眠の質をチェックする3つのポイント(各社の活動量計の睡眠管理機能を徹底レビュー)

心拍数は常時計測に設定変更して測定

Samsung Healthアプリ心拍数計測設定画面

心拍数の計測時間は設定にて以下から選択できます。

  • 常に
  • 安静時に 10 分ごと
  • 手動測定のみ

このレビューでは「常に」に設定変更しました。他社製のトラッカーとレビュー条件をできるだけ同じにするためです。

「安静時に 10分 ごと」、「手動測定のみ」のレビューは今回やりません。あらかじめご了承ください。

Galaxy Fit のレビュー結果:感度が低く深い睡眠が検出されにくい

両デバイスの波形が不一致だったケースが最多

睡眠サイクル不一致の例

代表的な睡眠図を上図に示します。

Galaxy Fit の睡眠図をグレースケールにして、その上に Fitbit の睡眠サイクル(カラー)を重ねています。時間軸は両グラフの就寝時刻と起床時刻が一致するように調整済みです。

Fitbit と Galaxy Fit で波形が異なり睡眠の質の判定が逆になります。 Fitbit は「睡眠の質は悪くない」、 Galaxy Fit は「眠れていない(質は悪い)」となります。どうしてでしょうか?

先に紹介した「睡眠の質を評価する3つのポイント」から、このように判断できます。

  1. 最初の深い睡眠までの時間 (30 分以内) → Fitbit は 8 分で◎、 Galaxy Fit は 2 時間で×
  2. 最初の深い睡眠ステージの消費時間 (20 間分以上が望ましい) → Fitbit は 15 分間で△、 Galaxy Fit は 5 分間で×
  3. 中途覚醒(目覚め)の頻度(少ない方がよい) → Fitbit は 1 回で△、 Galaxy Fit は覚醒の線が多く出ていて?
  4. 総合評価 → Fitbit は△(睡眠の質は悪くない)、 Galaxy Fit は×(よく眠れていない)

厳密には Fitbit の波形もハッキリ質が良いとは断言できません。しかし3つ中2つのポイントでおおむね良い傾向と判断できます。少なくとも Galaxy Fit の示す波形よりは良いといえます。

一方、 Galaxy Fit では最初の深い睡眠まで2時間かかっていると表示しました。もしこれが本当であれば、眠っていたとしても疲れがとれていないと考えられます。

睡眠途中に目が覚めることは誰でも経験し、覚えていないだけです。 Fitbit でも中途覚醒は表示されているのですが 1 回ちょこっとあるだけです。 Galaxy Fit では覚醒の線がまばらに多い気がします。

私の身体の感覚的には、この日はそこまで疲れは残っていなかったと記憶しています。そうすると Fitbit と Galaxy Fit の結果は不一致、 Fitbit の方が実態に近いと判断できます。

このような不一致が 4 週間のうち約半分ありました。不安定ですね。

睡眠サイクル不一致逆パターンの例

逆のパターンもありました。上図の波形を比較するとこうなります。

  • Fitbit → あまり眠れなかった
  • Galaxy Fit → 割とよく眠れた

この結果も両デバイスは逆の判断を伝えることになります。どちらが正しいのでしょうか?

答えはなんとも言えません。今回 4 週間計測してこのケースは 1 回だけでした。たまたまこの結果になった可能性が高いです。

しかし波形の不一致であることに変わりはありません。

眠れなかった日の波形は割と一致した

睡眠の質が悪い睡眠サイクルの例

上図は「あまりよく眠れなかった日」の波形です。 Fitbit, Galaxy Fit 共に冒頭部分の波形の傾向は似ています。

チェックポイントをベースに解説するとこのようになります。

  1. 最初の深い睡眠までの時間 (30 分以内) → Fitbit, Galaxy Fit ともに 90 分で×
  2. 最初の深い睡眠ステージの消費時間 (20 分間以上が望ましい) → Fitbit は 16 分間で△、 Galaxy Fit は 10 分間強で△
  3. 中途覚醒(目覚め)の頻度(少ない方がよい) → Fitbit は 3 回以上で×、 Galaxy Fit は覚醒の線が多く出ていて?
  4. 総合評価 → Fitbit, Galaxy Fit ともに×(よく眠れていない)

