英語で退職願を準備・提出する方法とシンガポールでの実例

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海外でも仕事を辞める際はトラブルなく処理したいものです。なぜなら、海外ではreferenceという、新しく雇う人がどのような人物か前の職場や関係者に問い合わせることがあるからです。悪い評判を言われたくないですよね。

この記事では英語の退職届/退職願 (resignation letter) を書いて提出するプロセスを整理しました。私が実際にシンガポールの職場を退職した経験をベースに解説します。

実際に提出した英文退職願(レター)を使って書き方も解説します。下記のリンクからこの解説に使用したレターのサンプルをダウンロードできます。修正してお使いください。

ダウンロード:hr_resignation_letter.docx (16kB)

私の実例による英文退職願の書き方

英文退職届の書き方

英語の退職願は申請フォームではなくレターです。大きく分けて3パートあります。

  • 冒頭部分
  • 本文(3パラグラフ)
  • 末尾部分(署名部分)

上の画像はダウンロード可能なファイルと同じものです。各パートを詳しく解説していきます。

冒頭部分

冒頭部分は英文ビジネスレターの標準的な書式です。まずは自分の情報を左寄せで書きます。具体的にはこの4つを書きます。

  • 氏名
  • 住所(この例では2行ある)
  • 電話番号
  • メールアドレス

氏名は名→性の順番で書きました。日本政府は性→名の順に表記することを提唱していますが、すでに名→性が慣例になっているため気にする必要はありません。

住所と電話番号は就労先の国の情報です。私はシンガポールにいたので、この例はシンガポール時代に契約していた住所と電話番号が書かれています。

メールアドレスは退職後にコンタクトをとる必要が発生した場合に必要な情報です。何かあった時(税金などの法的なトラブル等があった場合)のために連絡が取れるアドレスを記載しましょう。

次に日付です。退職願を上司に提出する日を書きます。このフォーマットには既に 7 March, 2017 と書かれている(私が実際に提出した日)ので修正してください。

その次にはあて先 (attention) です。あなたの直属の上司の名前をフルネームで書いてください。私の場合は男性上司でしたので Dear Mr. XXX でしたが、女性であれば Dear Ms. XXX になります。必要に応じて修正してください。

本文は3つのパラグラフで十分

2つ目のパートは本文です。私の例にあるように3パラグラフあれば十分です。順に解説します。

最初のパラグラフは定型文なので自分で文章を考える必要はありません。ただし赤字部分は自分の会社の情報に書き換えてください。4種類あります。

  1. 自分が働いているポジション名
  2. ノーティス期間(辞める会社の規定を確認すること)
  3. 会社名(正式名称で書く)
  4. 退職希望日(年月日、曜日すべて書く)

このレターは記録として残るので、どの項目も省略せずに記入してください。またフォーマットでは変更箇所を強調する意味で赤字になっていますが、自分の情報を記入したら黒字に戻しましょう。

ノーティス期間 (notice) とは退職の通知をいつまでにするかです。日本でも海外でも期間は異なりますが会社ごとに設定されています。事前に調べましょう。

2番目のパラグラフです。

なぜ辞めるのか、この会社で何が得られたのか、自分の言葉で書きます。私の場合はこのように書きました。

I have got many opportunities here and I have grown in many ways in (company name). Working in overseas was an important challenge in my life. At this moment, however, I have achieved this target. This is the best timing to go to the next challenge for my future carrier.

【和訳例】

私は(会社名)にてたくさんの機会を得て、かつ多方面で成長することができました。海外で働くことは私の人生にとって重要なチャレンジでした。しかし今、この目標を達成できたと考えています。今後のキャリアのために次のチャレンジをするベストなタイミングであります。

私のシンガポール就労はどちらかというと嫌なことが多かったです。しかし海外で働くというチャレンジを受け入れてくれたことに感謝し、次のステージに行くことを強調しています。

詳しく書く必要はありませんが、ポジティブな内容を書きましょう。リスペクトの気持ちは忘れないでください。

最後のパラグラフです。

残りの就業期間で自分の仕事の引継ぎと、私の代わりになる人のトレーニングをやりますということが書かれています。ここも定型文なので自分で文章を考える必要はありません(違うと思えば適宜修正してください)。

実際に引き継ぎ作業をやるかどうかは別として、最後まで責任もって仕事をすることを書いてください。

末尾部分(署名部分)

末尾もビジネスレターとしての標準的な書式です。名前以外修正する必要はありません。

「この会社で働けたことに改めて感謝します」という文章でレターを締めくくり、結語を入れます。

この例にて結語は “Yours sincerely,” です。通常のビジネスメールであれば “Best/Kind Regards,” などが多いです。しかし退職願という重いレターなので、私はもっとフォーマルな “Yours sincerely,” を選びました。

結語のあとはスペースを入れて署名がレターの一番下にくるようにしました。これが正解かどうかはわかりませんが、何も言われませんでした。この調整スペースは不要かもしれません。

このように、退職願もビジネス文書なのでフォーマットは決まっています。本文第2パラグラフの辞める理由についてだけ自分の言葉でしっかり書きましょう。

退職願の提出

退職願は書けましたでしょうか。

でき上がったら2部印刷します。「直属の上司」と「人事部」にそれぞれ提出するためです。

印刷した後、レターの左下に手書きの署名を忘れないでください。

1部だけ印刷・署名してもう1部をコピーで済ませないでください。コピーで良いかどうかは受け取る側が決めることです。重要な書類なのでこれくらいの手間は惜しまずに。

提出はメールよりも手渡し、封筒に入れて

白い封筒

印刷、署名した退職願は3つに折り、封筒に入れて提出しましょう。市販されている白い封筒(定型の洋形0号または洋長3)で問題ありません。

正直に白状します。私は封筒に入れずに当時の上司(中華系マレーシア人だがシンガポール国籍)に手渡ししました。そして「封筒に入れて出して」と注意されました。あの時、封筒に入れるところまで頭が回りませんでした。

