シャドーイングとディクテーションは効果がないたった1つの理由
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シャドーイングやディクテーションはリスニング力を鍛えるトレーニング方法です。
しかしこれらの方法の効果については賛否が分かれています。どうすればいいかお困りではないですか?
この記事では TOEIC 200 点台だった私が最高 870 点をとり海外で働いた経験からコメントします。
シャドーイングもディクテーションも効果はありません。その理由と代わりのトレーニング方法を紹介します。
理由:発音と英単語が脳内でリンクしていない、または変換するしくみがないから
この記事冒頭の図をご覧ください。
ある外国人がどうやら「オレンジ」と言っています。
しかし実際には orange とは言っていません。上の図にある記号を声に出しています。
この記号は「発音記号」といいます。中学の英語の授業でやりましたか?私は学校か塾かどこかでやった記憶はありますが、すべては覚えていません。
orange という音は存在しません。 orange と聞き取れる発音を理解する必要があります。
リスニングする際、聞こえた声まはた発音(記号)を英語のスペルに変換しているのです。
私が中学生のころ、同級生と「 orange のスペルが覚えられないから『オランゲ』って声にだして覚えよう」という話をした記憶があります。
以上のことから、リスニングができない理由は「発音(記号)と英単語(スペル)がつながっていないから」なのです。
これを教えてくれる英語の先生はいません。私は自分の経験から導き出しました。
英語の辞書をみてみましょう。
外部リンク:Dictionary by Merriam-Webster: America’s most-trusted online dictionary
上の図に示す様に、 orange で調べると発音記号とサンプル音声再生ボタンが表示されますね。
orange というスペルとは別に書かれています。どうしてですか?もし orange のスペルが発音と同じであれば、発音記号をわざわざ表記する必要はないはずです。
また発音は 1 種類ではありません。英単語によりますが、上図のように複数の発声方法があります。
これをどうやってシャドーイングやディクテーションで理解するのでしょうか?
リスニングを克服するには「発音記号」という隠れ要素があります。スペルとは別に発音を攻略する必要があるのです。
※補足:発音記号は 1 種類ではありません。そのため同じ単語でも記号が違うのは辞書によります。
シャドーイングもディクテーションもリンクを構築していなければ「いつまでもただの音」
私は実際にシャドーイングをやってみて「効果がない」という結論を出しました。
関連記事:英語習得物語 第10話:中学英語の教科書の音読から再出発
シャドーイングは流れてくる音声を自分でも声に出して、英文を理解しようとするトレーニング法です。
しかし、既に紹介したように「発音(記号)から英単語(スペル)に変換するしくみ、リンク」が必要です。
このリンクが無ければ聴いているのは「ただの音か声」です。
この状態では何度声に出しても無駄で絶対に英語力は上がりませんし、口が回らないでしょう。
例えていうなら、テレビのバラエティ番組で村人が「@$Ш#*&〒」と何を言っているのかわからない状態です。日本語でも聞き取れないのです。
ディクテーションも同じです。
ディクテーションはテキストを使わずに「音声だけで」英文を書き出すトレーニング法です。
「聴こえているのがただの音」であれば絶対にスペルは出てきません。当然英文を書き出すことはできません。
それを精神論で「集中力が足りない」というのはお門違いです。
音読は補助輪をつけて自転車に乗る練習をするくらい効果的
私は何年もあれこれ試行錯誤してようやくたどり着きました。
音読です。
音読は「発音とスペルをつなげるトレーニング」なのです。
特に音声を使ってテキストに目を通しながら声に出す「オーバーラッピング」が私のリスニング克服の突破口になりました。
最初はよくわからず「生きた英語がいい」と思って CNN English Express という雑誌でオーバーラッピング(音声つき音読)と音読(音声なしのテキストだけの音読)をしました。
ネイティブの発声スピードについていくのは大変でしたが、毎日続けることで TOEIC スコアが 95 点アップしたときは本当にびっくりして眠れませんでした。
関連記事:英語習得物語 第6話:CNN EEを音読してみてTOEIC95点アップ(545→640)
しかしその後壁に当たりました。どれだけ音読を積み重ねてもリスニング力が改善しない時期がありました。
この壁の克服のヒントは「中学英語」でした。
ニュースに出てくる難しい英単語の前に、よく知っている中学レベルの英単語を「脳内で速く処理する」必要があったのです。
知っている英単語でも速く処理できないとリスニング力は向上しないのです。
この記事でいう「発音からスペルに変換処理する速度を上げる」必要があったのです。
そのため下記の本で再度音読したところ、4年間停滞した TOEIC 700 点の壁を突破したのでした。
私がリスニングを克服した音読ノウハウ「チューニングメソッド」についても全て無料で公開しています。下記の関連記事をあわせてご覧ください。
まとめ
シャドーイングとディクテーションはどちらも上級者向けの学習法です。無理をせず確実に力のつくトレーニング法を導入しましょう。
この記事をまとめましょう。
- 英単語のスペルは発音の表示ではない。そのため各英単語には発音記号が別にある。
- リスニング力とは「発音(記号)を英単語(スペル)に変換する能力」である。
- この変換能力が無ければシャドーイングもディクテーションも「音を聴いているだけで英語力は向上しない」。
- この変換能力を改善する方法は音読(特にオーバーラッピング)である。テキストと音声教材の両方を使って声に出すと「発音と英単語がリンク」する。