全 4 週間の計測で「不一致」の次に多かったのがこの「質の良くない傾向で波形が一致」でした。

上図に示すような睡眠サイクルだった時はたいてい、起床後数時間であくびをしたり、起床後も眼精疲労が残っていたりします。

眠っても疲労がとれていないことを身体が教えてくれます。

とにかく重要なのは入眠直後、最初の 90 分といわれています。つまり冒頭部分の波形に注目してください。

Fitbit は上図の波形の後半部にも深い睡眠を表示しています。しかしこの部分は評価に含まれません。最も効果的なのは睡眠の最初の部分です(根拠はチェックポイントのリンクを参照)。

比較的眠れた波形は少数派

睡眠の質が良い睡眠サイクルの例

上図はよく眠れた傾向にある睡眠サイクルの例です。

Galaxy Fit では「入眠から30分以内に深い睡眠に入り、最初の深い睡眠が10分間以上」であれば睡眠の質は良いと判断できそうです。

チェックポイントを使って評価するとこのようになります。

  1. 最初の深い睡眠までの時間( 30 分以内) → Fitbit は 2 分で◎、 Galaxy Fit は 10 分未満で◎
  2. 最初の深い睡眠ステージの消費時間( 20 分間以上が望ましい) → Fitbit は 37 分間で△、 Galaxy Fit は 10 分間強で△
  3. 中途覚醒(目覚め)の頻度(少ない方がよい) → Fitbit は 2 回で△、 Galaxy Fit は覚醒の線が多く出ていて?
  4. 総合評価 → Fitbit は〇, Galaxy Fit は△(製品的にこれ以上良い表示はない)

チェックポイント②の評価基準を 20 分間以上と決めたのは私です。客観的な根拠ではなく経験で決めました。

年をとったせいか、以前ほど良く眠れない日も増えています。ただ何度もレビューして作ったルールなので変更しません。

Galaxy Fit でも入眠後「覚醒→深い睡眠」にストン!と移行しています。いわゆる「寝落ち」している状態です。

このように Galaxy Fit がはっきりと深い睡眠を計測し、質の良い傾向の睡眠だと表示したのは少数派でした。 4 週間(28日間)の計測でわずか 4 回しかこのような一致はしませんでした。

睡眠のコンディションは日々異なります。よく眠れる日があれば眠れない日もあります。そのため偶然性をできるだけ排除するため 4 週間(約 1 か月)をデータどりの目安期間としています。

しかし全体的に Galaxy Fit は Fitbit よりも深い睡眠の検出感度が低かったといえます。

Galaxy Fit の深い睡眠は「頻度」、「時間」ともに Fitbit よりも少ない傾向にありました。

就寝/起床時刻は誤差10分未満で一致:今後もっと良くなる可能性あり

Fitbit と概ね一致した項目があります。

就寝時刻と起床時刻です。

他社製品と Fitbit を比較すると、数十分単位での波形の時間軸調整があります。 2 つの睡眠図を重ねると、 Fitbit の波形が横に飛び出ていたり逆に引っ込んでいたりすることがあります。

しかし Galaxy Fit ではそのようなことが起きていません。ここまで紹介したグラフをご覧ください。グラフの両端が 2 つともピッタリ一致しています。

これは両デバイスの就寝時刻/起床時刻が一致しているからです。両グラフの誤差は 10 分未満とお考え下さい。

何が言いたいかというと、睡眠計測の処理方法が Galaxy Fit と Fitbit で似ているということです。

心拍数や腕の動き(加速度センサー)というデータどりはどの製品でも同じはずです。あとはソフト的な計算方法の違いが波形の一致/不一致の違いを表しているはずです。

つまり、 Galaxy Fit のデータ解析方法が変われば今回のレビュー結果がもっと良いものになる可能性があります。

現在は Fitbit の波形を基準にレビューしています。しかし絶対的に正しいという前提ではありません。 Fitbit を使っていて「体感的には合っている」という主観的な感覚が完全に抜けていません。