もう1通、人事部への提出には会社の封筒(白)に入れて提出しました。

しつこいですが念のため。この退職届はメールで出すべきでしょうか?PDF形式ではなく直筆の署名のハードコピーで出すべきです。上司に確認して問題なければ電子データで提出してもいいでしょう。

海外では仕事上の関係とプライベートの関係は別です。退職後も1人の人間として交友を続けることができます。そのため退職手続きも感情的にならずに進めるべきです。

一方、日本では退職手続きを代行する業者が出てきています。「そんな業者を使わないで堂々と面と向かって退職手続きすべき」という声や批判もあります。私はこういう業者が出てくることはやむをえないと考えています。

日本では職場の人間関係がドロドロすぎます。「会社を辞める=村八分になる」という昭和の価値観がいまだに強すぎます。だから若い人も「気まずい」という感覚があるので、摩擦を起こさずに辞めようと配慮しているのでしょう。

海外では基本的にこういうことはありません(日本人が上司でなければ)。安心して退職手続きを進めてください。大丈夫です。

ノーティス(退職日の通知期限)も守ろう

レターの書き方でも触れましたが、ノーティスは辞めることを何日前かに事前に通知することです。私がこれまで就労した経験のある会社ではこのようなルールになっていました。

  • 日本の会社:2週間前まで
  • シンガポールの会社:1か月前まで
  • ベルギーの会社:3か月前まで

このルールは万国共通ですが、会社によってまちまちです。交渉次第ではレターに記載した退職日にならないかもしれませんが、きちんと守ってお互いにすっきり退職したいところです。

ちなみに私は退職希望日通りにシンガポールの会社を辞めることができました。

最終日に退職の挨拶メールを送ろう

最後の出勤日に、会社のメールで感謝の気持ちを伝えましょう。このメールのことをフェアウェルメッセージ (farewell message) といいます。

日本ではこういう習慣があるのかわかりませんが(私が日本で働いていた時はメールではなく直接挨拶回りした)、海外では割と普通です。

ただし、次のステップとして前向きに辞める人はこのメールを出す傾向にあります。就労期間が短かったり、ネガティブに辞めた人は出さないイメージがあります。

会社全体に送るのか、自分のいた部署にだけ送るのかは会社の規模によります。自分がお世話になった部署に送ればよいでしょう。自分はメールを受け取る立場として「この人だれ?」というケースもあります。

挨拶メールにはこういったことが書かれています。

  • 今日が最終日であること
  • どれくらいの期間働いていたか
  • この職場でどういう経験をして何が得られたか
  • この先のビジョン(あれば)
  • 個人的な連絡先(交流を続けたければ)

ここで1つメールの例を紹介しましょう。ベルギーの例にはなりますが、あるベルギー人が実際に書いた文章をベースに修正しました(名前は架空です)。こういったメールが届きます。

Dear all,

Today is my last working day in (company name). After more than 11 years, I accepted a new challenge and cycle into the future. A warm thank you to everybody I met during my career in this company, I wish you all the best!

If you want to keep in touch with me, please do not hesitate to contact me.

Email: xxxxxxxx@xxx.be
Phone: +32 xxx xxx xxx

Kind regards,
Mary

【和訳例】

皆様

今日が私の(会社名)での最後の日です。11年以上の就労を経て、私は将来に向けた新しいチャレンジ(サイクル)を受け入れることにしました。この会社でお世話になったすべての人に感謝いたします。皆様の今後のご活躍をお祈りします!

今後も交流してもらえるのであれば、遠慮なくこちらまで連絡ください。

Email: xxxxxxxx@xxx.be
Phone: +32 xxx xxx xxx

敬具
メアリー

まとめ

元同僚や部下と再会
当時の同僚や部下と2年ぶりに再会(2019年4月、シンガポールで撮影)

先ほども書きましたが、海外では仕事を辞めても「1人の人間」として私的に交流してくれます。リスペクトの気持ちを持って退職手続きをしましょう。

上の写真にあるように、私はシンガポールで働いていた時にいろいろな部署とケンカもしました。しかし辞めてから2年後、当時同じ部署で働いていた仲間(部下も含めて)が集まって夕食会を開いてくれました。私だけでなくほとんどの仲間もすでに転職していて別の会社で働いていたにも関わらず、集まってくれました。本当に嬉しかったです。

海外で働くのは日本で働くのと別の意味でも大変です。しかしかけがえのない経験もできます。次のステップに行っても過去を引きずらないでくださいね。

この記事をまとめましょう。

  • 退職の手続きとして退職願をレターで提出する。レターはビジネス文書なので基本的には定型文。ただしなぜ辞めるのか、その会社で何が得られたのかは自分の言葉でポジティブに書こう。
  • 退職願レターは2部印刷して「直属の上司」と「人事部」に提出する。2部とも印刷したら直筆署名をして、白い封筒に入れて手渡ししよう。
  • 出勤最終日にはお世話になった人たちにメールを出そう。たとえ辛い経験しかなくてもリスペクトの気持ちを忘れずに。
  • 海外では仕事を辞めても同僚と人間同士としての交流はできる。変に感情的にならずにフラットに交流を続けよう。

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