ベルギーの郵便は出すのも受け取るのもトラブルなおはなし
この記事は約 8 分で読めます
今はネットで何でもデータでやり取りできる時代です。そのため郵便サービスを極力使わずに生活したいものです。海外では郵便のサービスの質が悪く紛失するリスクがあります。
この記事では私のベルギー生活で直面した郵便関係のトラブルをまとめます。サービスを利用する前の予備知識としてご活用ください。
ベルギー(EU圏)から他国に出す郵便で起きたこと
まずはベルギーから他国への国際郵便で私が経験したことをお話しします。 EU 圏外に出る方は入る方に比べてマシですが、それでも少し変です。
追跡付き国際郵便の追跡機能がおかしい
日本の国際スピード郵便 (EMS) に相当するサービスをベルギーでも使用しました。シンガポールの銀行口座の解約書類を送るためにこのサービスを利用しました。
書類を紛失されるのが嫌だったので、追跡番号付きにしました。ベルギーでは英語で registered letter と呼ぶようです。費用は正確には覚えていませんが、 7 ユーロ程度だったはずです。
書類自体はきちんとシンガポール DBS 銀行に届いたようでした。しかしベルギー郵政 (bpost) の追跡機能では「配達失敗」でした。
上の画面にあるように “Your registered letter was not delivered. It is being returned to sender.” と英語で書かれています。この画面を見たとき「え?ベルギーまで戻ってくるの?」とショックでした。
もちろん実際にはきちんと届いていたので画面表示がおかしかったのは明らかです。しかし銀行から残高の小切手が届くまでの数週間、とてもストレスでした。
このようなことが起こります。ご利用の際はお気を付けください。
DHLはオンライン手続きを済ませないと受け付けない
当初、この解約書類は郵便ではなく DHL で送ろうとしていました。民間のサービスを使ったほうが紛失リスクは低いはずです。
実際、シンガポール在住時には何度も DHL を利用し、日本に荷物を届けることができました。トラブルは全くありませんでした。
そのためベルギーでも DHL を使って書類を送ろう、とまず考えました。
職場から少し距離のあるガソリンスタンド、その敷地内にあるコンビニ。そこに封筒を持参しました。その結果「オンラインですべて手続きを済ませること。送り状を印刷して持ってこないと受け付けない」と言われて門前払いでした。
シンガポールではそんなことありませんでした。 DHL の窓口に持参したときに送り先や送り主の情報を書いて出すことができました。
オンライン手続きをしてもいいのですが、アカウント作成が必要です。郵送サービスを利用するのはこの 1 回だけだろうし、そのためにアカウントを作るのは面倒だと思って作りませんでした。
DHL を使った郵送はあきらめて、代わりに先ほどの国際郵便で書類を送りました。
外部リンク:DHL Express | Shipping, Tracking and Courier Delivery Services (ベルギーDHLで海外に物を送るサービスのポータルサイト)
他国からベルギー(EU圏)で受け取る郵便で起きたこと
他国からベルギー(ヨーロッパ)に荷物を送るのは時間も手間もかかります。荷物を送る際には十分にご注意ください。
箱モノはまず中身をみられる
上の写真は英英辞典を日本の実家から私のベルギーの職場に郵送してもらった時の箱です。写真にあるように開封の跡が残っています。
どうして中身を見るのでしょうか?
送付する物によっては追加で税金を払う必要があります。つまり税関です。
この写真では辞書(と梱包用のタオル)だけだったので問題なく税関を通過しました。しかし食べ物や他の物(子供用のおもちゃなども含む)を送る際は注意してください。追加の税金(関税)が発生します。
税関から関税の支払について書類が届きます。支払いが完了するまで郵送は再開しません。
駐在員さんは日本食材などを日本からベルギーに送るようです。そのため毎回追加関税を支払っているようです。しかも箱は毎回ボロボロになって届くようです。
Amazon.co.jp で日本語の本を購入した場合、追加関税はありませんがやはり中身はチェックされます。こちらも届くと Amazon の箱には開封の跡があります。輸送業者は DHL で紛失の経験はありません。
Amazon.co.jp では購入時に送料を多めに支払います。そして到着後に関税額などのチェックをして払いすぎた分は後で戻ってきます。
小切手などの受け取りは本人確認が必要
ある日、ポストに不在通知のような手紙が入っていました。私宛の手紙が着ているが保管しているということで郵便局に取りに行きました。
この郵便はシンガポールの銀行口座を解約したときの残高の小切手でした。追跡機能のない通常の国際郵便でした。
小切手などの重要書類は不在通知のほかに滞在許可証 (ID カード) で本人確認が必要です。 1 度しか経験はありませんが、こういうケースもあるということも覚えておくといいでしょう。
追跡付きレターなのにまさかの紛失?
