海外にある日系転職エージェントの選び方と付き合い方

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おすすめエージェントかどうかは登録しないとわからない

転職エージェントはどこがおすすめですか?という質問は非常に多いです。誰だって確実により良い会社に転職したい気持ちは同じです。しかし一方で、そんなに甘くないというのも現実です。

この記事では私が過去に転職した経験から、エージェントの選び方や付き合い方についてまとめました。私は日本国内の転職経験がないので、どれも海外の会社のケースです。ただ日系の会社なので日本国内の転職でも共通する点はあるでしょう。

特定の会社を紹介できないここだけの話

「転職 エージェント おすすめ」で検索すると「転職エージェントランキング」や「おすすめエージェント◯選」といった、特定の会社を紹介する記事がたくさん出てきます。私の過去の転職経験から、それらのほとんどは広告だと断言します。

私は特定の転職エージェントだけを推薦しません。なぜでしょうか?

転職エージェントは個人のスキルにばらつきが大きいです。会社としてのおすすめよりもエージェント個人のレベルでおすすめかどうか判断しないといけません。

どうしてでしょうか?ケースによっては担当者様が誰かによって採用結果が決まるからです。

日本のプロ野球からメジャーリーグに移籍する話を想定してみましょう。エージェント(交渉代理人)が球団と選手の間に立って様々な交渉事をします。

その中で「この選手はコントロールが良いのでいいので20勝できる」とか「この選手は打率は高くないが足が速くて代走ができる」、「年俸や移籍金は○○ドル」、「いつからプレー可能」といったかけひきが行われているはずです。

エージェントもその道のプロです。高い報酬をもらうために選手にとって最高の取引ができるようベストを尽くします。同じことはサッカーなどの他のスポーツにも当てはまりますし、転職についても当てはまります。

しかし私の過去の転職経験を通じて思うことがあります。安心してお願いできる担当者様とそうでない人の差が大きすぎるのです。

野球の例でも伝えた通り、エージェントの売り上げは成功報酬です。企業と求職者をマッチングさせるのがエージェントに仕事です。ここまでは同じです。しかし下記のような担当者様に当たったことがあります。

  • 成功報酬さえもらえればいいので、とりあえず求人を紹介してマッチングさようとする担当者様
  • 明らかにエージェントの仕事が未経験と思える担当者様
  • 殿様商売のにおいがする、上から目線の担当者様

もちろん全員がそうではありません。きちんと誠実に対応してくれた方もいます。また社風もあるので転職支援会社として合う/合わないもあるかもしれません。しかし誰が担当者になるかで自分の人生を左右してしまいかねないのです。

その点、結婚のマッチングとは話がちがいます(私は婚活をしてないので間違っていたら申し訳ございません)。婚活のマッチングでは相手の仕事や収入もみますが「相手と価値観が合うかどうか」もチェックするはずです。

本来であれば企業と求職者のマッチングでも、スキル以外の情報として「今後求職者がどうしていきたいか」というビジョンや価値観もチェックすべきです(もちろん登録面談時に聞いてくれるエージェントはいます)。

未経験の担当者様の場合、そもそも求職者の希望する業界を知らないことがあります。そのためこちらが丁寧に事情を説明してもきちんと伝わらない可能性もあります。そうすると意思疎通がうまくできず本来の仲介役ができずトラブルになる可能性もあります。

いずれにせよ、事前にこのエージェントがお勧めという(会社レベルの)紹介はできないのです。どのエージェントの誰に当たったかで結果が変わるのです。

この記事のタイトルは『転職エージェントの選び方』としました。しかし正解は「何社も登録して自分に合う担当者に巡り合う必要がある」です。

経験談:海外転職時に実際にあったエージェントのおはなし

ここからは私が海外就職で経験したときのエージェントとのエピソードを紹介します。良かったことも悪かったことも全部含めて印象的なお話です。

毎回英語力を試す?