今後ソフトが改善されれば睡眠データの分析結果も良くなっていく可能性がある点だけ書き残しておきます。

Fit e のレビュー結果:やはり安定しない

良い日も悪い日も冒頭部分がバタバタする

睡眠の質が悪く波形がバタバタしている例

上図は Galaxy Fit e で計測された睡眠サイクルのうち「質が悪かった日」の例です。 iPhone 版アプリの波形で比較しています。

Fitbit は最初の深い睡眠まで 80 分かかっており「眠りが悪かった」と判断できます。

一方、 Galaxy Fit e の睡眠サイクルでは冒頭部分が「浅い睡眠と深い睡眠を行ったり来たりバタバタしている」状態です。

チェックポイントに厳密に従えば Fit e の睡眠の質は △ です。しかしこのような「バタバタした」睡眠サイクルが 14 日間中に何度も発生しました。

睡眠の質は良さそうだが波形がバタバタしている例

上図は先ほどよりも良い睡眠がとれている例です。それでも Fitbit ですら睡眠サイクル冒頭でバタバタしています。

Fitbit の場合、上図に示す「ふたつの深い睡眠の間にある数分間の浅い睡眠」は「ひとつの深い睡眠」とみなすこともできます。

両腕に Fitbit の活動量計を装着して睡眠データをとったところ、上図の例では冒頭部分はひとつの深い睡眠と判断できることがわかりました。

しかし Galaxy Fit e のグラフのバタバタは計算結果なのかセンサーの感度が原因なのかこれ以上わかりませんでした。

いずれにせよ Galaxy Fit e の睡眠計測は不安定でおすすめできません。

一致したのは14日間のうち2日のみ

睡眠の質が良いで一致した例

計 14 日間の計測にて二度だけ睡眠サイクルが一致しました。そのうちのひとつが上図の「よく眠れた日」の波形になります。

しかしこのような例はめずらしく、ほとんどの睡眠サイクルは「睡眠の質が良いのか悪いのかはっきりしない」結果でした。

睡眠計測が目的であれば Galaxy Fit e をあえておすすめはしません。

利用する際の注意点

ここからは実際に使ってみて気になったことをまとめました。

アプリがiPhone版とAndroid版で異なる

アプリの種類が多い

どのメーカーの製品でも必ず iPhone 版と Android 版両方のアプリをレビューします。

Samsung は上図のようにアプリが同じではありません。しかも具体的にこのように違います。

  1. トラッカー本体設定と健康管理アプリが違う(Apple の Watch アプリと ヘルスケアアプリのように分かれている)。
  2. iPhone 版はトラッカー設定アプリが機種ごと(製品ごと)に違う。例えば Galaxy Watch と Galaxy Fit で別アプリ。

個人的にこのようにアプリが分かれているのは混乱します。できれば統一してほしいです。

他社製品では iPhone 版と Android 版が同じアプリ、同じ画面になっています。

機種変更で睡眠データ移行ができない?自動同期をチェックで解決

機種変更後のデータ移行処理

上図左に示す様に、 Android から iPhone にトラッカーの接続を変えたら iPhone では過去のデータが表示されませんでした。

Samsung アカウントを作ればデータは機種に関係なくクラウド移行できるのでは?おかしいと思って調査しました。

原因は「自動同期 OFF 」でした。上図右に示す様に、アカウントを登録して自動同期することでデータ移行はできました。

自動同期 ON/OFF の確認方法を下の図に示します。 iPhone, Android ともに初期設定が ON かどうか確認しましょう。

Samsung Health iPhone版の自動同期設定Samsung Health Android版の自動同期設定

1度の同期で睡眠データがとれない?間隔をあけて再度同期でとれる

Samsung Healthアプリ睡眠データ同期されない例

毎日ではありませんが、起床後のデータ収集がうまくいかないことがあります。

上図左に示す様に睡眠データが表示されないことがあります。歩数や心拍数は同期できているのに、です。

安心してください。データがとれていないのではありません。一度の同期でデータが全部収集されていないことがあります。

その場合はアプリを閉じて、数分後再度アプリを起動して同期すると上図右のように睡眠データが表示されます。

上図では約 30 分後に再度同期しています。そこまで待つ必要はありません。 5 分程度で大丈夫でしょう。

4週間データをとって、睡眠データそのものがとれていない日は一度もありませんでした。

SIMカードがないとアプリは初回起動しない

Samsung Healthアプリ初回起動時画面

アプリの初回起動時に SIM カードが求められました。どうしてかはわかりません。

私のメインスマホは Android であり、 iPhone には SIM カードを挿していません。そのためネットワーク接続は WiFi (機内モード)です。

他社製のアプリはそれでもセットアップできました。

今回の Samsung Health で初めて SIM カードを要求されました。面倒ですが一時的にメインスマホの SIM カードを iPhone に移してセットアップしました。

なお2回目以降は SIM カードは求められず、機内モードかつ WiFi 接続でアプリは起動しました。あくまでも初回のセットアップ時だけのようです。

なぜでしょうか? Apple Watch のようにセットアップする国をチェックしていたのでしょうか?