日本のクレジットカードの有効期間が満了したので、新しいカードを発行してもらいました。この新しいカードを日本からベルギーの私の職場に送ってもらったところ、紛失しました。
EMS を使ったのにもかかわらず、紛失しました。いや、むしろ追跡サービスを使っていたからこそ紛失も記録に残ったと思ったほうが良いでしょう。
上の図は日本の EMS による追跡結果(一部修正)です。「ベルギーで保管中」となっています。ただこの画面を見たときも「保管期限が書かれていないのは不自然だな?」とは思っていました。通常は保管期限があるからです。
なので、先ほどの小切手のケースのように引換証が届くのかな?と数日待ちました。しかし何日待っても何も届きませんでした。
ようやく、ベルギー郵政 (bpost) にも追跡サービスがあることを思い出しました。シンガポールに書類を送付した際に「送り主に戻す」と表示されたシステムです。
bpost の追跡サービスで検索しました(日本の EMS の荷物番号で検索できます)。その結果 “addressee absent – message left in addressee’s letterbox” (不在だったので不在通知を入れておいた)でした。
送り先は職場なので、不在はありえません。嫌な予感しかしませんでした。
そこで職場のビルの受付に行き、この画面を印刷して見せました。受付のおじさん(こわもて)は「郵便局に確認する」と言ってオランダ語で電話してくれました。
あれこれやり取りした結果「紛失の可能性がある。調べるのでもう少し待ってほしい」とのことでした。私の連絡先も教えました。
そして 1 週間待ちましたが、結局何の連絡もありませんでした。
この場合 EMS に文句は言えるでしょうか?おそらく無理でしょう。ベルギー到着までは日本側が責任を持つでしょうが、税関を出た後はベルギー国内の管轄です。日本側もそこまで責任は持てないはずです。
クレジットカード再発行の書類が「原本に手書きのみ受付」と銀行から言われたので、日本から再発行申請書類を郵送してもらって、記入して、再度日本に送り返した。オンライン申請できず、手書きに PDF をスキャンした書類も NG な日本の銀行。
クレジットカードは実家の母に伝えて再発行してもらいました。そして今度発行されたカードは、国際郵便ではなく私の日本一時帰国時に取りに行こうと考えています。また紛失する可能性がゼロではないので。
おまけ:同僚はベルギー国内の郵便を紛失されて弁償した
最後にベルギー国内の郵便で紛失したお話しをします。この話は会社の先輩から聞いた話ですが、そのままお伝えします。
その先輩はブリュッセル内で引っ越しをしました。オーナーさんに住んでいた住居のカギを返却するため bpost で郵送しました。しかしこの郵便は紛失し弁償することになりました。鍵本体と鍵穴の全交換で数百ユーロの損失だったようです。
こういった場合は郵送ではなく手渡しか、もしくはオーナーさんの事務所や住居のポストに投函するのが良いでしょう。その方が確実です。
私も確定申告などでベルギー国内の郵便も使っています。しかし幸いにも紛失の経験はありません。
紛失リスクがあることはここまで紹介した通りです。だから確定申告もオンラインでできるインフラが整っています。むしろ日本は郵便サービスの質が高いのでオンライン化が進まないともいえます。
まとめ
ベルギーの国内郵便・国際郵便ともに郵便はトラブルになることがあります。郵便サービスをお使いの際はご注意ください。
この記事をまとめましょう。
- オンラインで処理可能なものはできるだけオンラインでやる。郵送には紛失リスクがある。
- 手渡しできるものはできるだけ手渡しする。紛失時の弁償額も安くはない。
- 郵政サービスより民間サービスをおすすめする。ベルギーの場合、 DHL は事前手続きをすべてオンラインでやり、送り状を印刷して窓口に持参する必要がある。