同じ会社でも担当者ごとに英語力チェックをする

世界に複数の拠点があるエージェントのはなしです。

東南アジアをターゲットに転職活動をしていた時、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナムなど「同じ会社の他国事務所」で登録面談をしました。

そして各国の担当者様(全員日本人)ごとに英語力チェックをしました。

英語力チェックを実施すること自体は問題ありません。面談中に英語で会話をするだけです。そして「この求職者は英語で業務をするのに問題ありません」と会社側に情報を提供するからです。

また全く別の会社(エージェント)であれば情報共有できないので、英語力チェックはやらざるを得ません。

しかし同じ会社であれば英語力の結果は共通のサーバーなどで管理してほしい。そうすれば次に転職するときも共通のデータでスムーズに転職活動できそうなのに。これが本音です。

医療の電子カルテではありませんが、そういう登録者情報は少なくとも社内共通にはできないのでしょうか?例えば救急病院でレントゲンを撮影し、その後別の大学病院でも新しくレントゲン撮影することはあります。しかしレントゲンは微量とはいえ放射線を浴びることになるのでやはり何度もやりたくありません(心情的に)。

こういうローカルルールはとっくに時代遅れだとしか思えません。しかし技術に精通している人はなかなかいないのでしょう。私が知る限り転職業界ってかなり体育会系のイメージですので。

同じ看板の会社でも各国の事務所は縦割りです。日本式のグローバル1.0企業です。担当者の間でもともと連絡し合う間柄でもない限り、各国の横のつながりはないと覚悟してください。

関連記事:好待遇だがしがらみもある駐在員、安くても働きやすい現地採用(日本型グローバル企業と海外型グローバル企業の比較)

担当者レベルで持っている案件が異なる

求人情報(案件とも言う)はエージェントごとに違う情報を持っています。ここまではおわかりいただけるでしょう。

しかし実際には担当者レベルでも違います。私はエージェント内の社内事情までは知りませんが、どうやら求人を出す会社ごとに担当者を縦割りで割り振られているようです。

そのため求職者にとってはマッチしていそうな仕事でも、担当者が違うと情報をもらえない可能性があります。

一例を紹介します。私の経験です。

ある転職エージェントの担当者様と登録面談をしました。私の経歴が「大学ではIT系だったが職歴はハードウェアエンジニア」であることを説明しました。転職には職務経験があるハードウェア系の求人の方が有利です。

約30分間電話で面談し、すぐに案件を紹介していただくことができました。しかし2件紹介してもらい、2件ともIT系の案件でした。

私は電話口で「御社はメーカー系の案件もお持ちでしょうか?」と聞きました。そうしたら担当者様が「少々お待ちください」といい電話が保留になりました。数分後「別の担当者によるメーカーの案件がございます」との返事でした。

そして求人内容を見たところ、明らかに過去の職務経験が活かせる内容でした。そして後日、その案件を本来持っていた担当者様から連絡がありました。

私は大学(大学院)や趣味でプログラミングは経験しています。ただ実務の方がないためIT系の会社に応募しても不利であることを理解していました。しかしその担当者様はIT系とメーカーの区別がつかなかったのでしょう。

自分から他の案件をお願いしたのでこのケースでは紹介してもらえました。逆に自分から動かなければ紹介してもらえなかったかもしれません。

こういうこともありますのでご注意ください。

履歴書に書いてあることを聞いてくる

履歴書をメールで送っているのに中身を見ずに質問してくる

あるエージェントの担当者様に履歴書と職務経歴書を一式(日本語版と英語版)をメールで送りました。

その返事です。実際のメールから引用させていただきます。

(前略)少しご状況などお聞かせいただけましたら幸いでございます。

現在のお給料、ご希望のお給料レンジ、ご希望の職種、勤務地、運転免許の有無などご教示くださいませ。

希望給与額は確かに履歴書に書きませんでした。しかし希望勤務地については「希望欄」にありますし、希望職種は過去の経歴から推測できます。運転免許証の有無も履歴書に書いてあります。

この担当者様は天然なのでしょうか?それとも素人なのでしょうか?少なくとも私が提出した資料を見る前に返信してきたのかな?と勘ぐってしまいます。

スカイプで面談したところ、英語の履歴書しか見ていないようでした。運転免許証は英語の履歴書には書きません(日本でしか使えないから)。私が面談中に「英語の履歴書を見ていますか?」と聞いたら「そうです」と返ってきました。