SpO2機能がオプション化?削除?

Samsung Health アプリSpO2機能削除の解説

動脈血酸素飽和度 (SpO2) の機能が元々あったようですが、削除されてなくなっています。上図は Samsung Health アプリ内の説明です。

私は Samsung Fit をアマゾンフランスで購入、ベルギーでセットアップしています。そのため SpO2 が計測できると思ったのですが、アプリのどこをみてもそれらしきものが見当たりません。

上図の説明によると「ストレストラッカーでマルチ計測を ON にすると、結果の中に SpO2 のデータが含まれる」と書かれています。

Samsung Health個人データダウンロード

アプリを設定してストレスデータを取り出してみました。

そして右の図は大元データと思われるものをメモ帳で開きました (JSON形式)。

データ内には “level” や “score” といったラベルがあります。しかしストレスレベル(ストレススコア)を意味するデータだと思われます。 SpO2 の場合 “98%” のような数字になるはずなので。

結局この機能はあるのかないのか不明のままです。メーカーへの問い合わせも保留中です。

心拍数は常時計測すべき?健康管理目的ならYES

Samsung Healthアプリ心拍数異常検出設定画面

心拍数の計測オプションは「常時」、「安静時に 10 分毎」、「手動」の 3 つありました。どれを使うべきでしょうか?

健康管理目的で購入されたのであれば「常時」をおすすめします。

常時計測することで、安静にしているのに高心拍数(不整脈など)といった予兆を検出して通知してくれます。

ただし常時計測にするとバッテリー消耗が速くなります。私の経験では4日程度しか持ちません。こまめな充電が必要です。

まとめ

Samsung Galaxy Fit
Galaxy Fit と Fitbit Versa 2 (Apple Watch ではないので注意)

トラッカー本体はスタイリッシュでお気に入りです。改善の余地はありますが今後も注目したい一品といえます。

サムスンは Android スマートフォンを販売しているためか、 Samsung Health アプリも Android 版の方が充実している印象でした。

この記事をまとめましょう。

  • 睡眠管理画面は標準的。睡眠ステージも 4 ステージ(覚醒、レム睡眠、浅い睡眠、深い睡眠)あるので他のレビューと同じような睡眠分析できる。
  • 計測後の睡眠ステージの詳細がタップしても見れない。
  • 睡眠サイクルのレビュー結果
    • 月の約半分は睡眠の質の判定が逆になる可能性が高い
    • 質のよくない睡眠ほどきちんと計測できる
    • 少数派だが入眠後30分以内に深い睡眠が10分間以上出ればよく眠れたと判断できる
    • 入眠時刻/起床時刻はかなり正確
  • スマホを乗り換える際は注意が必要。アプリの種類が多くセットアップがやや大変。
  • Samsung アカウントを作って「自動同期ON」にしないとデータが移行されない。

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※このレビューは主に 2020 年 3 月から 2020 年 4 月にかけて行いました。最新ソフトではこの記事で書かれた内容と相違があるかもしれません。

※良い睡眠がとれたかどうかは必ずご自身の体調や起床後の気分などでご確認ください。アプリの表示は計測結果を保証するものではありません。

※この記事では Samsung 製活動量計(アクティビティトラッカー)を代表してGalaxy Fitをレビューしました。同社製他のモデル(Galaxy Watch や Fit e)でも睡眠データの解析結果は同等になると想定しています。

2020-07-26 追記:Galaxy Fit e の睡眠の質評価を追加しました。

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このブログを書いている人

ダイブツ
twitter: @habatakurikei
元々IT系だけど電気系技術者。20代で博士号を取得するも、全然社会の役に立てないのが不満でブログによる情報発信を開始。あなたに有益な知識やノウハウを理系目線かつ図解でわかりやすく解説するのがモットー。2018年心臓発作であわや過労死寸前。そこからガジェットレビューを通じた体調管理の情報発信も開始。ベルギー在住でシンガポール就労経験もあり、海外転職や海外生活のノウハウも公開中。

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