英語習得物語 第4話:TOEIC400点までに読んだ洋書ベストセレクション

この記事は約 5 分で読めます

Inspector Logan

多読は記録しながら

第2話:英語洋書多読との出会いにて書いたように、私の英語学習の基礎は「多読」でした。たくさんの本を読んで、英文パターンを頭に叩き込みました。

2005年当時の手書き多読記録ノート
2005 — 2006 年当時の私の英語多読記録手帳

当時の学習手帳です。左から:何冊目、本のタイトル、シリーズ名、読みやすさレベル、単語数、感想、の順に記入しています。この小冊子は 2005 — 2006 年当時、一般の書店にて無料で配布されていました。現在は推奨本リストがついて有料になっています。

今回は米国学会発表をした 2005 年 12 月、 TOEIC 385 点 (約 400 点)ごろまでに読んだ洋書の中でも、私がいまだに記憶にある本を紹介したいと思います。ちなみに、このころまでに記録では 130 冊(単語数約 50 万)を読んでいます。

多読の初期はGRだと続けやすい

初級者用の本としては、このブログで取り上げる GR (Graded Readers) とうシリーズがおすすめです。このシリーズの特徴は、使用する単語を制限しています。なので、ネイティブからすれば明らかに稚拙な表現です。

ただし、ストーリーを楽しむことが必要なので、最初の頃は気になりません。本を読み切る楽しみさえ得られれば、次から次へと読みたくなります。

ここで挙げた GR の中では、出版社別にこのようなシリーズがあります。

  • PGR: Penguin Readers (Longman)
  • OBW: Oxford Bookworms (Oxford University Press)
  • CER: Cambridge English Readers (Cambridge University Press)

いずれも初心者から上級者向けまで幅広く読めるものです。文法も正確なので読みやすいです(それに慣れた代わりに、私はあとで文法の雑な文になれるのが大変でした)。

もちろん、すべてのお話が面白かったわけではありません。中には「全然意味不明」と書き残した本もあります。でも内容を理解して、それで面白いかつまらないか判断できるようになると、ワンランクアップしたと判断することができます。そこまで英語で英文を理解したということですから。

Richard MacAndrew, Cambridge University Press, 2007
この本の詳細を見る

私の読書ノートより: Logan は初仕事として女性の殺人事件を担当する。ブローチを利用した夫がほかの人に罪を着せようとしたが、失敗する。

私の記憶より: Logan という女性が事件解決に臨むミステリーです。わずか 4,200 単語なのですが、事件は解決するのでストーリーにちゃんと見せ場があります。しかも事件を解決する前と後で Logan に対する周りの反応に変化が…そういう細かい表現まで英語で理解できたとき、洋書を読む楽しみが増えました。

この本はシリーズになってますので、次回作(英語レベルが上がる)を楽しみに勉強することもできます。

また、ミステリーではこんな作品も読めます。

Arthur Conan Doyle, Pearson Japan, 2009
この本の詳細を見る

シャーロック・ホームズです。先の Inspector Logan よりもはるかにレベルが上がってますが、それでも使用する単語数は制限されています。ただレベルが上がるにつれてより本格的な話も読めるようになると、モチベーションアップにつながります。これは単語数 7,800 で、レベル 3 くらいです。

Alan Trussell-Cullen, Collins Educational, 2003
この本の詳細を見る

ここでいうアインシュタインは、偉人ではなく猫の名前です。猫を中心としたドタバタ劇です。やや難しかったとあるので、当時は難しかったのでしょう。タイトルのインパクトで覚えてます。これもシリーズとして何冊かあります。

映画を題材にした本は読みやすい

映画の脚本を読みやすく書き直された作品はたくさんあります。

あなたが観たことある映画であれば、ストーリーやキャラクターの知識が元々あります。バックグラウンドがあれば多少英単語が難しくても「あ、このシーンかな?」と想像して読み進めることができます。だから映画ネタはおすすめなのです。

L. Frank Baum, Oxford University Press, 2012
この本の詳細を見る

言わずと知れた「オズの魔法使い」を簡単な単語とストーリーを短くしたものです。単語数は 5,863 ですが、ストーリーを知っているだけで、だいぶ楽しく読むことができます。また、知っている話を「こういう表現をすればいいんだ」と発見があります。そうなると自分の表現パターンを一つ得たことになりますね。

ほかにもこのような作品が提供されています。

Random House Books for Young Readers, Judy Donnelly, 1987
この本の詳細を見る
Anne Fine, Longman, 1999
この本の詳細を見る
Pearson Education, Pearson Japan, 2010
この本の詳細を見る
Patricia Hermes, Pearson Japan, 2003
この本の詳細を見る

これらは全て読みました。中でも “Fly Away Home” は日本語では「グース」という名称です。最後のグースと一緒に空を飛ぶシーンは、やさしい単語でもこちらの想像力を掻き立てるには十分な表現となっており、読んでいてワクワクしました。

こういう本と巡り合えば、英語で本を読むことがどんどん楽しくなってきます。

次回は、多読と並行して始めた「音読」についてです。音読を TOEIC が 95 点上がりました。

※多読の効果的な学習方法について、さらに詳しく解説した記事を公開しました。こちらも併せてご覧ください。

関連記事:洋書多読はディープラーニング?理系目線の多読学習法

第3話:TOEIC385点で米国学会発表

第5話:25歳で英検を初受験

まとめページ「英語習得物語 目次」に戻る

シェア
この記事のカテゴリ:英語習得物語
この記事のタグ:なし

このブログを書いている人

ダイブツ
twitter: @habatakurikei
元々IT系だけど電気系技術者。20代で博士号を取得するも、全然社会の役に立てないのが不満でブログによる情報発信を開始。あなたに有益な知識やノウハウを理系目線かつ図解でわかりやすく解説するのがモットー。2018年心臓発作であわや過労死寸前。そこからガジェットレビューを通じた体調管理の情報発信も開始。ベルギー在住でシンガポール就労経験もあり、海外転職や海外生活のノウハウも公開中。

私の詳細:プロフィール

このような記事も読まれています

英語習得物語 第12話:~そしてフィリピン・セブ島留学へ~

2014 年 6 月から 1 か月、フィリピン・セブ島に留学しました。その時のお話をします。ひいきなしで私のストレートな意見を書かせていただきます。 だいぶ長くなってしまったので、下記目次から各項目をクリックして気になる内容だけでもお読みい...