こういうことでいちいち怒ってはいけません。しかしこういうやりとりを見ながら「この担当者様はプロ意識があるか?きちんとやってくれそうか?」と判断しています。この担当者様は私にとってそこまで頼れないと判断せざるを得ませんでした。

自分の身は自分で守らなければいけません。

暴走されたこともある

シンガポールの会社から転職する際、某担当者様に暴走されました。

日本からシンガポールに転職時、海外就職サービス(履歴書作成サポートなど)を経由してエージェント登録しました。この時も海外就職サービス経由でした。

「エージェントに最新の履歴書を共有してよいか?」と海外就職サービスの担当者様に聞かれたため「OKです。ただし第1希望は欧州(ドイツ)なので、シンガポールはあくまで参考程度で」とお伝えしました。

果たして、シンガポールの某エージェントの担当者様からすぐに連絡が来ました。その人は日本からシンガポールの会社への転職を成功させてくれた人でした。「もう一度ご転職とのことですね。こちらでサポートさせていただきます。」と話が進んでいきました。

私もその場で断ればよかったと今になって反省しています。しかし前回お世話になったことと、シンガポールで働き続ける可能性も残したため、だらだら進めてしまいました。

そして、紹介されたある会社の2次(役員)面接で、散々な嫌がらせを受けました。応募者に対するリスペクトが全くない、私の人生で過去最低の面接でした(その詳細は別記事で書いたのでリンクを後ほど紹介します)。

当然結果も不採用。会社側の人事担当者も翌日エージェントに謝罪に行ったそうです。私もすぐ「なぜこのようなことになったのか調査して報告してほしい」とメールしました。

エージェント側は非を認めてメールで謝罪はありました。しかし私の気持ちはもはやシンガポールにありませんでした。結果的にネットの3行広告で見つけたベルギーの仕事に応募して採用が決まったのでした。

このエージェントの社風はガツガツの体育会系のようなところがあります。私が過去にシンガポールで転職できた実績から「私を使って成功報酬が入る」と目がくらんだと疑われても仕方ありません。実際このときは行き違いばかりでした。

関連記事:転職活動で不採用が続くときのアドバイス(1/2)採用側の事情(このときの面接の話あり)

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リクルーターさんとディナー
某国でリクルーターさんからご馳走になったディナー

最後にもう1例、東南アジア某国でのエージェントさんとのお話です。

そのエージェントさんには私のためにとても尽力していただき、求人も紹介していただきました。しかし残念ながら採用・成約にはつながりませんでした。

ある面接のあと「食事しませんか?」と誘われたので、バイクに2人乗りして(もちろんヘルメット着用すればよい)その国のローカルフードを食べに行きました。

そこでたくさんのお話をしました。そのエージェントさんも「東日本大震災で自分がこの先どうすればよいのか悩んだ」と話してくれたのは印象的でした。

エージェントさんも同じ人間です。ここまでいろいろ書きましたが、まさに人と人の個人的なつながりが大切です。このときは食事代も支払っていただき、何から何までお世話になってしまいました。

その人は現在、自分で転職エージェントを立ち上げました。日本ではなくその東南アジアの国で設立して活躍されています。

いまは faceboook などでもつながっていられる時代です。個人間の関係はできるだけ良好に保ちましょう。またできるだけ誠実な対応を心がけるのがいいでしょう。

まとめ

転職市場はまだまだ活発なのでエージェントの需要はあるでしょう。そのためネットで検索してもエージェントを広告的に紹介しているページがたくさん出てきます。しかし一方で AI (人工知能)によるマッチングが今後主流になることは間違いありません。

ただ最後はやはり人と人です。こういう状況の中で転職するためには自分の信念をしっかり持って転職活動をしてくださいね。

この記事をまとめましょう。

  • 良い転職エージェントを事前におすすめすることはできない。なぜなら担当者次第で次の仕事が決まるケースもある。そのため登録してみないことにはわからない。
  • 同じエージェント内でも担当者ごとに持っている求人情報(案件)が違う。自分の希望している内容があれば遠慮なく問い合わせてみよう。
  • 最後は結局人と人との交流なので、まずはできるだけ誠実に対応しよう。 SNS のおかげで転職後も個人的につながりをキープできる。